ペットシッターになるには?資格・求人・開業方法と収入を安定させるコツ
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こんにちは。「脱会社員」脱サラを応援し続けるブログ、運営者のなかびーです。
犬や猫が好きで、「ペットシッターなら副業でも始められそう」「将来は自分で開業したい」と考える人は少なくありません。一方で、旅行シーズンに依頼が集中しやすく、毎月の収入が読みにくいイメージもあります。
実際、ペットシッターは単発依頼だけに頼ると収入が安定しにくい仕事です。ただし、定期的な散歩や留守番サポート、近隣エリアへの集中、リピーターづくり、動物病院やトリミングサロンとの連携などを積み上げることで、仕事量を読みやすくすることはできます。
ただし「動物が好きだから、今日から有料で始める」というわけにはいきません。営利目的でペットシッター業を営む場合、動物愛護管理法上の第一種動物取扱業の登録が必要で、ペットシッターは「保管」に該当します。飼い主の自宅へ訪問し、自分で飼養施設を持たない形でも規制対象です。
- ペットシッターの仕事内容と向いている人
- 資格・求人・副業から始めるときの考え方
- 独立開業で必要になる第一種動物取扱業の登録
- 動物取扱責任者になるために確認したい要件
- ペットシッター開業を進める7STEP
- 収入を安定させるためのリピーター・定期契約・移動効率
- 事故・鍵・契約・税金など開業前の注意点
会社員のまま副業から試したい場合は、勤務先の副業ルールも確認してください。副業全体の選び方は初心者におすすめの副業8選でも整理しています。
ペットシッターとは?仕事内容・向いている人・働き方を解説

ペットシッターは、飼い主が仕事・旅行・入院・外出などで世話をできない時間に、飼い主に代わってペットのお世話をする仕事です。ペットホテルのように別の施設へ預けるのではなく、飼い主の自宅へ訪問して対応する形が中心です。
環境省は、営利目的で動物の「保管」を業として行う例として、ペットホテルやトリマーと並んでペットシッターを明示しています。施設を持たず訪問型で営業する場合も第一種動物取扱業の規制対象です。
主な仕事は「いつもの生活をできるだけ崩さない」こと
依頼内容は飼い主や動物によって変わりますが、代表的な業務は次のようなものです。
- 犬の散歩、排せつや水分補給の確認
- 犬・猫・小動物への給餌、飲み水の交換
- トイレやケージ周辺の簡単な清掃
- 遊び、ブラッシングなど飼い主から依頼された日常ケア
- 室温や体調、食事量、排せつ状況などの確認
- 写真やメッセージによる飼い主への報告
- 留守宅の鍵の受け渡し・管理
単に「犬を散歩させる」「猫にごはんを与える」だけではありません。いつもの食事量、怖がる音、散歩コース、脱走しやすい場所、持病、緊急連絡先などを事前に聞き取り、飼い主不在でもできるだけ安全に過ごせるようにする仕事です。
動物好きだけでなく「報告・確認・約束を守る力」が重要
ペットシッターは、飼い主が不在の家へ入ることがあります。動物への接し方だけでなく、鍵・住所・家の中の情報・飼い主の予定といった重要な情報を扱うため、高い信頼性が求められます。
依頼時間を守る、確認した内容を記録する、異変があれば早く連絡する、指定された範囲以外の場所へ立ち入らない、といった基本動作がリピートにつながります。
ペットシッターに向いている人
- 犬・猫の行動を観察し、変化に気づける
- 飼い主の指示を自己判断で変えず、確認できる
- 時間管理ができ、遅刻や連絡漏れを防げる
- 雨の日や暑い日でも安全を優先して行動できる
- 鍵や個人情報を慎重に扱える
- 事故や体調不良が起きたときに落ち着いて連絡できる
働き方は「雇用」「業務委託・登録」「独立開業」に分かれる
最初から独立する必要はありません。ペット関連会社で働いて実務を経験する方法、登録型の事業者を通じて依頼を受ける方法、自分で顧客を集めて開業する方法があります。
※表は横にスクロールできます。
| 働き方 | 特徴 | 向いている段階 | 確認したいこと |
|---|---|---|---|
| 会社・店舗に雇用 | 既存のルールや顧客基盤で経験を積みやすい | 未経験・経験を積みたい人 | 勤務条件、研修、担当範囲 |
| 登録・業務委託 | 案件紹介を受けられる場合がある | 副業・実務経験を増やしたい人 | 手数料、保険、責任範囲、契約形態 |
| 独立開業 | 料金・エリア・サービスを自分で設計できる | 要件を満たし、集客まで自分で行いたい人 | 動物取扱業登録、保険、契約、集客 |
「安定しない」と言われる理由
ペットシッターは、年末年始、ゴールデンウィーク、夏休みなど旅行が増える時期に依頼が集中しやすい一方、単発旅行の依頼だけでは閑散期の売上を読みづらくなります。また、訪問型では1日に対応できる件数が移動距離に左右されるため、「依頼が増えれば無限に売上が伸びる」仕事でもありません。
中小企業基盤整備機構のJ-Net21が2024年に公開した調査でも、ペットを飼っている回答者の中でペットシッターをまだ利用したことがない人が多く、「他人を家に入れることへの抵抗」も利用しない理由として挙げられています。だからこそ、価格だけでなく信頼を積み上げる仕組みが重要です。
ペットシッターになるには?資格・求人・副業の始め方を整理

「ペットシッターになるには資格が必須?」と考える人も多いですが、話を就職・副業として働く場合と自分で営業して開業する場合に分ける必要があります。
ペットシッターという名称そのものに一律の国家資格があるわけではない
ペットシッターとして働くために、全員が同じ国家資格を取得しなければならない仕組みではありません。企業の求人へ応募する場合は、未経験可、研修あり、犬の飼育経験必須など、採用側が条件を設定しています。
一方、自分で営利目的のペットシッター業を始める場合は、資格の有無だけでなく、後述する第一種動物取扱業の登録と動物取扱責任者の要件が重要です。
まず雇用・登録型で経験を積む方法もある
将来独立したい人ほど、いきなり顧客宅へ一人で訪問するより、ペットシッター会社、ペットホテル、トリミングサロン、動物関連施設などで現場経験を積む方法があります。
動物の扱いだけでなく、初回ヒアリング、事故防止、鍵の受け渡し、報告書、キャンセル対応、料金説明など、開業後に必要になる業務を実際の流れで経験できます。
民間資格は「取れば自動的に開業できる」とは限らない
ペットシッター、愛玩動物飼養管理士など、動物関連の民間資格・認定制度があります。学習によって知識を増やし、顧客へ学んだ内容を説明しやすくなるメリットはあります。
ただし、どの資格が動物取扱責任者の要件として認められるかは、業種や自治体で確認が必要です。「この資格を取れば必ず開業できる」と広告だけで判断せず、受講料を払う前に開業予定地の自治体の動物愛護管理担当窓口へ確認してください。
資格を選ぶなら「開業予定地で認められるか」を先に確認
環境省の資料では、動物取扱責任者について、獣医師・愛玩動物看護師のほか、必要な実務経験と学校卒業、または必要な実務経験と所定の資格等を組み合わせた要件が示されています。自治体の運用や必要書類も確認が必要です。
副業から始める場合も「営業として行うか」を区別する
週末だけ、月数件だけであっても、営利目的で継続してペットシッター業を営むのであれば、単に「副業だから登録不要」とは考えない方が安全です。自分が行おうとしているサービスが第一種動物取扱業に該当するか、開始前に自治体へ相談してください。
勤務先から給与を受けてシッターとして働くのか、自分自身が事業者として顧客と契約するのかでも立場が変わります。最初に働き方を明確にしましょう。
独立開業するなら第一種動物取扱業「保管」の登録を確認

ペットシッターとして独立する場合、もっとも重要なのが許認可の確認です。環境省は、営利目的で動物の販売・保管・貸出し・訓練・展示などを業として行う場合、第一種動物取扱業の登録が必要としています。
ペットシッターは「保管」の例として明記されており、動物を自宅で預からず、飼い主宅へ訪問する営業形態でも対象です。
営業開始前に事業所所在地を管轄する自治体へ申請する
第一種動物取扱業の登録は、営業を始めてから後追いで行う手続きではありません。環境省の手続案内では、動物取扱業を営もうとする場合にあらかじめ申請する仕組みとされています。
必要書類や申請手数料、事前相談の方法は自治体によって異なります。開業予定地が決まったら、都道府県や政令指定都市の担当部署へ早めに相談してください。
事業所ごとに動物取扱責任者を置く
第一種動物取扱業者は、事業所ごとに動物取扱責任者を選任します。独立して一人で営む場合、自分自身が要件を満たして責任者になるケースが想定されます。
要件には、獣医師、愛玩動物看護師、または動物取扱業に関する実務経験と教育・資格等の組み合わせがあります。「犬を長年飼っていた」という私生活上の経験だけで自動的に要件を満たすとは限らないため、自治体へ証明方法まで確認してください。
登録は5年ごとの更新が必要
動物愛護管理法では、第一種動物取扱業の登録は5年ごとに更新を受けなければ効力を失うと定められています。開業時だけ対応して終わりではなく、更新期限や変更届を管理する必要があります。
開業届と動物取扱業登録は別の手続き
税務署への開業関係手続きと、動物愛護管理法に基づく第一種動物取扱業の登録は別物です。どちらか一方を行えばもう一方が不要になるわけではありません。
会社員が副業として個人事業を始めるときの開業届・青色申告については、副業で開業届は必要?会社員の判断基準・提出期限・青色申告の進め方で詳しく整理しています。
ペットシッター開業7STEP|サービス設計・料金・保険・契約・集客まで

独立開業は、資格を取って名刺を作れば終わりではありません。許認可、事故対応、契約、鍵の管理、集客までを一つのサービスとして設計する必要があります。
STEP1|営業エリアと対応する動物を決める
最初に「どこまで移動するか」「犬・猫・小動物のどこまで対応するか」を決めます。訪問型サービスは移動時間が利益を左右するため、広すぎる営業エリアは効率を下げます。
自宅から半径○kmと機械的に決めるより、駅・住宅街・道路状況・駐車場・移動手段などを見て、1件ごとの移動時間を想定してください。
STEP2|自治体へ事前相談し、登録要件を確認する
第一種動物取扱業「保管」の登録要件、動物取扱責任者の要件、必要書類、事業所の扱いを確認します。自分が要件を満たしていない場合は、必要な実務経験や教育・資格を得るまでの計画を立てます。
STEP3|サービス範囲と「やらないこと」を決める
犬の散歩、猫の留守番、ごはん、トイレ清掃、遊び、報告など基本メニューを決めます。同時に、危険性が高い大型犬・攻撃性のある動物・医療行為に近い依頼・長時間の拘束など、自分では対応しない条件も明文化しておくとトラブルを減らせます。
STEP4|料金・交通費・キャンセル条件を作る
料金は「1時間いくら」だけでは不十分です。初回打ち合わせ、交通費、延長、多頭、繁忙期、鍵の受け渡し、キャンセルなど、追加費用が発生する条件をあらかじめ決めます。
相場より極端に安くすると依頼は増えても移動・報告・問い合わせ対応の時間を回収できません。料金を見るときは、訪問時間だけでなく往復移動と事務作業まで含めて考えてください。
STEP5|賠償責任保険・緊急時対応・契約書を準備する
ペットの脱走、咬傷、家財の破損、鍵の紛失など、訪問サービスにはさまざまなリスクがあります。ペットシッター業務を補償対象に含む賠償責任保険を比較し、補償内容・免責・対象外事項を確認してください。
また、緊急連絡先、かかりつけ動物病院、受診が必要になった場合の判断方法、費用負担、鍵の預かり方法を契約書や同意書へ落とし込みます。
STEP6|予約・顧客管理・報告の仕組みを整える
依頼日、住所、ペットの情報、食事、投薬指示、緊急連絡先、鍵の状態などを一元管理します。紙でも始められますが、件数が増えたらカレンダー・顧客台帳・報告テンプレートを使って漏れを減らしましょう。
STEP7|小さく受けて、口コミとリピートを増やす
開業直後からエリア全域へ広告を出すより、まず対応可能な件数だけ受け、遅刻・事故・報告漏れを出さない運用を固めます。満足した顧客から紹介や口コミが生まれると、広告費を増やさず依頼につながりやすくなります。
独自サイトがあると「誰が来るのか」を事前に伝えやすい
ペットシッターは自宅へ入るサービスなので、飼い主は「どんな人なのか」「登録は済んでいるか」「料金はいくらか」「保険はあるか」「緊急時にどうするか」を事前に確認したいものです。SNSだけでなく、自分のWebサイトにプロフィール・料金・営業エリア・登録番号・利用規約・問い合わせ方法をまとめると説明しやすくなります。
ペットシッターの収入を安定させるコツ|リピーター・定期契約・移動効率

ペットシッターの収入が安定しない最大の理由は、依頼が単発になりやすく、繁忙期と閑散期の差が出やすいことです。安定させるには、単価を上げるだけでなく「毎月繰り返し依頼される仕組み」と「同じ時間で対応できる件数」を改善します。
旅行需要だけでなく「定期的な散歩・留守番」を増やす
年末年始や大型連休の旅行需要は売上を作りやすい一方、それだけでは毎月の基礎売上になりません。仕事で帰宅が遅い飼い主、高齢で散歩が難しい飼い主、定期的に出張がある家庭など、日常の困りごとを解決できるサービスを用意すると定期契約につながりやすくなります。
営業エリアを絞ると移動時間が減る
訪問型ビジネスでは、30分のシッティングに片道40分かかると、売上があっても時間効率は下がります。同じエリアの顧客を同じ時間帯にまとめられると、1日に対応できる件数が増えやすくなります。
新規依頼を何でも受けるのではなく、地図上で顧客を確認し、移動効率の良いエリアへ広告・チラシ・紹介先を集中させる方法があります。
初回打ち合わせの品質がリピート率を左右する
食事・散歩・トイレ・性格・苦手なこと・持病・緊急連絡先・家のルールまで丁寧に確認します。飼い主から見れば、初回打ち合わせは「この人に鍵と大切な家族を任せられるか」を判断する時間です。
質問をテンプレート化し、聞き漏らしをなくすことでサービス品質を揃えられます。
報告を「安心を届ける商品」と考える
訪問後に写真1枚だけ送るより、食事量、排せつ、散歩、遊び、体調、気づいたことを短く整理すると、飼い主は留守中の様子を理解できます。過度な長文は必要ありませんが、毎回同じ項目で報告すると信頼が積み上がります。
繁忙期は「予約枠」とキャンセル条件を先に決める
大型連休に依頼を詰め込みすぎると、移動遅延や事故につながります。1日何件まで受けるか、どのエリアを優先するか、キャンセル料はいつから発生するかを事前に決めましょう。
繁忙期料金を設定する場合も、予約後に急に追加するのではなく、料金表や利用規約であらかじめ明示することが大切です。
動物病院・トリミングサロン・地域事業者との関係を作る
動物病院、トリミングサロン、ペット用品店など、飼い主が普段利用する場所でサービスを知ってもらえると、地域での認知につながります。チラシ設置をお願いするときは、相手の顧客にも役立つ内容になっているかを考え、一方的な営業にならないようにしましょう。
売上だけでなく「時間当たり利益」を見る
売上が伸びても、移動費・広告費・保険料・予約管理・報告作成に時間がかかれば、手元に残る利益は減ります。案件ごとに「売上」「交通費などの直接経費」「移動を含む総時間」を記録し、どのエリア・メニュー・顧客層が続けやすいか確認してください。
顧客台帳に「次に必要になりそうな時期」を残す
リピーターを増やすときは、営業メッセージを何度も送るより、依頼履歴を整理する方が効果的です。毎週の散歩、月1回の出張、長期休暇の帰省など、利用の周期が見える顧客は次回の予定を確認しやすくなります。
顧客台帳には、ペット名、年齢、食事、散歩時間、苦手なこと、鍵の状況だけでなく、前回利用日、利用目的、次回確認日も残します。以前と同じ説明を何度も飼い主へ求めずに済み、サービス品質も安定します。
売上・件数・移動時間を毎月同じ形式で記録する
「今月は忙しかった」という感覚だけでは、経営が良くなっているか判断できません。月ごとに新規件数、リピート件数、売上、交通費、広告費、保険料、移動時間、シッティング時間を確認すると、改善点が見えます。
たとえば売上が増えていても移動時間が急増しているなら、営業エリアが広がりすぎている可能性があります。逆に依頼件数が増えていなくても、リピート率が上がり近距離の顧客が増えていれば、同じ時間で利益を残しやすくなっていると判断できます。
口コミをお願いするタイミングを決めておく
ペットシッターは自宅へ入るサービスなので、初めて利用する飼い主にとって第三者の評価は安心材料になります。ただし利用直後に毎回口コミを迫るのではなく、継続利用が始まったタイミングや、飼い主からお礼をもらったタイミングなど、自然な場面でお願いしましょう。
口コミには住所、留守の日程、鍵の受け渡し方法など個人情報を書かないよう案内します。写真をWebサイトやSNSへ掲載する場合も、ペットだけなら自由に使えると決めつけず、飼い主から掲載範囲を確認してください。
スタッフを増やす前に「自分一人で再現できる手順」を作る
依頼が増えるとスタッフ採用を考えますが、業務手順が人によって違う状態では品質を揃えられません。初回ヒアリング、訪問前確認、鍵、散歩、給餌、報告、緊急連絡、帰宅時チェックを手順化し、誰が担当しても確認項目が抜けないようにします。
また、従業員を増やす場合は、第一種動物取扱業における従業者の要件や、雇用・労務・保険についても確認が必要です。売上が増えたからすぐ人を増やすのではなく、一定の依頼数が継続してから固定費と教育負担を計算しましょう。
ペットシッターの注意点|事故・鍵・病気・契約・税金を確認

ペットシッターは、小資本で始めやすい一方で「命」と「他人の家」を預かる仕事です。売上を増やす前に、事故が起きたときの対応と、依頼を断る基準を決めておく必要があります。
脱走・咬傷・事故は「起きない前提」にしない
玄関を開けた瞬間の飛び出し、散歩中のリード抜け、他犬との接触、誤食、家具の破損など、想定外は起こり得ます。ダブルリードが必要な犬、玄関前でゲートを使う家庭など、動物ごとの対策を初回打ち合わせで確認してください。
鍵の管理ルールを文書化する
鍵を預かる場合は、受領日、返却方法、保管方法、合鍵の作成禁止、紛失時の対応を明確にします。住所と鍵が同時に分かるラベルを付けないなど、盗難リスクも考えます。
病気・投薬・緊急受診の判断を勝手にしない
持病や投薬がある場合は、飼い主と事前に手順を確認します。体調悪化時にどの動物病院へ連絡するか、どこまでシッターが判断してよいか、診療費をどう扱うかを契約前に決めます。
自分の資格・経験の範囲を超える医療行為や危険な処置を安易に引き受けず、必要に応じて獣医師や飼い主へ確認してください。
賠償責任保険は「ペットシッター業務が対象か」を確認する
個人賠償責任保険に入っているから十分とは限りません。事業活動中の事故が対象外になる契約もあります。業務としてのペットシッターが補償対象か、ペットの事故、家財、鍵などどこまで補償されるかを保険会社へ確認してください。
契約書・利用規約で責任範囲を曖昧にしない
サービス内容、料金、キャンセル、緊急対応、鍵、写真利用、個人情報、免責事項などを文書にします。「何があっても一切責任を負わない」のような一方的な文言に頼るのではなく、実際の運用と一致する契約内容にしてください。
副業収入は売上ではなく所得を確認する
会社員が副業として営利目的で継続的にペットシッターを行う場合、税務上の所得区分や確定申告の要否を確認する必要があります。国税庁は、業務に係る雑所得について「総収入金額-必要経費」で所得を計算すると案内していますが、事業としての実態によって事業所得となる場合もあります。
交通費、広告費、保険料、業務用品なども、事業との関係や按分を確認したうえで記録してください。会社員の確定申告については会社員の副業は確定申告が必要?20万円ルール・住民税・経費で解説しています。
よくある質問|ペットシッター開業で迷いやすい点
Q. ペットを飼った経験だけで開業できますか?
飼育経験は役立ちますが、それだけで第一種動物取扱業の登録や動物取扱責任者の要件を満たすとは限りません。開業予定地の自治体へ、経験・学歴・資格をどの書類で証明する必要があるか確認してください。
Q. 自宅でペットを預からなければ登録不要ですか?
いいえ。環境省は、ペットシッターのように飼養施設を持たない場合も第一種動物取扱業の規制対象と明記しています。訪問型だから自動的に対象外になるわけではありません。
Q. 副業なら第一種動物取扱業登録は不要ですか?
「副業か本業か」だけで判断するものではありません。営利目的で業としてペットシッターを行う場合は登録対象になるため、具体的な営業形態を自治体へ説明して確認してください。
Q. ペットシッターの収入は安定しませんか?
単発旅行の依頼だけでは季節変動が大きくなります。定期散歩、継続利用、近隣エリアへの集中、リピーター、地域事業者からの紹介などを組み合わせることで、売上の波を小さくする余地があります。
Q. 開業前に資格講座へ申し込んだ方がいい?
先に自治体へ相談する方が安全です。動物取扱責任者として認められる要件や証明書類を確認し、その要件を満たすために必要な講座・資格・実務経験を選びましょう。
開業後は、登録番号、料金表、対応エリア、営業時間、キャンセル条件、問い合わせ先など、飼い主が判断に必要な情報を最新の状態に保つことも重要です。SNSだけ更新してWebサイトの料金が古い、電話番号が変わったのに利用規約が旧情報のまま、といった状態は不信感につながります。月に一度は公開情報と実際の運用が一致しているか確認し、変更があれば顧客にも分かる形で案内しましょう。
さらに、自治体の制度や動物取扱業の基準は改正される可能性があります。開業時だけでなく、更新時やサービス内容を変更するときも、環境省と登録先自治体の最新案内を確認してください。
記録と確認を続けることが、飼い主とペット双方の安心につながります。
ペットシッターは、依頼が増えてから仕組みを考えるのではなく、最初の1件から記録・契約・報告・鍵管理を同じ手順で行うことが大切です。小さな件数のうちに運用を整えておけば、繁忙期に予約が増えても確認漏れを防ぎやすくなります。料金やサービス内容を変更するときも、既存顧客へ事前に案内し、Webサイトや利用規約の表示と実際の運用を揃えてください。
無理のない件数から始め、信頼を積み上げましょう。
まとめ|「動物が好き」を信頼されるサービスに変える
ペットシッターは、好きな動物と関われる魅力的な仕事ですが、独立するなら「好き」だけでは続きません。第一種動物取扱業の登録、動物取扱責任者の要件、事故対策、鍵の管理、契約、保険、税金まで準備して初めて、飼い主が安心して任せられるサービスになります。
収入を安定させたいなら、繁忙期の単発依頼を追うだけでなく、定期的な散歩や留守番、近距離の顧客、リピーター、地域の動物関連事業者とのつながりを積み上げることが重要です。
独立を考えている人は、まず開業予定地の自治体へ第一種動物取扱業の要件を確認し、自分が動物取扱責任者の要件を満たしているかを確認するところから始めてください。独立全体の準備については独立開業やフランチャイズ加盟で失敗しない!脱サラ成功ガイドも参考にできます。