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こんにちは。『脱会社員』脱サラを応援し続けるブログ、運営者の『なかびー』です。

ネットショップの商品一覧を受け取ると、同じトートバッグが色やサイズごとに何行も並んでいることがあります。商品名だけで見分けようとすると、「ナチュラルのS」と「ナチュラルのM」を取り違えたり、販売先が変わったときに同じ物だと分からなくなったりします。そのときに整理したいのが、商品を識別するSKUコードです。

この記事では、ECの商品登録を受託する準備をしたい人と、小規模なネットショップの商品整理をする人に向けて、架空の12バリエーションを使い、命名ルールから点検、販路対応、旧コードの扱いまでを具体化します。読み終えたら、コードの一覧だけでなく、「何を同じ商品と判断したか」を説明できる状態を目指しましょう。

商品・ストア・在庫数はすべて教材用の架空データです。教材の固定データと検査処理はローカルで確認しましたが、実店舗への取込、APIによる在庫同期、バーコードの読み取り、実際の管理画面操作は検証していません。図版も説明用のイメージです。公式資料は2026年10月7日(日本時間)に確認しており、利用サービスの項目名や入力条件は実作業の時点で確かめてください。

目次
  1. SKUコードを付ける前に、何を一つの商品として数えるか決める
  2. 受け取る資料と既存ルールをそろえ、コードの構造を決める
  3. 架空の12バリエーションからSKUマスタを作る
  4. 重複・空白・参照切れを、表の役割ごとに点検する
  5. 販路と保管場所が増えても、同じ商品を追えるようにする
  6. 変更履歴と納品チェックを残し、旧コードを迷子にしない

SKUコードを付ける前に、何を一つの商品として数えるか決める

商品モデル2、色とサイズ別の12SKU、在庫90点という異なる数え方を示す模式図

商品モデル・SKUの種類数・在庫点数を分けて考える

SKUはStock Keeping Unitの略で、在庫を管理するときに区別する単位を指します。その単位に割り当てる識別コードがSKUコードです。実務では「SKU」という言葉だけで単位やコードを指す場合もあるため、商品表を受け取ったら、何を数えているのかを確認するところから始めます。

たとえば「キャンバストート」と「ファスナーポーチ」があれば、教材では商品モデルは2つです。それぞれにネイビー・ナチュラル・グリーンの3色と、S・Mの2サイズがあり、すべての組合せを販売する条件にすると、2モデル×3色×2サイズで12SKUになります。同じトートでも、購入者へ渡す色やサイズが違うものを同じコードへまとめない設計です。

一方、ネイビーのSサイズを倉庫に何点持っているかは数量の話です。1SKUの在庫が1点でも20点でも、種類数は1SKUのままです。この教材では12SKUを2か所で保管し、数量表を24行用意します。数量の合計は90点ですが、90SKUではありません。登録する行数、商品の種類数、現物の点数を別々に伝えると、作業の見積もりや照合で話が食い違いにくくなります。

※表は横にスクロールできます。

この教材で混同しない五つの数え方
数えるもの教材の数何を意味するか
商品モデル2モデルキャンバストートとファスナーポーチ
SKUの種類12SKU2モデル×3色×2サイズの識別単位
販路対応24対応行12SKUを架空ストアA・Bのそれぞれに対応付ける
保管場所別の数量24数量行12SKUについてLOC-A・LOC-Bの数量を記録する
在庫の現物90点数量表にある点数の合計

この掛け算が成立するのは、全組合せが実在するという教材の条件があるからです。現実の商品で「グリーンだけMサイズを作っていない」のであれば、その組合せの現行SKUは作りません。選択肢を組み合わせてコードだけ増やす前に、仕入先の資料や承認済みの商品一覧と、販売する組合せを照合してください。

JAN・GTIN・バーコードとの役割の違い

内部SKUは、自分の店舗や管理範囲で商品を識別するために設計します。別の会社が同じ文字列を使っていないことまで、この教材のルールで保証するものではありません。対してGTINはGS1標準の商品識別コードで、JANコード標準タイプや短縮タイプはその種類に含まれます。定義はGS1 JapanのGTIN設定ガイドライン(PDF、5〜6ページ)で確認できます。

バーコードは、コードを機械で読み取れる形で表す仕組みとして考えると整理しやすくなります。番号そのものと、それを印刷した線や記号の見た目を同じものとして扱わないことがポイントです。自分で決めたSKUをJANコードだと説明したり、数字の桁を合わせただけで正式なGTINになると考えたりしないでください。この記事ではJANの申請や採番、バーコード印刷の手順までは扱いません。

商品表にJANとSKUの両方があるなら、列を分けて保持します。どちらかが空欄でも、もう一方を勝手に複製して埋めることは避けましょう。出荷用ラベルや連携先が実際にどの項目を読み取るかは別の確認です。コードの意味、システムの入力欄、印刷される表示を順に対応付ける必要があります。

商品ID・ロット・保管場所は、同じ列に詰め込まない

システムが自動で付ける商品IDやバリエーションIDと、担当者が管理するSKUは別の値であることがあります。さらに販路上の商品番号、製造ロット、個体ごとの製造番号、保管場所の番号も、指している対象が違います。使うサービスの呼称を確認し、元資料の「商品コード」という一言だけで内部SKUへ決め付けないようにします。

教材で同じBT101-NT-Sの商品をLOC-AからLOC-Bへ移す場合、変わるのは保管場所別の数量です。製造日が違う物をロットごとに追跡したい場合には、SKUに加えてロットの情報が必要になることもあります。ただし、本教材の数量表にはロットや個体の管理は含めていません。そうした追跡が必要な商品へ、12SKUの表だけをそのまま適用しないでください。

受け取る資料と既存ルールをそろえ、コードの構造を決める

BT101-NT-Sをモデル、色、サイズへ分け、既存資料と採番ルールを照合する図

既存のSKUを、きれいに見せるためだけに改名しない

すでに販売中の商品を任された場合、最初の仕事は新しいコードを考えることとは限りません。過去の注文、倉庫のラベル、取込ファイル、外部サービスが既存SKUを参照しているかもしれないからです。見た目が不揃いでも、現在どこで使われているかを調べるまでは、その文字列を変更対象にしない方が安全です。

依頼主からは、商品一覧だけでなく、既存のSKU一覧、色とサイズの定義、現在の販路、在庫を管理する場所、利用する連携サービスの情報を受け取ります。変更してよい列と、照合だけをする列も分けます。新規登録用の一覧なのか、販売中の商品を更新する一覧なのかによって、同じコードの扱いでも確認すべき範囲が変わります。

  • 既存の採番ルールと、そのルールを承認した担当者
  • 現行・販売終了・旧コードを区別した一覧と、その取得日時
  • 色、サイズ、仕様、販売単位が分かる根拠資料
  • 登録先ごとの対象項目、入力可能な文字・長さ、必須条件
  • 商品・受注・倉庫・ラベル・外部連携のうち、SKUを参照する先
  • 新しい番号を確保する担当と、重複が見つかったときの確認先

元資料を受け取る際には、いつの状態かを一緒に記録してください。昨日の一覧と今朝の商品追加が混ざると、新しく作ったつもりのコードがすでに使われている可能性があります。作業用のコピーを用意しただけで番号が予約されるわけではないため、複数人が採番するなら、どの一覧を正本とするかも決めておきます。

教材では「モデル−色−サイズ」の三つで組み立てる

ここからの教材では、モデルをBT101またはPC201、色をNV・NT・GR、サイズをS・Mとし、半角ハイフンでつなぎます。例としてBT101-NT-Sなら、キャンバストート、ナチュラル、Sサイズです。英大文字・数字・半角ハイフンを使い、前後や途中に空白を入れないルールにします。これは教材内で選んだ形式であり、全ECサービス共通の規格ではありません。

※表は横にスクロールできます。

教材の採番ルール表
項目教材の決め方運用で残すこと
モデルBT101=キャンバストート、PC201=ファスナーポーチ表示名とは別に、モデルの意味を一覧で保持する
色NV=ネイビー、NT=ナチュラル、GR=グリーン同じ略号を別の色の意味で使い直さない
サイズS・M実寸は商品仕様の別欄に記録する
区切り半角ハイフン全角記号や別のダッシュに置き換えない
販売単位すべて1点セットや入数違いが出たら識別方法を再検討する
確定後の扱い現行SKUを保存して使用商品名の編集から自動で再生成しない

覚えやすさだけで略号を決めると、担当者ごとにNAT、NT、NAのように表記が分かれます。略号表には使う文字列と意味を並べ、未登録の色が現れたときに誰が追加するかを決めましょう。商品を入力する人がその場で色名の頭文字を選ぶ方式では、数か月後に同じ色へ別の記号が付くおそれがあります。

コードの長さや使える文字は、登録先と連携先の両方で確認します。一つの画面で入力できても、倉庫や取込処理が同じ条件とは限りません。短さの推奨と、システムが拒否する上限も区別してください。この記事の例がそのまま使えるかは、実際の対象項目で少数のテストを行うまで確定できません。

変わりやすい情報は、コードと分けて管理する

商品名、販売価格、担当者、棚番号、保管場所をすべてSKUへ入れると、変更のたびにコードを変える必要が生じやすくなります。この教材では、内部SKUの文字列を商品の説明書代わりにせず、名前や数量、保管場所を別欄に置きます。コードから読み取れる情報を増やすより、確定したコードから正しいマスタを参照できることを重視した設計です。

たとえば商品名に「定番」を追加しただけなら、同じ現物を識別するSKUは維持し、商品名欄を変更します。値引きだけを理由に別商品として管理するかも、販売や在庫の設計次第です。価格欄の変更と識別単位の変更を同じ作業だと決め付けず、「別に数えたい物が増えたのか」を確認してください。なお、この教材では価格変更の取込や検査はしていません。

受託前の質問は、具体的な例を出すと答えてもらいやすくなります。「BT101-NT-Sという既存コードは継続し、商品名と保管場所は別欄で管理する想定です。倉庫や販売先で別の番号を使う場合は、対応表で結んでよいですか。セット品がある場合は単品と区別するルールを確認したいです」というように、提案と未決事項を分けて伝えます。

架空の12バリエーションからSKUマスタを作る

SKUマスタの一行をナチュラルSのトートと照合し、表示名変更でもコードを保つ考え方

一行が一つの識別単位になるように並べる

SKUマスタは、内部SKUから商品を引ける基準の表です。以下の12行では、商品モデル、色、サイズ、販売単位の組合せを一行にしています。販売単位はすべて1点、状態はすべて有効です。BT101とPC201にはそれぞれ3色・2サイズの全組合せが存在する、という教材の前提で作っています。

※表は横にスクロールできます。

架空のSKUマスタ12行
行内部SKU商品名色サイズ販売単位
1BT101-NV-Sキャンバストートネイビー(NV)S1点
2BT101-NV-Mキャンバストートネイビー(NV)M1点
3BT101-NT-Sキャンバストートナチュラル(NT)S1点
4BT101-NT-Mキャンバストートナチュラル(NT)M1点
5BT101-GR-Sキャンバストートグリーン(GR)S1点
6BT101-GR-Mキャンバストートグリーン(GR)M1点
7PC201-NV-Sファスナーポーチネイビー(NV)S1点
8PC201-NV-Mファスナーポーチネイビー(NV)M1点
9PC201-NT-Sファスナーポーチナチュラル(NT)S1点
10PC201-NT-Mファスナーポーチナチュラル(NT)M1点
11PC201-GR-Sファスナーポーチグリーン(GR)S1点
12PC201-GR-Mファスナーポーチグリーン(GR)M1点

3行目のBT101-NT-Sを見たときには、まず内部SKUをそのまま照合し、商品名・色・サイズをマスタから確認します。先頭がBTなのでバッグだろう、末尾がSだから小さい商品だろう、と記憶だけで判断しないことが大切です。コードの意味を目視で読める設計でも、正式な属性との一致を確認する手順は残します。

同じマスタに、BT101-NT-Sを「トート・生成り・小」と呼ぶ別行を追加すると、表現の違いだけで同一バリエーションを二重登録することになります。別の呼び方を検索に使いたいなら、同義の表示名や旧名称を別欄で扱えるかを相談します。注文や在庫を結び付ける基準の行は、どちらなのかが分かる形に保ってください。

表示名を直しても、確定したコードは勝手に変えない

教材の略号はNT=ナチュラルですが、商品ページの色名を「ナチュラルベージュ」に整えることはあり得ます。このとき、色名の文字から毎回略号を作る式を使っていると、NBなど別のコードへ変わるおそれがあります。すでに確定したNTを保持し、表示名の変更内容と理由を記録する方が、既存の対応関係を保ちやすくなります。

表計算で候補を組み立てること自体は便利ですが、候補の生成欄と、承認後に運用するSKU欄を分けて考えましょう。参照先の名称や並び順が変わるたびに、過去のSKUまで再計算される構成は避けたいところです。確定値をいつ誰が承認したか、後から候補と見比べられるようにしておきます。

今回の確認では、12行の商品名すべてに「架空店の 」を付ける変更を別コピーで行い、12個のSKU文字列が変更前と同じであること、教材の検査でエラーが出ないことを確かめました。これは商品名欄を識別キーにしていない教材での結果です。利用するサービスの画面で商品名を変更する試験や、外部連携への反映確認をした結果ではありません。

同じ形でも、入数や仕様が違うものを一緒にしない

単品のポーチと、同じポーチ2点を一組として販売するセットは、取り扱う単位が変わります。セットをどのように登録し、単品の在庫と連動させるかによって、必要な識別や数量処理も変わります。単品のSKUをコピーすれば十分とせず、セットの構成と出荷単位を説明できる状態にしてから、利用システムに合う管理方法を決めます。

この教材にはセット品がないため、コードに販売単位を表す部分を付けていません。それでも、マスタには「1点」という欄を残しています。将来セットを追加するとき、「今のルールは単品だけを対象にしていた」と分かるからです。対象外のケースを後から無理に同じ書式へ押し込むより、ルールを変更する必要がある地点を明示しておく方が実用的です。

素材、容量、金具、仕様などが違い、購入者や出荷担当が区別する必要がある場合も同様です。既存モデルの名前を変えるだけでよいか、新モデルとして追加するかを依頼主に確認します。小さな違いに見えても、交換や再注文で別の物を届けてよいとは限りません。コードを付ける前に、仕様書と商品の対応を確定させましょう。

在庫がない商品と、存在しない商品を分ける

在庫数が0のSKUでも、商品として継続し再入荷を予定している場合があります。その行をマスタから消すと、過去の注文や販路対応から参照できなくなるおそれがあります。在庫がない状態と、販売を終了した状態、まだ作っていない組合せを、空欄一つで表さないことが大切です。

教材は全12行を有効としていますが、実作業では「販売終了」「確認待ち」などの状態が必要かを決めてください。状態の名前や許される更新はサービスによって異なります。この記事の表に列を足すことと、本番の商品の公開・非公開を変更することは別なので、担当範囲に含まれるかを確認してから進めます。

重複・空白・参照切れを、表の役割ごとに点検する

マスタ、販路対応、保管場所別数量で一行を特定するキーが異なることを示す点検図

「同じ文字がある」だけでは、重複かどうか決まらない

マスタでは、異なる商品に同じ内部SKUが付いていれば止めます。しかし、数量表では同じSKUがLOC-AとLOC-Bの二行に出るのが正常です。販路対応表も、一つの内部SKUにストアAとストアBの対応があって構いません。どの列、またはどの列の組合せで一行を特定するかを決めずに重複を削除すると、必要な情報まで失うことになります。

この一行を特定するための項目を、ここではキーと呼びます。マスタのキーは内部SKU、販路対応表のキーは販路と販路上の商品番号の組合せ、数量表のキーは内部SKUと保管場所の組合せです。色を含む属性の組合せも見て、同じ商品へ別名で二つのSKUを割り当てていないかを確認します。

※表は横にスクロールできます。

表ごとに異なる重複の基準
表一行を特定するキー止める例正常な繰り返し
SKUマスタ内部SKUネイビーSとナチュラルSに同じSKUが付く商品名が同じで色やサイズが違う行
販路対応表販路+販路上の商品番号ストアAの同じ番号が二行ある一つの内部SKUにストアA・Bの対応がある
数量表内部SKU+保管場所同じSKU・同じ場所の数量行が二行ある同じSKUがLOC-AとLOC-Bに一行ずつある
旧コード対応表旧コード一つの旧コードが別々の現行SKUへ割り当てられる現行SKUを参照するため旧コードを残す

表の行を増やすときは、参照先も確認します。販路表に書いた内部SKUがマスタに存在しなければ、販売先の番号から商品を確定できません。数量が入っていても、そのSKUがマスタから消えていれば、何の数量なのかが説明できません。こうした参照切れは、空欄を埋めただけでは直らない問題です。

十の負例を、一件ずつ元のデータから試す

教材では、正常な12行マスタ・24行販路対応・24行数量・1行旧コード対応を基準にして、次の十の問題を一つずつ作りました。各テストは、直前のエラーを残した表へ追加するのではなく、毎回正常なコピーから始めます。変更する表と行、期待する指摘を固定しておくと、別の人でも同じ問題を再現できます。

販路表の行番号は、マスタの上から順にストアA、ストアBの二行ずつを並べたものです。数量表も同じ順でLOC-A、LOC-Bを二行ずつ並べます。旧コード表の1行目は、TOTE-NAT-MからBT101-NT-Mへの対応です。後の章には、これらの全対応と数量を表にまとめています。

※表は横にスクロールできます。

固定データから独立して再現する十の負例
番号元のコピーへ加える変更期待する指摘確認すること
1マスタ3行目のSKUだけをBT101-NV-Sへ変更内部SKUの重複3行目はナチュラルS。ネイビーSと同じ識別子になっている
2マスタ1行目をそのまま13行目へ追加同じバリエーションの二重登録名称違いではなく、同一のモデル・色・サイズ・単位が重なっている
3マスタ1行目のSKUの末尾へ半角スペースを1字追加教材の書式違反見た目が似ていても、元のコードとの完全一致が崩れている
4マスタ1行目のSKUをbt101-nv-sへ変更教材の大文字ルール違反小文字を認める別ルールと混ぜず、現行の確定値を確認する
5マスタ1行目の色コードだけをNVからNTへ変更SKUと属性の不一致SKUはネイビー、属性はナチュラルという矛盾がある
6販路表1行目の内部SKUをBT999-NV-Sへ変更存在しない内部SKUの参照その番号のマスタを確認できない
7販路表1行目をそのまま25行目へ追加同一販路の商品番号の二重登録架空ストアA+BT101-NV-Sが二行になる
8数量表1行目をそのまま25行目へ追加同一SKU・同一場所の二重登録BT101-NV-S+LOC-Aを重ねて集計してしまう
9旧コード表1行目の旧コードをBT101-NV-Sへ変更旧コードと現行SKUの衝突現行ネイビーSの番号が、別商品の旧コードとしても使われる
10旧コード表1行目の参照先をBT999-NV-Sへ変更旧コードの参照切れ旧コードから現行の商品を確定できない

たとえば1番の変更では、同じSKUが二つになるだけでなく、本来のBT101-NT-Sがマスタからなくなるため、販路表や数量表にも参照切れが発生します。期待した指摘が一つ検出されたことと、エラーが一つしかないことは違います。教材の検査は、各負例で必要な指摘が含まれることを確認しており、他の指摘を無視して本番へ進んでよいという意味ではありません。

9番は、元のTOTE-NAT-Mを別商品へ採番し直す実操作ではありません。旧コード欄へ現行SKUを置くことで、同じ文字列が現行コードと旧名の二つの意味を持つ衝突を再現したものです。BT101-NV-Sを検索したとき、ネイビーS自身と、旧名対応先のナチュラルMが候補になってしまう状態を止めます。

自動修正の前に、どの情報を正しい基準にするか決める

空白があればすべて削除する、小文字はすべて大文字へ変換する、重複行は先頭だけ残す、といった処理を先に行うのは避けましょう。教材では大文字固定ですが、既存システムに小文字の確定コードがあるなら、変換によって別の商品との衝突が生じる可能性があります。見た目を整える操作と、識別子を変更する操作の区別が必要です。

3番と4番では、作業用コピーの入力ミスなのか、本番にもその値が存在するのかを確認します。作業用コピーだけの誤りなら、承認済みの元の値と照合して修正できます。一方、本番の既存コードを変える場合は、参照先への影響と変更の承認が必要です。文字列が似ているという理由だけで、同じ商品だと自動的にまとめないでください。

5番の属性不一致でも、コード側と色の欄のどちらを直すべきかはエラー表示だけでは決まりません。商品仕様や承認済みのマスタを調べ、「コードが正しく属性が誤っていた」などの根拠を残します。問題の行、影響する表、判断待ちの内容を分けてメモしておくと、依頼主へ必要な質問だけを返せます。

販路と保管場所が増えても、同じ商品を追えるようにする

ストアBのL003をBT101-NT-Sへ結び、LOC-A3点とLOC-B0点を別に記録する模式図

販路の番号を、内部SKUへ結び付ける

複数の販売先で同じ商品を扱う場合、販路ごとに表示される番号が違うことがあります。そこで教材では、商品を識別する基準を内部SKUに置き、販路で使う番号との対応表を用意します。架空ストアAは内部SKUと同じ番号を使い、架空ストアBはL001からL012を使う設定です。これらは実在するECサービスの仕様ではありません。

次の表は見やすいように、一つの内部SKUへA・Bの二つの対応を横に並べています。実際の教材データでは「販路、販路上の商品番号、内部SKU」を一行とし、各SKUについてAとBを別行にしているため、合計24対応行です。表を縦に直すなら、1行目は架空ストアA・BT101-NV-S・BT101-NV-S、2行目は架空ストアB・L001・BT101-NV-Sとなります。

※表は横にスクロールできます。

12SKUと24販路対応を横並びで確認
内部SKU架空ストアAの商品番号架空ストアBの商品番号
BT101-NV-SBT101-NV-SL001
BT101-NV-MBT101-NV-ML002
BT101-NT-SBT101-NT-SL003
BT101-NT-MBT101-NT-ML004
BT101-GR-SBT101-GR-SL005
BT101-GR-MBT101-GR-ML006
PC201-NV-SPC201-NV-SL007
PC201-NV-MPC201-NV-ML008
PC201-NT-SPC201-NT-SL009
PC201-NT-MPC201-NT-ML010
PC201-GR-SPC201-GR-SL011
PC201-GR-MPC201-GR-ML012

ストアBからL003という番号を受け取ったら、まず「架空ストアB+L003」の組合せで対応表を引きます。参照先はBT101-NT-Sであり、マスタを見るとキャンバストート・ナチュラル・Sと分かります。L003の文字だけから色やサイズを推測する必要はありません。この対応が解決できることは、教材の正常確認の一つとして検証しています。

他の販路にもL003という番号があった場合、同じ商品を指すとは限りません。販路名を外して番号列だけを重複削除すると、必要な対応が落ちる可能性があります。逆に、同一の販路と商品番号の組合せが複数の内部SKUを指すなら、どちらを採用するか勝手に選ばず、販売先の商品情報と依頼主の資料へ戻って確認します。

内部SKUを全販路で統一できる運用なら、対応が単純になる場合もあります。それでも、「同じ文字列が入っている」ことと「正しいバリエーションへ結び付いている」ことは別です。色違いの行を取り違えて貼り付けていないか、販売単位が一致するかまで、少数の商品で往復して確認してください。

数量を保管場所ごとに持ち、種類数と混同しない

教材の保管場所はLOC-AとLOC-Bの2か所です。数量データでは内部SKUと保管場所を一組にして、1行ごとにその場所の点数を記録しています。以下は24数量行をSKUごとに横にまとめた表です。LOC-Bが0点の組合せも、数量0の行として持っています。空欄ではなく、確認済みの0として扱っている点に注意してください。

※表は横にスクロールできます。

24数量行を12SKUごとに集計した教材の在庫表
内部SKULOC-A(点)LOC-B(点)SKUごとの合計(点)
BT101-NV-S112
BT101-NV-M224
BT101-NT-S303
BT101-NT-M415
BT101-GR-S527
BT101-GR-M606
PC201-NV-S718
PC201-NV-M8210
PC201-NT-S909
PC201-NT-M10111
PC201-GR-S11213
PC201-GR-M12012
合計781290

LOC-Aは1点から12点までを順に置いた設定なので、合計78点です。LOC-Bは1点・2点・0点を4回繰り返して合計12点となり、両方を足すと90点です。数量表の行数は24、重複を除いた内部SKUの種類数は12、数量の合計は90と、別々のチェック値を持つことができます。

たとえばBT101-NT-SはLOC-Aに3点、LOC-Bに0点で合計3点です。3点すべてを一つの場所から出すか、別の場所へ移すかといった運用は、在庫・出荷の仕組みで決める話です。この教材には移動中、引当済み、不良品、返品待ちといった状態は含めていません。そのため、表の90点をそのまま実店舗で販売可能な数量と扱うことはできません。

ShopifyのSKUの公式ヘルプは、複数ロケーションでは同じバリエーションに同じSKUを使い、場所ごとの在庫を追跡する方法を説明しています。この考え方は本教材とも対応しますが、すべてのサービスが同じ項目構成や運用になるとは限りません。実際のシステムで保管場所を表す欄を確認してください。

対応表ができても、在庫同期が動くとは限らない

販路対応と数量表が整うと、同期までできたように感じるかもしれません。しかし、この教材は対応関係を確認するための表です。データをどの方向へ、何を基準に、どのタイミングで更新するかは含んでいません。複数の販路が同じ現物を販売する場合には、注文後の数量反映や更新の競合も別に考える必要があります。

Shopifyの同じ公式ヘルプでも、外部アプリのアクセス権、同期対象の項目、SKU文字列の一致が確認点として挙げられています。大文字と小文字も区別されるため、「教材で大文字に統一したから、どこでも小文字と同じ扱いになる」と考えないでください。実サービスの取込仕様と連携設定を調べ、許可された試験範囲で確認する必要があります。

  • どのサービス・どの項目を商品の照合に使うか
  • 内部SKUと販路側の番号の対応が承認されているか
  • 数量の基準となる場所と、更新の方向が決まっているか
  • 対象外の商品や保留中の商品が送信されないか
  • 少数の試験後に、入力前後のコード・属性・数量を照合できるか

Shopifyで新しく店舗を開く段階なら、SKUの整理に加えて配送や決済、通知などの準備も必要です。そちらの全体像はShopifyの始め方と公開前チェックにまとめています。本記事のマスタができたことだけを、ストア公開や販売開始の条件がそろったこととして扱わないようにしましょう。

変更履歴と納品チェックを残し、旧コードを迷子にしない

旧コードTOTE-NAT-Mから現行BT101-NT-Mへたどり、変更履歴と確認記録を引き継ぐ図

旧コードは、同じ商品の現在のコードへたどれるように残す

長く運営していると、過去の命名ルールで作られたコードが、注文書やラベルに残っている場合があります。教材ではTOTE-NAT-Mという旧コードを、現行のBT101-NT-Mへ結び付けています。旧名から商品を調べるための別名の対応であり、同じ商品を二つの現行SKUとして増やすものではありません。

※表は横にスクロールできます。

教材の旧コード対応1行
旧コード現行の内部SKU対応する商品教材での扱い
TOTE-NAT-MBT101-NT-Mキャンバストート・ナチュラル・M旧コードは参照用に保持し、別商品へ再利用しない

旧コードを見つけたら、対応先が現行マスタに存在するか、現物の仕様と一致するかを確認します。古いコードにNATと書かれているからナチュラルだろう、と文字だけで対応先を決めないでください。過去の商品一覧や変更記録など、同じ商品だと判断した根拠も合わせて残します。教材ではこの対応を前提として固定しています。

過去の注文に旧コードが残っている場合、見た目を統一するためだけに注文履歴を一括で書き換えることは勧めません。何を受注したかを後から調べられるよう、元の記録と現在の参照先を分けて保持する方針を先に決めます。使用するシステムでどこまで対応できるかは、担当者や提供元へ確認が必要です。

また、販売終了した商品の番号を新しい商品へ使い回すと、古い注文のコードから別の現物へたどってしまうおそれがあります。本教材では旧コードを再利用しない運用にし、現行SKUと旧コードが衝突していないかを点検します。これは教材の内部SKUに対する方針であり、GTINの設定・変更ルールをそのまま転用した説明ではありません。

変更の種類を分け、影響先を確認してから反映する

変更依頼を受けたら、表示名の修正、属性の誤り訂正、新しい仕様の追加、コード体系そのものの移行を分けます。「商品情報を直す」という一言にまとめると、どこまで変更してよいか分からなくなります。教材の表示名変更では12SKUを維持できましたが、異なる商品が増えるときも同じコードを使い続けるという意味ではありません。

たとえばトートの持ち手が変わり、旧仕様と新仕様を区別して出荷する必要があるなら、その差を識別できる採番を相談します。一方、入力時の誤字を直すだけで現物が変わらない場合は、表示名や属性の訂正として扱えるかを確認します。どちらも変更前の一覧を控え、理由と対象行を残すことが出発点です。

  1. 変更理由と対象の商品を特定し、コード変更の必要性を確認する
  2. 商品マスタ、受注、倉庫、販路対応、ラベル、外部連携の影響先を洗い出す
  3. 変更する列・しない列と、担当者・承認者を決める
  4. 変更前の控えを保存し、少数の商品で変更手順と差分照合を試す
  5. 本番へ反映する範囲と時間を確認し、反映後のコード・属性・数量を照合する
  6. 未反映の販路や確認待ちを残し、旧コードからの参照を確認する

照合では、総行数と数量合計が一致しているだけで安心しないようにします。二つの商品のコードを入れ替えてしまっても、12SKU・90点という合計は変わらないことがあるからです。変更対象の行ごとに、変更前と変更後、想定した差分を比べることが重要です。合計の確認と、商品単位の対応の確認を両方行います。

途中で不一致が出た場合の戻し方も、作業前に決めておきます。ただし営業中に注文や入出庫が進んでいるなら、古い数量表をそのまま戻すと、その間の動きを消してしまう可能性があります。変更前データがあることと、安全に一括で復元できることを同じ意味にせず、対象範囲を止めて判断者へ相談してください。

納品するのは、コード一覧と判断の根拠の一組

受託の納品物は、SKU列だけでは不足することがあります。次の担当が商品を追加するとき、何を見て番号を決めるか分からないからです。ルール表、マスタ、販路対応、数量の前提、検査結果、未決事項を一緒に渡すと、今回の作業範囲と残っている確認を説明しやすくなります。必要な形式は依頼主の指定に合わせます。

※表は横にスクロールできます。

SKU整理を引き継ぐときの納品チェック
納品物含める内容受け取る人が確認する点
採番ルール識別単位、文字の使い方、略号表、追加担当、版次の商品へ同じ方針で番号を付けられるか
SKUマスタ現行SKUと商品属性、販売単位、状態一つのコードから一つの商品を確定できるか
販路対応表販路と番号の組合せ、内部SKU販売先の番号から正しい商品へたどれるか
数量の前提保管場所、数量の意味、基準日時、対象外の状態現物数と販売可能数を取り違えないか
検査結果正常確認と負例、修正内容、検査範囲何を確認し、何が未検証かが分かるか
変更・保留メモ旧コード対応、承認内容、確認待ちと担当次に判断する人と、再開条件が明確か

今回の教材なら、「商品モデル2、マスタ12行、販路対応24行、数量24行・合計90点、旧コード対応1行」とまとめられます。正常データの検査、商品名変更時のSKU保持、2拠点でも12SKUの維持、ストアBのL003の参照、十の負例の検出を確認しました、と範囲を具体的に示せます。その後に、実店舗への取込・在庫同期・バーコード読取・管理画面操作は未検証と添えれば、できたことを誤解なく伝えられます。

確認待ちのメモも、「SKUが変です」ではなく、対象を一意に示します。たとえば「マスタ3行目のナチュラルSに、1行目のネイビーSと同じSKUが付いています。元の商品資料を確認し、3行目の正しいSKUを判断してください。該当行の登録は保留しています」と書けば、どの判断が必要かが伝わります。未承認の値を候補として出す場合は、確定値と分けてください。

商品登録を含む仕事全体の担当範囲や受託条件を整理したいときは、ネットショップ運営代行の仕事内容と受託条件も参考になります。SKUを設計・点検できることと、受注処理や顧客対応まで任されることは別なので、契約前に担当する作業を具体化しておきましょう。

SKUコード作りで大切なのは、見栄えのよい記号を並べることだけではありません。何を区別するかを決め、表ごとのキーで重複と参照切れを確認し、変更後も同じ商品へたどれるようにすることです。まずは小さなマスタでルールと点検方法を固め、依頼主や店舗が判断すべき部分を明確にしてから、実際の登録作業へ進めましょう。