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こんにちは。『脱会社員』脱サラを応援し続けるブログ、運営者の『なかびー』です。

失業保険の基本手当は、原則として「離職前6か月の対象賃金÷180」で賃金日額を求め、離職時の年齢に合う計算式から基本手当日額を出します。その日額に所定給付日数を掛けると受給総額の目安になります。ただし、実際の支給は失業の認定を受けた日について行われるため、概算総額がそのまま振り込まれるわけではありません。

たとえば、離職時35歳、対象となる6か月の賃金が合計180万円なら、2026年8月1日適用の式で基本手当日額は6,307円です。所定給付日数を90日と仮定した総額は567,630円、減額などがなく28日分が認定された場合は176,596円です。同じ給与額でも年齢や日数が違えば結果が変わります。

計算前にそろえるもの

  • 対象となる6か月分の給与明細と、届いていれば離職票
  • 離職日と、その日の年齢
  • 雇用保険の加入記録、離職理由が分かる資料
  • 手続き済みなら雇用保険受給資格者証と、直近の認定内容

この記事は、主に65歳未満で離職した方の基本手当を、自分の資料で試算・照合するための解説です。制度資料は2026年10月12日(日本時間)に確認し、金額は2026年8月1日からの基準に統一しました。受給資格や対象賃金、給付日数の個別判断はハローワークで確認してください。

目次
  1. 失業保険の計算は「賃金日額・基本手当日額・日数」を分ける
  2. 離職前6か月の賃金から、計算に使う日額を出す
  3. 2026年8月改定の年齢別計算式と上下限を当てはめる
  4. 所定給付日数を確認し、受給総額の概算を出す
  5. 給与・年齢の違う5つの例で、日額と総額を検算する
  6. 試算と振込額が違うとき、受給資格者証で確かめる

失業保険の計算は「賃金日額・基本手当日額・日数」を分ける

基本手当日額に認定日数または所定給付日数を掛ける二つの計算

「給与の何割」だけで考えると、二つの日額が混ざる

最初に分けたいのは、計算の土台となる賃金日額と、基本手当として1日分いくらになるかを示す基本手当日額です。給与が月30万円だった人の賃金日額が1万円になっても、基本手当が1日1万円支給されるという意味にはなりません。賃金日額に年齢別の給付率、上限・下限などを当てはめて、もう一段階計算します。

ハローワークの説明では、基本手当日額は賃金日額のおよそ50〜80%、60〜64歳では45〜80%です。ただし、自分で好きな率を選ぶ仕組みではありません。賃金の低い方ほど高い率になる計算式が決められているため、「間を取って6割」では正式な式による試算とずれます。

※表は横にスクロールできます。「日額」と「日数」の単位を分けて確認してください。

項目 意味 主な確認資料 計算での役割
賃金日額 離職前の対象賃金を日額に直した額 給与明細、離職票、受給資格者証14欄 基本手当日額を出すための入力
基本手当日額 基本手当の1日当たりの額 受給資格者証19欄 支給対象の日数に掛ける日額
所定給付日数 区分などに応じて決まる支給日数 資格決定後の書類、公式の日数表 総額の概算に使う日数
今回の支給日数 今回の認定で実際に支給対象となった日数 認定後の支給内容 今回分の支給額を照合する日数

制度と用語:ハローワーク「基本手当について」。受給資格者証の欄番号:厚生労働省「賃金日額・基本手当日額の変更について」1ページ。

手続き前と、受給資格者証がある場合で入口を変える

まだ受給資格者証がない段階では、まず給与明細を使って対象賃金の候補を整理します。その合計から賃金日額を試算し、年齢別の式へ進みましょう。離職票が届いたら、給与明細と対象期間・金額が合うかを確認します。給与明細の情報だけで作った金額は、確定額ではなく相談前の目安として残します。

すでに受給資格者証があるなら、最初から給与明細6枚を足し直す必要があるとは限りません。14欄の賃金日額と19欄の基本手当日額を出発点にすると、どこに差があるかを絞れます。14欄に疑問がある場合に、賃金の集計へ戻る順番です。確認済みの数値と自分の予想を、同じ欄に上書きしないようにします。

電卓や表計算ソフトを使うときも、「合計賃金」「離職時の年齢」「賃金日額」「基本手当日額」「仮の日数」の入力を別に置くと見直しやすくなります。計算結果だけをスクリーンショットで残すより、参照した改定年月と入力条件も一緒に残す方が、窓口で説明しやすいでしょう。

総額、28日換算、銀行への入金を別々に見る

生活費を考えるときに知りたいのは「全体でいくらか」と「次の入金がいくらか」の二つです。前者は基本手当日額と所定給付日数、後者は今回の認定で支給対象となる日数を使います。90日分の概算を計算しても、それが最初の認定後にまとめて支払われるという意味ではありません。

この記事の28日換算は、4週間分を比較するための計算例です。カレンダー上の1か月には28日・29日・30日・31日があり、初回や最後の認定、就労のある期間などでは対象日数も変わります。「月額」として家計簿へ固定登録する前に、何日分の金額なのかを確かめてください。

計算の順序は、入力となる賃金を確かめる、日額を求める、使う日数を選ぶ、認定内容と照合する、の四段階です。途中の一つが未確定なら、その部分を仮定として残せば十分です。最初から一つの受給総額を確定させようとせず、不明点を分けることが計算間違いを減らします。

離職前6か月の賃金から、計算に使う日額を出す

架空の各月30万円を6か月合計し180で割る賃金日額の計算例

手取り額ではなく、控除前の対象賃金を集める

賃金日額は、原則として離職前6か月に毎月決まって支払われた賃金の合計を180で割って求めます。厚生労働省のQ&Aは、給与の総支給額を保険料などが控除される前の額と説明し、賞与を除くとしています。銀行口座の入金額だけを集めると、税金や社会保険料などが差し引かれた手取りを使ってしまいます。

給与明細に「総支給額」と「差引支給額」があるなら、両者を取り違えないことが第一歩です。ただし、明細の総支給額に載っているすべての項目が、どんな場合もそのまま対象になると決めつけるのは避けます。臨時の支給や賞与などが一緒に表示されている場合は、内訳を分けて確認します。

「基本給だけで計算すればよい」と考えるのも早計です。給与には手当などの項目が含まれるため、名称だけを見て自己判断で足したり除いたりすると、離職票の賃金額と合わなくなります。まず元の項目と金額を残し、対象になるか不明なものを質問欄へ移してください。

控除前の給与、賞与除外、概算式の説明:厚生労働省「基本手当・再就職手当のQ&A」Q10。同ページの月額目安は本稿の数値例には使わず、日額は2026年8月の公式計算式で算出しています。

毎月同じ給与でも、変動する給与でも合計から計算する

対象賃金が毎月30万円で6か月とも同じなら、30万円×6か月=180万円、180万円÷180=1万円です。「月給÷30」でも同じ結果になりますが、それは対象となる各月の給与がすべて同じという条件があるからです。最後の月だけの金額を、無条件に6倍しないようにしましょう。

残業や勤務日数などによって対象賃金が違う場合は、月ごとに合計します。次は、各月の金額がすべて対象賃金として確認され、賞与や対象外の支給を含まないと仮定した架空例です。月の名前ではなく「対象1〜6」としたのは、個人ごとの算定対象期間を先に確認する必要があるためです。

※表は横にスクロールできます。実際の集計では、金額の横に対応する明細の期間を記録してください。

対象期間 毎月同額の例 月ごとに変動する例
対象1 300,000円 280,000円
対象2 300,000円 290,000円
対象3 300,000円 300,000円
対象4 300,000円 310,000円
対象5 300,000円 320,000円
対象6 300,000円 300,000円
6か月合計 1,800,000円 1,800,000円
合計÷180 10,000円 10,000円

この二つの例は、月ごとの並びが違っても合計が同じなので、賃金日額は一致します。反対に、最後の月の給与が同じでも、それ以前の5か月が違えば結果は変わります。昇給後の給与だけ、残業が多かった月だけを選ぶのではなく、確認された期間の全額を集めることが大切です。

「6か月」の範囲があいまいなら、賃金額と期間を同時に確かめる

退職月の途中まで働いた場合、欠勤や休業があった場合、給与の締め日と支給日が異なる場合などは、手元の直近6枚を足すだけで正しい対象期間になるかを確認する必要があります。この記事では、こうした個別事情のある賃金算定を一つの簡単なルールに置き換えません。

明細を整理するときは、支給日だけでなく、その支払いがどの勤務期間に対応しているかもメモします。たとえば翌月払いの給与では、口座へ振り込まれた月と実際に働いた月がずれます。離職票と明細を比べて金額が合わないときに、期間のずれなのか、対象項目の違いなのかを切り分けやすくなります。

ここで自己判断を止めたいケース

  • どの6か月を使うか分からない、または一部の明細がない
  • 休業・欠勤・日割り給与などがあり、離職票の額と一致しない
  • 賞与や臨時の支給、複数月分の支払いが混ざっている
  • 複数の勤務先や過去の離職票が関係し、集計範囲が分からない

金額を都合よく足し直す前に、離職票と元の明細を示して、算定に使う期間と項目をハローワークへ確認しましょう。

途中の端数を勝手に丸めず、確定した賃金日額につなぐ

この記事の5つの主要例は、6か月合計を180で割った段階で整数になるように設定しています。途中計算の端数処理と、最後に基本手当日額を1円未満切り捨てる処理を混同しないためです。実際の合計が180で割り切れないときは、自分の電卓で適当に四捨五入した額を確定した賃金日額として扱わないでください。

受給資格者証が交付されたら、14欄の額と、手元で試算した値を比較します。差がある場合には「6か月合計がいくらか」「どの期間か」「どの項目を除いたか」を順にたどります。日額だけを見て誤りと決めつけず、算定の前提を確認する方が、訂正の必要があるかを判断しやすくなります。

保管するメモには、資料の金額をそのまま転記した欄と、試算用に整理した欄を分けると便利です。元の数字を消さずに残しておけば、あとで説明を受けたときも差の理由を追えます。勤務先へ確認する内容と、ハローワークで算定を確認する内容を分けておくと、同じ質問を繰り返す負担も減らせます。

2026年8月改定の年齢別計算式と上下限を当てはめる

2026年8月1日からの年齢別基本手当日額の上限と共通の下限

年齢は「計算する今日」ではなく、離職日を基準にする

厚生労働省の計算式では、年齢を区分する基準日は受給資格に係る離職日です。現在の年齢だけを入力して試算すると、離職後に誕生日を迎えた人は違う区分を選ぶおそれがあります。給与資料の近くに離職日と当日の年齢を置いてから、下の表を使いましょう。

対象となる4区分は、29歳以下、30〜44歳、45〜59歳、60〜64歳です。59歳以下では共通する計算範囲がありますが、上限額は年齢区分で異なります。60〜64歳は途中の式と高い賃金帯の給付率も変わるため、単に上限だけを入れ替えると正しく計算できません。

※表は横にスクロールできます。上限は「賃金日額」と「基本手当日額」で別の額です。

離職日の年齢 賃金日額の上限 基本手当日額の上限
29歳以下 14,900円 7,450円
30〜44歳 16,540円 8,270円
45〜59歳 18,220円 9,110円
60〜64歳 17,400円 7,830円

賃金日額の下限は3,203円、基本手当日額の下限は2,562円です。いずれも2026年8月1日からの基準で、この表の対象年齢に共通します。低い給与から計算した額が下限を下回る場合も、基本手当日額を単純な掛け算だけで終わらせず、下限の扱いを確認します。

59歳以下は、共通の式と年齢別の上限を組み合わせる

以下では、賃金日額をw、基本手当日額をyと表します。まず賃金日額がどの範囲に入るかを選び、その行の式を使います。59歳以下の3区分は、賃金日額13,490円までの式が同じです。それを超える場合の50%という率も共通ですが、50%で計算できる賃金日額の上端が年齢ごとに違います。

※表は横にスクロールできます。境界の「未満」「以下」「超」を含めて読んでください。

賃金日額wの範囲 基本手当日額yの計算 対象
3,203円以上5,480円未満 y=0.8×w 59歳以下の3区分に共通
5,480円以上13,490円以下 y=0.8×w−0.3×{(w−5,480)÷8,010}×w 59歳以下の3区分に共通
13,490円超〜各年齢の賃金日額上限以下 y=0.5×w 29歳以下14,900円、30〜44歳16,540円、45〜59歳18,220円まで
各年齢の賃金日額上限を超える 年齢別の基本手当日額上限を適用 順に7,450円、8,270円、9,110円

式の8,010は、13,490−5,480の差です。「給与の80%から30%を引く」とだけ覚えると、途中の割合を表す部分が抜け落ちます。電卓ではかっこの中から計算し、引く項にも最後のwが掛かることを確認してください。複雑に見える範囲ほど、一つ前の年の式を検索結果から流用しないことが重要です。

60〜64歳は、二つの計算結果の小さい方を選ぶ範囲がある

60〜64歳では、賃金日額5,480円以上12,120円以下の範囲で二つの式を計算し、低い方を採用します。最初の式だけを使って終えたり、受給額が大きくなる方を選んだりしないでください。比較が必要なのはこの範囲で、低い賃金帯は80%、12,120円を超えて上限までの帯は45%です。

※表は横にスクロールできます。中間の賃金帯ではA・Bの両方を計算します。

賃金日額wの範囲 基本手当日額yの計算
3,203円以上5,480円未満 y=0.8×w
5,480円以上12,120円以下 A=0.8×w−0.35×{(w−5,480)÷6,640}×w
B=0.05×w+4,848
A・Bのいずれか低い方
12,120円超17,400円以下 y=0.45×w
17,400円超 y=7,830円

ここでの6,640は12,120−5,480、4,848は12,120×0.4です。35歳と62歳で賃金日額が同じ1万円でも、適用する式が違うため基本手当日額は一致しません。後の計算例では、AとBの途中結果まで示して、この違いを確かめます。

1円未満を切り捨ててから、支給日数を掛ける

公式計算式の注意書きでは、端数は1円未満を切り捨てます。本稿では式で求めた基本手当日額yにこの処理を行い、その後で日数を掛けています。たとえばyが6,307円台なら日額は6,307円です。小数の残った日額に90日を掛け、総額の最後だけを切り捨てる計算とは結果が異なります。

また、改定は「2026年に退職した人だけに関係する」という意味ではありません。厚生労働省の案内は、対象者には2026年8月1日以降の認定日に返す受給資格者証へ、新しい基本手当日額を印字すると説明しています。改定をまたぐ受給では、どの日の支給を調べているかと、新旧の日額を混ぜないようにします。

資料の裏面には再就職手当などを計算するときの日額上限も載っていますが、基本手当そのものの上限とは別です。「基本手当日額」という語が同じでも、表の見出しにどの給付の算定用と書かれているかを見てください。本稿の試算には、上記の基本手当の年齢別上限だけを使います。

本章の金額・年齢基準・全計算式・端数処理:厚生労働省「基本手当日額の計算式及び金額(令和8年8月1日〜)」。上下限と改定時の案内:「賃金日額・基本手当日額の変更について」。

所定給付日数を確認し、受給総額の概算を出す

受給資格の加入月数、所定給付日数、受給期間の違いと総額の概算

日額が分かっても、日数は給与額だけでは決まらない

基本手当日額は離職前の賃金を中心に求めますが、所定給付日数は離職時の年齢、雇用保険の被保険者であった期間、離職理由などによって決まります。月給が高い人ほど日数が長い、同じ日額なら全員90日、という関係ではありません。金額の表と日数の表を別々に確認する必要があります。

公式の日数表は、大きく「特定受給資格者及び一部の特定理由離職者」「それらと就職困難者以外の離職者」「就職困難者」の三つに分かれています。最初に自分がどの表を使うかを確かめ、その後で年齢と期間の欄を読みます。複数の表から都合のよい日数だけを拾わないでください。

ここでは、公式表の「1及び3以外の離職者」に当たることが確認できた場合の、被保険者であった期間1年以上の行を示します。資格があるかどうかの表ではなく、該当区分の所定給付日数を読むための表です。

※表は横にスクロールできます。特定受給資格者等や就職困難者には、この表をそのまま当てはめません。

確認された区分 被保険者であった期間 所定給付日数
公式表の「1及び3以外の離職者」 1年以上10年未満 90日
同上 10年以上20年未満 120日
同上 20年以上 150日

公式表には、被保険者期間が1年未満の特定理由離職者に関する注記もあります。表の一部分を見て「1年未満は全員対象外」「6か月あれば誰でも90日」と判断しないようにしましょう。特定理由離職者のうち、特定受給資格者と同じ日数表を使う範囲にも条件があるため、離職理由の認定と日数は窓口で確認します。

区分、期間、日数の正式な対応:ハローワーク「基本手当の所定給付日数」。すべての区分を確認したい場合は、注記を含む公式表を参照してください。

受給資格を見る「月数」と、日数表で見る「期間」を混同しない

基本手当の受給資格は、原則として離職前2年間に被保険者期間が通算12か月以上あることなどが条件です。特定受給資格者や特定理由離職者には、離職前1年間に通算6か月以上でもよい場合があります。この12か月・6か月は、受給できる支給日数を直接表している数字ではありません。

受給資格の被保険者期間は、離職日から区切った月ごとに、賃金支払いの基礎となった日数が11日以上、または時間数が80時間以上あるかなどを見て計算します。一方、所定給付日数の表では、被保険者であった期間の区分を確認します。自己流の「勤務開始から退職まで何年」で両方を確定させないでください。

転職で勤務先が変わっている方や、過去に基本手当を受けた方は、今の会社の在籍年数だけでは整理しにくいことがあります。加入記録や以前の離職票、受給歴を用意して、どの期間が今回の判断に使われるかを確認します。資料の探し方は雇用保険の加入期間を確認する方法にまとめています。

離職票に記載された理由と実際の事情が違うと思うときも、金額が有利になる表を先に選ぶのではなく、事実を示す資料を整理します。退職の経緯や会社とのやり取りを確認する順序は、離職票の離職理由が違うときの相談準備を参照してください。

総額は「すべての日数が支給対象になった場合」と明記する

概算総額の基本形は、基本手当日額×所定給付日数です。日額6,307円で90日なら567,630円ですが、これは同じ日額が適用され、90日すべてについて減額などなく基本手当が支給されるという条件付きの数字です。申込みをすれば、その金額を受け取る権利が一括で確定するという説明にはできません。

たとえば、受給の途中で就職した場合や、受給期間が満了した場合には、当初の所定給付日数と実際に基本手当を受け取った日数が一致しないことがあります。働いた日や収入についての申告も関係します。また、受給途中に日額の改定をまたぐ場合は、全日数に一つの日額を掛けた額と異なり得ます。

受給期間は原則として離職日の翌日から1年間ですが、所定給付日数330日・360日の場合などには例外があります。ここでの「1年」は支給日数ではなく受け取れる期間の枠です。総額を調べる途中でも、資格者証などで満了日を確認しておくと、日数は残っているのに期限が近いという見落としを防げます。

65歳以上で離職した方の高年齢求職者給付金は、一般の基本手当とは給付の仕組みや日数の扱いが違います。本稿の90日・120日といった例をそのまま使わず、高年齢求職者給付金の条件・期限・手続きで該当する制度を先に確認してください。

受給資格、被保険者期間、受給期間:ハローワーク「基本手当について」。期間内の支給と満了後の扱い:厚生労働省Q&A・Q11。

給与・年齢の違う5つの例で、日額と総額を検算する

共通の賃金日額1万円で基本手当日額が35歳6307円、62歳5348円となる計算例

ここからは、入力となる賃金額がすでに確認できたと仮定した架空の計算例です。受給資格があること、例に示す所定給付日数が別途決まっていることを前提とします。すべて2026年8月1日適用の式を使い、基本手当日額の1円未満を切り捨てた後に日数を掛けます。

5例に共通する計算条件

  • 6か月の賃金は、控除前の対象賃金として確認済みという設定
  • 90日・120日は説明用の仮定で、給与や年齢だけから決めていない
  • 総額は同じ日額で全日数が支給対象となり、減額などがない場合
  • 28日換算は28日分すべてが支給対象となり、減額などがない場合

例1:35歳、6か月の対象賃金が180万円の場合

最初に、1,800,000円÷180=10,000円で賃金日額を求めます。35歳は30〜44歳の区分です。10,000円は5,480円以上13,490円以下の範囲に入るため、中間の計算式を使います。年齢別の賃金日額上限16,540円は超えていません。

式は、0.8×10,000−0.3×{(10,000−5,480)÷8,010}×10,000です。前半は8,000円、後半に引く額は約1,692.8839円なので、計算結果は約6,307.1161円になります。ここで1円未満を切り捨て、基本手当日額は6,307円です。

所定給付日数を90日と仮定すると、6,307円×90日=567,630円です。28日分なら6,307円×28日=176,596円です。日額6,307.1161円の小数部分を残したまま90日を掛けないことが、この例の検算ポイントです。

月30万円の給与に一律60%を掛けた18万円とは、計算の単位も対象日数も違います。給与月額と比べる場合には、この176,596円が28日分の例であることを付記すると、30日分や暦月分との取り違えを防げます。

例2:62歳、同じく6か月の対象賃金が180万円の場合

賃金日額は例1と同じ10,000円です。ただし62歳は60〜64歳の区分で、5,480円以上12,120円以下に該当します。したがって、二つの式で計算した額を比べます。同じ給与だから例1の6,307円をそのまま使う、という計算はできません。

Aは、0.8×10,000−0.35×{(10,000−5,480)÷6,640}×10,000で、約5,617.4699円です。Bは、0.05×10,000+4,848=5,348円です。低い方のBを採用するので、基本手当日額は5,348円となります。

所定給付日数90日の仮定では5,348円×90日=481,320円、28日分では5,348円×28日=149,744円です。例1との差は日額959円、同じ90日を掛けた総額では86,310円になります。これはこの入力条件と年齢区分による差で、60歳以上のすべての人が同額だけ減るという意味ではありません。

Aだけを計算して5,617円とする誤りも起きやすいところです。「両方計算する」「低い方を選ぶ」「選んだ日額の端数を処理する」という順序を書き残すと、シミュレーターなどの結果が違ったときにも確認箇所を特定できます。

例3:29歳、6か月の対象賃金が306万円の場合

3,060,000円÷180=17,000円です。この算出額は、29歳以下の賃金日額上限14,900円を超えています。そのため、17,000円の50%である8,500円を日額にすることはできません。年齢別の基本手当日額上限を適用し、7,450円となります。

所定給付日数90日の仮定なら7,450円×90日=670,500円、28日分なら7,450円×28日=208,600円です。この例では「6か月合計から出た17,000円」「適用される賃金日額上限14,900円」「基本手当日額7,450円」の三つを別に記録します。

高い賃金帯では、給与が増えた分だけ基本手当日額が増えるとは限りません。上限のある制度だからです。厚生労働省の改定案内にも、29歳で賃金日額17,000円の場合、基本手当日額が7,450円になる例が掲載されています。

例4:50歳、6か月の対象賃金が324万円の場合

3,240,000円÷180=18,000円です。50歳は45〜59歳の区分で、賃金日額18,000円は13,490円超18,220円以下に入ります。上限を超えていないため、0.5×18,000=9,000円が基本手当日額です。

この例では、所定給付日数が120日と別途確認されていると仮定します。9,000円×120日=1,080,000円、28日分なら9,000円×28日=252,000円です。日額が9,000円だから120日になるのではなく、日数は離職理由や被保険者であった期間などから別に決まります。

もし日数だけを90日とする比較を行うなら、同じ日額でも総額は810,000円です。120日という仮定との差270,000円は、30日分の違いです。総額を人と比べる際には、日額の差と日数の差を分けないと、どちらが影響したのか分からなくなります。

例5:35歳、6か月の対象賃金が54万円の場合

540,000円÷180=3,000円です。この算出額は賃金日額の下限3,203円を下回るため、下限を適用します。3,203円×0.8=2,562.4円となり、1円未満を切り捨てた基本手当日額は2,562円です。

所定給付日数90日の仮定では2,562円×90日=230,580円、28日分では2,562円×28日=71,736円です。3,000円×80%=2,400円で計算を終えないことが、この例のポイントです。ただし、低い賃金額から下限を計算できることと、本人が受給資格を満たすことは別に確認します。

勤務時間や加入記録などの条件が未確認のまま、「月9万円の給与なら必ずこの額を受け取れる」とは言えません。あくまで対象賃金、資格、日数が確認されたという設定です。下限額を受給保証のように扱わないようにしてください。

5例の結果を同じ列で見比べる

※表は横にスクロールできます。総額と28日分はいずれも上記の仮定に基づく概算です。

例・離職時年齢 6か月対象賃金 合計÷180 基本手当日額 仮定日数 概算総額 28日分
例1・35歳 1,800,000円 10,000円 6,307円 90日 567,630円 176,596円
例2・62歳 1,800,000円 10,000円 5,348円 90日 481,320円 149,744円
例3・29歳 3,060,000円 17,000円(上限適用) 7,450円 90日 670,500円 208,600円
例4・50歳 3,240,000円 18,000円 9,000円 120日 1,080,000円 252,000円
例5・35歳 540,000円 3,000円(下限適用) 2,562円 90日 230,580円 71,736円

自分のケースに置き換えるときは、給与額だけを書き換えて他の列を残さないようにします。年齢で適用式が変わるか、上限・下限にかかるか、日数が確認済みかを一つずつ見直してください。計算式の選択が合っていれば、合計金額の大小に引っ張られず結果を検算できます。

5例は2026年8月1日適用の公式計算式と公式の上下限に基づく当記事の算例です。実際の受給例・振込実績ではありません。

試算と振込額が違うとき、受給資格者証で確かめる

試算の日額、認定日数と就労申告、入金の対象期間と振込額を照合する図

差がある場所を、入力・日額・日数の順に探す

試算より入金が少なかったときは、すぐに計算式の間違いや支給漏れと決めつけず、どの段階で差が生まれたかを確認します。賃金日額が違う場合と、基本手当日額は同じで支給日数が違う場合では、確かめる資料も質問の内容も変わります。

  1. 14欄の賃金日額を確認する。自分の試算と違うなら、6か月の対象期間、控除前の賃金、賞与などの扱いを照合する。
  2. 19欄の基本手当日額を確認する。離職日の年齢、適用された改定時期、計算範囲、上下限、端数処理を確認する。
  3. 今回の支給日数を確認する。28日と決めつけず、認定後の記録から実際の日数を読む。
  4. 就労・収入や別の給付の有無を確認する。申告した内容と支給内容の関係を、案内された方法で確かめる。
  5. 対象となる入金を確認する。日額と日数が同じでも、別の認定期間の振込を比較していないかを確認する。

たとえば日額が6,307円で、支給対象が14日なら、減額などがない場合は88,298円です。28日換算176,596円の半分になりますが、これだけで日額が半減したことにはなりません。「日額はいくらか」「何日分か」を分けて見れば、金額差の理由を一段階ずつ確かめられます。

アルバイトや収入がある期間は、単純な28倍だけで判断しない

受給中に働いた場合は、働いた日、時間、収入などを申告して確認する必要があります。自分では短時間の手伝いと思っていても、申告の要否や支給への影響を金額だけで判断しないでください。今回の支給額が「基本手当日額×28」と合わないからといって、給与の集計をやり直すべきとは限りません。

厚生労働省のQ&Aでは、就労の申告や、働いた日や収入に応じて不支給・減額などが生じる場合を説明しています。具体的な計算には本人の就労状況や収入の扱いが関わるため、本稿の5例へそのまま追加して確定額を出すことはしません。受給中のアルバイトで整理する日・時間・収入を確認し、申告内容をそろえましょう。

認定日までの記録をあとから思い出すのが難しい場合は、働いた日と時間、報酬の対象期間、支払われた日、金額を分けてメモします。入金日だけの一覧よりも、窓口で状況を説明しやすくなります。申告書の書き方が分からない箇所は、空欄の意味を推測して埋めず、提出時に確認してください。

受給中の就労と申告:厚生労働省「基本手当・再就職手当のQ&A」Q24・Q36。

窓口では「計算がおかしい」より、違う項目を具体的に伝える

問い合わせの際には、受給資格者証、対象の給与明細、離職票、認定後の記録を用意します。たとえば「14欄の賃金日額と、明細6枚の合計を180で割った額が違うので、対象期間と含まれる賃金を確認したい」と伝えると、最初に確かめたいことが明確になります。

日額は一致しているなら、「19欄の日額は同じですが、今回の入金が28日分と違います。今回の支給対象日数と、申告した就労がどう反映されたかを確認したい」と整理できます。これらは相談のための言い方の例であり、誤支給があったと決めつける申立てではありません。

まだ初回認定前の方は、入金がないことと金額が違うことを分けて考えます。受給資格の決定、失業の認定、振込という段階を混同すると、まだ支給内容が確定していない時点で不足額を計算してしまいます。持ち物や申告の準備は失業保険の初回認定日の確認手順を参考にしてください。

計算した日額を家族の扶養に入れるかどうかの判断に使う場合は、給付額の計算とは別の確認が必要です。受給前・延長中・受給中・終了後で確認する事情が変わるため、失業保険と扶養の確認手順から、加入先へ問い合わせる内容を整理できます。

民間サポートを検討するときも、公的な計算結果と費用を分ける

基本手当の計算や受給資格の確認は、公的な手続きの中で行われます。有料の民間サービスを使うことが、この記事の式を利用したり、ハローワークに質問したりする条件ではありません。まずどの数字が分からないかを整理し、公的窓口で確認できる内容を確かめましょう。

そのうえで、書類整理や相談の進め方について民間の支援を検討するなら、支援の範囲、料金、追加費用、契約・解約の条件を別に比較します。給付の概算総額だけを大きく見せた説明ではなく、自分に必要な支援と負担する費用を確認することが大切です。サービスを利用すれば日額や日数が増える、と考えないでください。

当ブログの失業手当ナビの支援内容と料金の確認記事では、民間支援を検討するための項目を整理しています。公的な支給額を確定する資料として使うページではないため、今回の計算結果とは分けて参照してください。

最後に残しておく確認メモ

  • 対象賃金6か月の期間と合計、離職日の年齢
  • 適用した計算式の年月、賃金日額、基本手当日額
  • 所定給付日数が確定値か仮定か、今回の支給日数はいくつか
  • 自分の計算と資料のどこが違うか、窓口で聞きたいこと

失業保険の計算で大切なのは、大きな総額を一つ出すことよりも、その数字の前提を説明できることです。給与から日額を求める段階と、日額に日数を掛ける段階を分け、最後に受給資格者証と認定内容で確かめましょう。分からない項目をそのまま質問できる形にすれば、今後の生活費の見通しも立てやすくなります。