数独の解き方を初心者向けに解説|候補の絞り方・ペア・行き詰まりを盤面で練習
こんにちは、なかびーです。数独で手が止まったとき、「どの数字を入れようか」と空欄を眺め続けていませんか。候補が二つ残るマスを見つけても、そのどちらかを選ぶ必要はありません。ほかのマスに数字を置ける場所を調べると、答えを決めずに候補だけを減らせることがあります。
この記事では、標準的な9×9の数独を使い、候補の作り方からペア、ブロックと列の重なり、X-Wingまでを順に練習します。大切なのは手筋の名前を覚えることよりも、どの領域の条件から、どこの候補を消したのかを説明できることです。最後には、基本の確定方法だけで解ける一問を用意しました。難しい手筋を全部使うことが目標ではありません。
盤面は本記事用に作成した教材です。S00〜S07は説明用の局面で、同じ一局の連続記録ではありません。S02・S04・S05・S06は同じ盤を別の視点で調べます。S00〜S07の八つのラベルは、八つの独立した問題を意味しません。N1・N2は条件を崩した意図的な複数解の反例です。実アプリのプレイ実績や公式例題の転載ではありません。画像は説明の補助とし、数字・候補・手順は本文の表を正本とします。
数独の行・列・ブロックを読み、候補を書く

説明用イラスト。正確な数字と候補は本文の盤面表を確認してください。
足し算ではなく、同じ数字を重ねないパズル
標準の数独では、空欄に1から9までの数字を入れ、横一列、縦一列、太線で囲まれた3×3のブロックのそれぞれで、同じ数字が重ならないようにします。横のまとまりを行、縦のまとまりを列と呼びます。一つの領域に九つのマスがあり、使える数字も九種類なので、完成時には各領域に1から9までが一度ずつ入ります。
盤面全体には行が九つ、列が九つ、ブロックが九つあります。ただし、二十七の領域が別々に置かれているわけではありません。一つのマスは必ず一つの行、一つの列、一つのブロックに所属します。この重なりが、ある場所の確定を別の場所へ伝える仕組みです。行だけを完成させても、列やブロックに重複があれば正解にはなりません。
数字の大小や合計は、基本ルールの直接の条件ではありません。八の隣に九が来る、左右対称に同じ数字が入る、といった規則もありません。また、標準盤の斜めの線に同じ数字が並ぶことは許されます。対角線にも重複を禁じる別形式がありますが、それは追加ルールが明記された場合だけです。問題を開いたら、まず標準形式かどうかを確かめましょう。
座標を決めると、調べた場所を見失わない
この記事では、上から何行目かをr、左から何列目かをcで表します。たとえばr1c2は、最上段の左から二つ目のマスです。数字の七が書かれた場所と七行目を混同しないよう、マスを説明するときには行と列を両方書きます。紙で練習するときも、盤外に小さく目盛りを付けておくと、消去の理由を後から追いやすくなります。
ブロックは太線で区切った九マスです。左上のブロックなら一〜三行と一〜三列の交差部分になります。細いマス目を一つずつ数える前に、太線を目でたどって所属ブロックを確かめてください。特に中央付近では、近くに見える数字でも隣のブロックに属している場合があります。「近いから使えない」ではなく、「同じ領域にあるから使えない」と考えるのが基本です。
| c1 | c2 | c3 | c4 | c5 | c6 | c7 | c8 | c9 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| r1 | 6 | 7 | 4 | 1 | 8 | 2 | 3 | 9 | 5 |
| r2 | 3 | 9 | 5 | 6 | 7 | 4 | 1 | 8 | 2 |
| r3 | 1 | 8 | 2 | 3 | 9 | 5 | 6 | 7 | 4 |
| r4 | 8 | 4 | 6 | 9 | 2 | 1 | 7 | 5 | 3 |
| r5 | 7 | 5 | 3 | 8 | 4 | 6 | 9 | ・ | 1 |
| r6 | 9 | 2 | 1 | 7 | 5 | 3 | 8 | 4 | 6 |
| r7 | 2 | 6 | 8 | 5 | 1 | 9 | 4 | 3 | 7 |
| r8 | 4 | 3 | 7 | 2 | 6 | 8 | 5 | 1 | 9 |
| r9 | 5 | 1 | 9 | 4 | 3 | 7 | 2 | 6 | 8 |
| 注目マス | 初期候補 |
|---|---|
| r5c8 | 2 |
S00では、第五行の一か所だけが空いています。その行に足りない数字は二です。ただし、この簡単な例でも、行の不足だけを見て終わらず、同じ列とブロックに二がないことまで確認します。印刷された問題を正しく読み取れているなら矛盾しませんが、自分で盤面を書き写した場合は転記ミスがあり得ます。簡単な確定を使って、ルールと読み取り方をそろえる練習です。
候補は、まだ禁止されていない数字の集まり
空欄に入りそうな数字を感覚で二つ選ぶのではなく、まず九種類全部から出発します。そのマスと同じ行にある数字、同じ列にある数字、同じブロックにある数字を除き、残ったものが初期の候補です。一つの既知の数字を行とブロックの両方で見つけても、二種類の数字を消せるわけではありません。確認するのは登場回数ではなく、禁止された数字の種類です。
候補は答えの保証ではありません。ある数字が今の行・列・ブロックとぶつからなくても、先まで進めると成立しないことがあります。初期候補は、その場の直接的な衝突を除いた集合です。そこへ後の章で扱う論理的な消去を重ねます。「候補にある」と「そこに置くことが決まった」は別の段階だと区別しておけば、鉛筆の小さな数字を答えとして扱う間違いを防げます。
候補を全部書く方式と、一部だけ覚え書きする方式は混ぜないほうが安全です。たとえば小さく四と五だけを書いたとしても、六を未確認のまま省いたのなら、それは二候補のマスではありません。後でペアを使うには候補が完全であることが必要です。部分的なメモを使う場合は印を変え、ペアなどを調べる段階で対象領域の候補を全数確認してください。
初期から印刷されている数字、自分が理由を確認して確定した数字、鉛筆候補は見た目を分けましょう。初期数字は動かさず、自分の確定だけを取り消せる状態にしておくためです。候補の削除を記録する余白も残します。正解を速く書くためというより、誤りが生じたときに、どの判断から戻ればよいかを分かるようにする準備です。
一マスが確定したら、その数字を同じ行・列・ブロックの空欄候補から除きます。盤のすべての同じ数字を消すのではありません。また、候補更新を一つずつ行っている間は、新しいペアを見つけてもすぐに使わず、関係する領域の更新が終わってから判定します。古い候補と新しい候補が混在した途中状態は、手筋の条件を見誤りやすいからです。
一つのマスを見る方法と、一つの数字を追う方法を使い分ける

説明用イラスト。正確な数字と候補は本文の盤面表を確認してください。
唯一候補は、そのマスに残る数字が一つ
| c1 | c2 | c3 | c4 | c5 | c6 | c7 | c8 | c9 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| r1 | 6 | ・ | 4 | ・ | 8 | 2 | ・ | 9 | ・ |
| r2 | 3 | 9 | ・ | ・ | ・ | 4 | 1 | 8 | ・ |
| r3 | 1 | 8 | ・ | ・ | 9 | ・ | 6 | ・ | ・ |
| r4 | 8 | ・ | 6 | 9 | 2 | 1 | ・ | 5 | 3 |
| r5 | ・ | 5 | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ |
| r6 | 9 | 2 | 1 | 7 | ・ | ・ | ・ | ・ | 6 |
| r7 | 2 | 6 | 8 | 5 | ・ | ・ | ・ | ・ | 7 |
| r8 | 4 | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | 1 | ・ |
| r9 | ・ | 1 | 9 | 4 | 3 | 7 | ・ | 6 | 8 |
| 注目マス | 初期候補 |
|---|---|
| r1c2 | 7 |
S01のr1c2を調べます。第一行だけでは空欄がいくつもあるので、行を見ただけで答えが決まる例ではありません。同じ行にある数字を除き、次に第二列、最後に左上ブロックの数字を除くと、七だけが残ります。これが唯一候補です。見る中心は一つのマスであり、そのマスに入れる数字の種類を数えています。
消した数字の理由を全部暗記する必要はありませんが、練習中は一度、どの領域にあるために消えたのかを説明してみてください。行で既に除いた数字を列でも見つけることがあります。それは別の新しい消去ではなく、同じ禁止を別の方向から確認しただけです。残った候補数が思ったより多い場合は、数字を数えるのではなく、未確認の領域がないかを調べます。
唯一候補を確定できる理由は、「ほかの八種類が入らず、完成盤では何か一つが必要だから」です。候補が一つになったように見えても、以前の消去に根拠がなければ、この結論は支えられません。特に候補を手で書き換えた後は、書き忘れによって一つだけ残ったのか、正しい消去の結果なのかを区別します。迷ったら初期数字と確定数字から、そのマスの候補を作り直しましょう。
隠れた一か所は、その数字を置ける場所が一つ
| c1 | c2 | c3 | c4 | c5 | c6 | c7 | c8 | c9 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| r1 | 1 | ・ | 2 | ・ | ・ | 4 | ・ | 9 | 5 |
| r2 | 3 | 9 | ・ | ・ | ・ | 2 | 6 | ・ | ・ |
| r3 | 6 | 7 | ・ | ・ | 9 | ・ | ・ | ・ | ・ |
| r4 | 8 | ・ | ・ | 7 | 5 | 3 | 9 | 2 | 1 |
| r5 | ・ | 5 | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ |
| r6 | 9 | 2 | 1 | 8 | ・ | 6 | ・ | 5 | 3 |
| r7 | 4 | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | 6 | ・ |
| r8 | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | 7 |
| r9 | 2 | 6 | 8 | ・ | 3 | 7 | 5 | ・ | ・ |
| 注目マス | 初期候補 |
|---|---|
| r4c3 | 4・6 |
S02ではr4c3に四と六の候補が残っています。一マスだけを見れば、まだ二択です。そこで第四行全体を選び、六をどこへ置けるかに問いを変えます。すでに埋まったマスを除き、空欄それぞれの候補を調べると、この行の六の置き場所はr4c3に限られます。マス側に四が残っていても、六にはほかの行き先がないため、ここを六と確定できます。
この方法では、候補を二つ持つマスがあることと、ある数字が一か所にしか入らないことが両立します。前者はマスを固定して数字を数え、後者は領域と数字を固定して場所を数えているからです。盤面が候補だらけになったときは、各マスの小さな数字を眺めるのをやめ、一つの数字だけを追ってください。見るものを減らすことで、同じ情報から別の結論が見つかります。
「行に一つ」と確かめるためには、選んだ行の空欄を最後まで見る必要があります。注目マスの左右だけを調べたり、同じブロックの範囲だけを調べたりして、行全体で唯一と判断しないでください。離れた空欄に同じ数字が残っていれば確定できません。候補表の中で、その数字が現れる座標をすべて列挙すると、見ていない場所を減らせます。
同じ考え方は列とブロックでも使えます。列を選んだら上から下まで、ブロックを選んだら太線内の九マスを走査します。ここで複数の領域をつなぎ合わせて、都合のよい範囲だけを作ってはいけません。行、列、ブロックというルール上の単位だからこそ、その数字を必ず一つ置くという根拠が成立しています。
二つの見方を往復し、確定後の変化を使う
唯一候補と隠れた一か所は、どちらが上位という関係ではありません。ある盤ではマスから調べるほうが簡単で、別の盤では数字から調べるほうが早くなります。練習では、まず候補の少ないマスを確認し、その後に空欄の少ない行・列・ブロックを選ぶと、調べる量を抑えられます。見つからなければ、他の数字や領域へ視点を移します。
確定した数字を同じ領域の候補から消すと、別のマスが唯一候補になることがあります。また、マスの候補は二つ以上のままでも、ある数字の置き場所が二か所から一か所へ減ることがあります。更新後には両方の変化を見てください。候補の削除自体を成果の終わりにせず、何が一つになったかを調べるところまでが一回の作業です。
一方、離れた領域にある同じ数字をまとめて削除してはいけません。数独では盤面全体に同じ数字が何度も現れます。禁止されるのは、同じ行・列・ブロックの中での重複だけです。確定場所から指で行と列をなぞり、所属ブロックを囲むと、削除対象の範囲を目で確かめられます。削除範囲を図として捉えると、数字だけを検索して消す誤りが減ります。
すぐに埋められるマスがなくなっても、「もう推測しかない」とは限りません。すべての空欄に複数候補が残る状態では、マス同士の関係から候補を減らせる場合があります。次のペアは、その最初の一例です。ただし、複雑な方法を探し始める前に、直前の確定による候補更新が終わっているかを一度確認しましょう。更新漏れがあると、使える基本手筋まで隠れてしまいます。
二つのマスと二つの数字から、消せる候補を決める

説明用イラスト。正確な数字と候補は本文の盤面表を確認してください。
裸のペアは、二マスが二数字を予約する
| c1 | c2 | c3 | c4 | c5 | c6 | c7 | c8 | c9 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| r1 | 1 | ・ | 2 | ・ | ・ | 4 | ・ | 9 | 5 |
| r2 | 3 | 9 | ・ | ・ | ・ | 2 | 6 | ・ | ・ |
| r3 | 6 | 7 | ・ | ・ | 9 | ・ | ・ | ・ | ・ |
| r4 | 8 | ・ | ・ | 7 | 5 | 3 | 9 | 2 | 1 |
| r5 | ・ | 5 | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ |
| r6 | 9 | 2 | 1 | 8 | ・ | 6 | ・ | 5 | 3 |
| r7 | 4 | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | 6 | ・ |
| r8 | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | 7 |
| r9 | 2 | 6 | 8 | ・ | 3 | 7 | 5 | ・ | ・ |
| 注目マス | 初期候補 |
|---|---|
| r2c3 | 4・5 |
| r3c3 | 4・5 |
| 消去するマス | 消す候補 |
|---|---|
| r4c3 | 4 |
| r5c3 | 4 |
| r7c3 | 5 |
| r8c3 | 5 |
S04の第三列では、r2c3とr3c3の候補がどちらも四と五です。この二マスは空欄なので、完成時にはそれぞれ一つの数字を入れなければなりません。同じ列で同じ数字を重ねられないため、一方が四なら他方は五、一方が五なら他方は四です。どちらの並びでも、この列の四と五は二マスが使い切ります。
したがって、同じ第三列のほかのマスから四と五を除けます。ただし、もともと候補にない数字を新しく削ったことにはしません。この盤で実際に変わるのは、r4c3とr5c3の四、r7c3とr8c3の五です。二マスの答えをまだ選べないのに、外側の候補を消せる点が重要です。確定できない二択でも、周囲に与える制約は確定できます。
この推論は、二マスの候補が完全にその二数字に限られることを前提にしています。四と五が両方に見えているだけでは足りません。片方に六も残っていれば、そのマスを六にしたとき、四か五を別のマスへ置ける可能性が生まれます。候補の一部だけをメモした二マスを見て、裸のペアだと決めないことが大切です。
また、二マスが同じルール上の領域にあることも必要です。盤面の離れた場所に四と五の二候補が二つ見つかっても、それだけでは何も予約しません。同じ列なら列のほかのマス、同じ行なら行のほかのマス、同じブロックならブロックのほかのマスに効きます。複数の単位を共有する場合も、それぞれの単位の中で条件と消去範囲を確かめます。
隠れたペアは、二数字の行き先が二マスだけ
| c1 | c2 | c3 | c4 | c5 | c6 | c7 | c8 | c9 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| r1 | 1 | ・ | 2 | ・ | ・ | 4 | ・ | 9 | 5 |
| r2 | ・ | 9 | ・ | ・ | ・ | 2 | 6 | ・ | ・ |
| r3 | 6 | 7 | ・ | ・ | 9 | ・ | ・ | ・ | ・ |
| r4 | 8 | ・ | ・ | 7 | 5 | 3 | 9 | 2 | 1 |
| r5 | ・ | 5 | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ |
| r6 | 9 | 2 | 1 | 8 | ・ | 6 | ・ | 5 | 3 |
| r7 | 4 | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | 6 | ・ |
| r8 | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | 7 |
| r9 | 2 | 6 | 8 | ・ | 3 | 7 | 5 | ・ | ・ |
| 注目マス | 初期候補 |
|---|---|
| r5c1 | 3・7 |
| r5c3 | 3・4・6・7 |
| 消去するマス | 消す候補 |
|---|---|
| r5c3 | 4 |
| r5c3 | 6 |
S03では中央左のブロックに注目します。このブロックで三と七を置ける場所が、r5c1とr5c3の二マスに限られています。r5c1の候補は三と七ですが、r5c3には三・四・六・七が残っています。裸のペアとは違い、二マスの候補が最初から二種類にそろっているわけではありません。
ここでは三と七の側から考えます。ブロック内に三を一つ、七を一つ入れる必要があり、その二数字が使える場所は二マスしかありません。すると、その二マスには三と七を一つずつ割り当てるほかありません。r5c3に四や六を入れると、残る一マスだけでは三と七の両方を置けなくなります。そこでr5c3から四と六を消せます。
裸のペアでは二マスの候補を入口にして、その外側からペアの数字を消しました。隠れたペアでは二数字の置き場所を入口にして、その内側から余分な数字を消します。ペアという同じ名前でも、どちら側を狭めるのかが違います。消去を実行する前に、二マスを囲んで外を消すのか、二マスの中を整理するのかを言葉にしてみてください。
隠れたペアを探すときには、対象領域の全空欄で、選んだ二数字の置き場所を確認します。二マスに三と七が含まれていても、第三のマスにも三が置けるなら、同じ説明は使えません。数字ごとの置き場所一覧を作る方法は、前章の隠れた一か所の延長です。一数字一マスを探して見つからなかったとき、二数字が同じ二マスに集まっているかを見ます。
ペアが崩れた反例から、消さない判断を学ぶ
| c1 | c2 | c3 | c4 | c5 | c6 | c7 | c8 | c9 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| r1 | 1 | ・ | 2 | ・ | ・ | 4 | ・ | 9 | 5 |
| r2 | 3 | 9 | ・ | ・ | ・ | 2 | 6 | ・ | ・ |
| r3 | ・ | 7 | ・ | ・ | 9 | ・ | ・ | ・ | ・ |
| r4 | 8 | ・ | ・ | 7 | 5 | 3 | 9 | 2 | 1 |
| r5 | ・ | 5 | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ |
| r6 | 9 | 2 | 1 | 8 | ・ | 6 | ・ | 5 | 3 |
| r7 | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | 6 | ・ |
| r8 | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | 7 |
| r9 | ・ | ・ | 8 | ・ | 3 | 7 | 5 | ・ | ・ |
| 外した手掛かり | 元の数字 |
|---|---|
| r3c1 | 6 |
| r7c1 | 4 |
| r9c1 | 2 |
| r9c2 | 6 |
反例となる完成配置を確認する
| c1 | c2 | c3 | c4 | c5 | c6 | c7 | c8 | c9 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| r1 | 1 | 8 | 2 | 6 | 7 | 4 | 3 | 9 | 5 |
| r2 | 3 | 9 | 5 | 1 | 8 | 2 | 6 | 7 | 4 |
| r3 | 4 | 7 | 6 | 3 | 9 | 5 | 2 | 1 | 8 |
| r4 | 8 | 6 | 4 | 7 | 5 | 3 | 9 | 2 | 1 |
| r5 | 7 | 5 | 3 | 2 | 1 | 9 | 4 | 8 | 6 |
| r6 | 9 | 2 | 1 | 8 | 4 | 6 | 7 | 5 | 3 |
| r7 | 5 | 3 | 7 | 4 | 2 | 1 | 8 | 6 | 9 |
| r8 | 2 | 4 | 9 | 5 | 6 | 8 | 1 | 3 | 7 |
| r9 | 6 | 1 | 8 | 9 | 3 | 7 | 5 | 4 | 2 |
N1はS04から四つの手掛かりを外して、条件を意図的に弱くした説明盤です。普通の一意解の問題として出題しているのではありません。ここではr2c3が四・五のままでも、r3c3には六が加わります。見た目は元の盤に似ていますが、二マスが四と五だけを使い切るという前提がなくなっています。
この違いを「何となく危なそう」で終わらせず、反例の完成配置で確かめます。N1には、元の消去先であるr4c3を四にしても、行・列・ブロックの条件を全部満たす完成配置があります。したがって、N1の条件からその四を消す推論は成立しません。答えの候補が本当に存在できる配置を一つ示せば、「必ず消せる」という主張を否定できます。
ここで複数解という言葉を使うのは、N1をそのように構成し、異なる完成配置が存在することを確認しているためです。普段の問題でペアが見つからないだけで、多解だと判断してはいけません。使える手筋をまだ見つけていないことと、完成形が複数あることは別です。この反例は、難しさの判定ではなく、消去の前提を点検する教材です。
ペアによって候補を減らした後も、残った数字が二つ以上なら、そのマスは未確定です。ペアを見つけた達成感で、次の数字まで一気に選ばないようにします。候補表を更新し、対象の行・列・ブロックへ戻って、唯一候補や隠れた一か所が生じたかを確かめましょう。高度な手筋を続けるより、基本の確定へ戻るほうが効率よく進む場合があります。
ブロックと列の重なりを使い、候補を外側から消す

説明用イラスト。正確な数字と候補は本文の盤面表を確認してください。
ブロック内の置き場所が一列にそろうとき
| c1 | c2 | c3 | c4 | c5 | c6 | c7 | c8 | c9 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| r1 | 1 | ・ | 2 | ・ | ・ | 4 | ・ | 9 | 5 |
| r2 | 3 | 9 | ・ | ・ | ・ | 2 | 6 | ・ | ・ |
| r3 | 6 | 7 | ・ | ・ | 9 | ・ | ・ | ・ | ・ |
| r4 | 8 | ・ | ・ | 7 | 5 | 3 | 9 | 2 | 1 |
| r5 | ・ | 5 | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ |
| r6 | 9 | 2 | 1 | 8 | ・ | 6 | ・ | 5 | 3 |
| r7 | 4 | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | 6 | ・ |
| r8 | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | 7 |
| r9 | 2 | 6 | 8 | ・ | 3 | 7 | 5 | ・ | ・ |
| 注目マス | 初期候補 |
|---|---|
| r2c3 | 4・5 |
| r3c3 | 4・5 |
| 消去するマス | 消す候補 |
|---|---|
| r4c3 | 4 |
| r5c3 | 4 |
S05は前章のS04と同じ盤です。問題を追加したのではなく、同じ候補を別の根拠で調べます。左上ブロックの四の置き場所をすべて確認すると、r2c3とr3c3の二マスに限られています。どちらへ四が入っても、左上ブロックの四は第三列に置かれます。つまり、第三列の四は、このブロックの中にあると分かります。
そこで、第三列のうち左上ブロックの外側から四を消せます。この盤ではr4c3とr5c3の四が対象です。ブロック内で四を置くマスは選べていませんが、列を使うことは確定しています。二つの領域が重なる部分に、一つの数字の置き場所が閉じ込められた結果です。
消去先は、同じ列であり、かつ元のブロックの外であることが必要です。ブロックの内側に残っている二つの四まで削れば、肝心の四の置き場所がなくなります。逆に、別の列にある四は、今回の第三列の制約を共有していません。色分けするときは、元の置き場所と削除する場所を別の色にして、根拠のマスと結果のマスを混ぜないようにしましょう。
同じ盤でも、ペアと同じ範囲を消せるとは限らない
前章のペアは四と五の両方を第三列から消しました。今回のブロックと列の重なりでは、四についてだけ置き場所を調べています。したがって、その説明だけで五まで消してよいことにはなりません。一つの手筋で出た結論を、見た目の似た別の数字へ自動的に広げないことが重要です。
五についても同じ消去を主張したいなら、左上ブロック内の五の置き場所を別途全部調べる必要があります。この盤では、五について別途確認すると、その置き場所もr2c3とr3c3だけです。したがって、五にも同じロックが成立し、r7c3とr8c3から五を消せます。四の結論を無条件に広げたのではなく、五の条件も確認したうえでの消去です。S04の裸のペアを使えば二数字をまとめて説明できますが、一数字ずつ調べても同じ結論へ到達します。
この比較は、手筋を重ねて数えるためのものではありません。同じ二か所の四を二つの方法で消しても、候補が二倍減るわけではないからです。複数の説明が成り立つときは、今の自分が確実に確認できる短い根拠を選べば十分です。別の説明を知る価値は、次にペアが成立しない盤でも、一数字の重なりだけなら使える場合にあります。
列の置き場所が一ブロックにそろう逆向き
| c1 | c2 | c3 | c4 | c5 | c6 | c7 | c8 | c9 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| r1 | 1 | ・ | 2 | ・ | ・ | 4 | ・ | 9 | 5 |
| r2 | 3 | 9 | ・ | ・ | ・ | 2 | 6 | ・ | ・ |
| r3 | 6 | 7 | ・ | ・ | 9 | ・ | ・ | ・ | ・ |
| r4 | 8 | ・ | ・ | 7 | 5 | 3 | 9 | 2 | 1 |
| r5 | ・ | 5 | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ |
| r6 | 9 | 2 | 1 | 8 | ・ | 6 | ・ | 5 | 3 |
| r7 | 4 | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | 6 | ・ |
| r8 | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | 7 |
| r9 | 2 | 6 | 8 | ・ | 3 | 7 | 5 | ・ | ・ |
| 注目マス | 初期候補 |
|---|---|
| r7c2 | 1・3 |
| r8c2 | 1・3 |
| 消去するマス | 消す候補 |
|---|---|
| r7c3 | 3 |
| r8c3 | 3 |
S06では、第二列の三の置き場所を調べます。この列で三が入るのはr7c2とr8c2に限られ、どちらも左下ブロックの中です。第二列には三を一つ入れる必要があるので、左下ブロックの三は第二列内で使われます。すると、左下ブロックのうち第二列の外側から三を消せます。
この盤で変わる候補はr7c3とr8c3の三です。前の例はブロックを出発点にして列の外側部分へ進み、今回は列を出発点にしてブロックの外側部分へ進みました。重なりを使う点は共通ですが、どの領域で置き場所を全部確認したかによって、削除する側が変わります。矢印の向きを逆に覚えるより、出発する領域に必ず一つ必要な数字から考えましょう。
同じ考え方を行へ読み替えることもできます。ブロック内のある数字の置き場所が一行だけなら、その行のブロック外から消します。ある行の置き場所が一ブロックだけなら、そのブロックの行外から消します。盤を頭の中で回転させるより、「元の領域」「重なる部分」「もう一方の領域に残る外側」を順に確認すると、向きを間違えにくくなります。
置き場所は必ず二つである必要はありません。ブロック内の三マスが全部同じ行に並ぶ場合も、その数字がその行に入ることは変わりません。一方で二マスしかなくても、別の行・別の列に分かれていれば、ここで説明した一直線の消去は使えません。数が少ないことではなく、全部が一つの線に収まっていることが条件です。
候補の削除と、確定数字の削除も区別してください。いま行っているのは空欄の可能性を減らす操作であり、元から書かれた数字を盤から消す操作ではありません。もし消去先に同じ確定数字が見つかるなら、候補の作り方や、それ以前の確定に矛盾がないかを調べる場面です。都合の悪い確定数字を消して手筋を成立させてはいけません。
四つ角だけで判断せず、X-Wingが成立する条件を調べる

説明用イラスト。正確な数字と候補は本文の盤面表を確認してください。
二行の同じ数字が、同じ二列だけにある
| c1 | c2 | c3 | c4 | c5 | c6 | c7 | c8 | c9 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| r1 | 1 | ・ | 2 | ・ | ・ | 4 | ・ | 9 | 5 |
| r2 | ・ | 9 | ・ | ・ | ・ | 2 | 6 | ・ | ・ |
| r3 | ・ | 7 | ・ | ・ | 9 | ・ | ・ | ・ | ・ |
| r4 | 8 | ・ | ・ | 7 | 5 | 3 | 9 | 2 | 1 |
| r5 | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ |
| r6 | 9 | 2 | 1 | 8 | ・ | 6 | ・ | 5 | 3 |
| r7 | 4 | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | 6 | ・ |
| r8 | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | 7 |
| r9 | 2 | 6 | 8 | ・ | 3 | 7 | 5 | ・ | ・ |
| 注目マス | 初期候補 |
|---|---|
| r1c4 | 3・6 |
| r1c5 | 6・7・8 |
| r8c4 | 1・2・4・5・6・9 |
| r8c5 | 1・2・4・6・8 |
| 消去するマス | 消す候補 |
|---|---|
| r3c4 | 6 |
S07では六を追います。第一行で六を置ける場所は第四列と第五列だけで、第八行でも六の置き場所は第四列と第五列だけです。二つの行の候補位置が、同じ二列にそろっています。四つのマスを結ぶと長方形になりますが、図形の形だけで判断するのではなく、それぞれの行に第三の置き場所がないことまで確認します。
第一行の六が第四列に入る場合を考えます。同じ第四列に六を重ねられないため、第八行の六は第五列に入ります。逆に第一行の六が第五列なら、第八行の六は第四列です。どちらの場合も、第四列と第五列の六を、この二行が一つずつ使います。選んだ行の外側には、その二列の六を置けません。
この盤で示す消去先はr3c4の六です。第三行は選んだ二行の外側で、第四列は予約された二列の一方なので、どちらの並びでも六が入れなくなります。四つ角の候補に一つずつ数字を決めてから消すのではありません。残っている二通りを両方調べ、同じ結論になることから削除しています。
四隅のほかに候補がないかを先に調べる
四つのマスに同じ候補が見えても、選んだ行にほかの置き場所があれば、ここでのX-Wingは成立しません。その別の場所に六を置くと、二列を必ず使うという約束が崩れるからです。長方形を見つけたあとに条件を省くのではなく、数字を一つ選び、行ごとの置き場所一覧から、同じ二列を持つ行を探すと誤判定を減らせます。
四隅のマスには、六以外の候補が残っていて構いません。この手筋は、四隅の候補が六だけという意味ではないからです。追っている六が各行で二か所に限定されることが条件です。裸のペアでは各マスの候補が二数字に限られましたが、X-Wingでは領域内の一数字の配置を調べています。何を固定し、何を数えているのかを区別しましょう。
選んだ二列のほうに六の候補が三つ以上見えても、行を基準とする今回の条件とは矛盾しません。まさにその余分な候補を、二行による予約で消すからです。入口で条件を満たす必要があるのは二つの行です。出口で候補を消すのが二つの列になります。両方の方向で最初から二候補ずつでなければならない、と考えると使える局面を見逃します。
反例を見れば、形だけの判断が危険だと分かる
| c1 | c2 | c3 | c4 | c5 | c6 | c7 | c8 | c9 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| r1 | 1 | ・ | ・ | ・ | ・ | 4 | ・ | 9 | 5 |
| r2 | ・ | 9 | ・ | ・ | ・ | 2 | 6 | ・ | ・ |
| r3 | ・ | ・ | ・ | ・ | 9 | ・ | ・ | ・ | ・ |
| r4 | ・ | ・ | ・ | 7 | 5 | 3 | 9 | 2 | 1 |
| r5 | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ |
| r6 | 9 | 2 | 1 | 8 | ・ | 6 | ・ | 5 | 3 |
| r7 | 4 | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | 6 | ・ |
| r8 | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | 7 |
| r9 | 2 | 6 | 8 | ・ | 3 | 7 | 5 | ・ | ・ |
| 外した手掛かり | 元の数字 |
|---|---|
| r1c3 | 2 |
| r3c2 | 7 |
| r4c1 | 8 |
反例となる完成配置を確認する
| c1 | c2 | c3 | c4 | c5 | c6 | c7 | c8 | c9 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| r1 | 1 | 7 | 6 | 3 | 8 | 4 | 2 | 9 | 5 |
| r2 | 8 | 9 | 5 | 1 | 7 | 2 | 6 | 3 | 4 |
| r3 | 3 | 4 | 2 | 6 | 9 | 5 | 1 | 7 | 8 |
| r4 | 6 | 8 | 4 | 7 | 5 | 3 | 9 | 2 | 1 |
| r5 | 7 | 5 | 3 | 9 | 2 | 1 | 4 | 8 | 6 |
| r6 | 9 | 2 | 1 | 8 | 4 | 6 | 7 | 5 | 3 |
| r7 | 4 | 3 | 7 | 5 | 1 | 9 | 8 | 6 | 2 |
| r8 | 5 | 1 | 9 | 2 | 6 | 8 | 3 | 4 | 7 |
| r9 | 2 | 6 | 8 | 4 | 3 | 7 | 5 | 1 | 9 |
N2はS07から三つの手掛かりを外した、意図的な複数解の説明盤です。第一行の六の置き場所に第三列が加わり、第四列と第五列だけではなくなっています。第八行の置き場所が元のままでも、第一行を含めた二行の予約は成立しません。元の四隅が残っているので、形だけを探すと誤って同じ手筋を使ってしまいます。
N2には、元の消去先であるr3c4に六を置いても完成できる配置があります。手掛かりを減らした結果、元の盤で不可能だった配置が可能になったのです。四隅の候補が見えることと、そこだけしか使えないことは、これほど結論を変えます。反例の完成盤では、元の手掛かりと新しく埋めた数字を区別しながら、各領域の重複がないことを確認できます。
列を基準にしたX-Wingは、この説明の行と列を入れ替えたものです。二列で同じ数字の置き場所が同じ二行だけなら、その二行のほかの列から候補を消します。途中で行基準から列基準へ切り替えず、一つの推論では出発点を固定してください。盤に線を引く場合も、入口の二領域と出口の二領域に役割があることを意識すると混乱が減ります。
X-Wingを見つけたからといって、その盤全体が解けたわけではありません。また、S07はX-Wingを使えることを示す例であり、それ以外の方法では解けない難問だとは主張していません。解法の必要性と、解法の適用可能性は別です。練習ではこの一回の消去が正しいことを確かめ、更新後に使える基本手筋へ戻れば十分です。
初級の段階で毎回すべての数字についてX-Wingを探す必要もありません。候補更新、唯一候補、隠れた一か所、ペア、重なりの順に調べて進むなら、複雑な配置を探す負担を避けられます。名前の多い手筋を使うほど上手いということではありません。自分が確かめられる最も短い理由で一手を進めることが、誤りを減らす実用的な方針です。
一問を最後まで解き、行き詰まりの原因を戻って確かめる

説明用イラスト。正確な数字と候補は本文の盤面表を確認してください。
基本の確定だけで進む一問を練習する
| c1 | c2 | c3 | c4 | c5 | c6 | c7 | c8 | c9 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| r1 | 6 | ・ | 4 | ・ | 8 | ・ | ・ | 9 | ・ |
| r2 | 3 | 9 | ・ | 6 | 7 | 4 | 1 | 8 | 2 |
| r3 | ・ | 8 | 2 | 3 | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ |
| r4 | ・ | ・ | 6 | 9 | 2 | 1 | 7 | ・ | 3 |
| r5 | 7 | 5 | 3 | ・ | ・ | ・ | 9 | ・ | ・ |
| r6 | ・ | 2 | 1 | ・ | 5 | ・ | ・ | ・ | 6 |
| r7 | 2 | ・ | ・ | ・ | 1 | ・ | ・ | ・ | ・ |
| r8 | 4 | 3 | 7 | 2 | 6 | 8 | 5 | 1 | 9 |
| r9 | ・ | 1 | ・ | ・ | 3 | 7 | ・ | 6 | 8 |
S08は空欄が三十六個ある自作問題です。紹介した高度な手筋を全部使う総合試験ではなく、シングルによる確定と候補更新を繰り返す練習にしました。初期盤だけを見て解き、必要になったら途中の手順表を開いてください。手順は一つの進み方であり、同時に確定できる別のマスから始めても構いません。
最初にr1c2を七と確定すると、同じ第一行のr1c9から七が消え、五だけになります。ここで重要なのは、最初のマスを埋めたことよりも、その情報が同じ行へ伝わったことです。手順表では間にr1c7の三を確定していますが、r1c9を見つける根拠はすでに生じています。表の順番を唯一の正しい操作順と考えないでください。
さらにr1c9へ五が入ると、r1c4に残っていた一・五から五が消え、r1c6の二・五からも五が消えます。一つの確定で、二つの空欄がそれぞれ唯一候補になります。盤全体を毎回見直すより、まず確定場所と領域を共有するマスを調べる理由がここにあります。変化の起きた近くを優先すれば、同じ場所を無目的に何度も眺めずに済みます。
r2c3を五にしたところでは、r3c1が一・五から一へ変わり、遠くのr9c3も五・九から九へ変わります。前者は左上ブロックを介し、後者は第三列を介した変化です。距離が近いマスだけが関係するわけではありません。行・列・ブロックという三つのつながりを、確定のたびにたどる必要があります。
中盤では、変わった領域から次を探す
中盤になると、ある領域では候補がほとんど変わらず、別の領域で連続して確定が生じることがあります。行き詰まっていた場所をずっと見続けるより、直前の数字の影響先へ移るほうが有効です。どこを更新したかを小さな印で残し、その領域のシングルを確認したら印を外す方法なら、調べ忘れと同じ確認の繰返しを減らせます。
この手順の二十三手目でr3c9を四にすると、r3c7の四・六から四が消え、六と決まります。同じ第九列のr7c9では四・七から四が消え、七が残ります。片方は同じ行、もう片方は同じ列から生じる確定です。一つの手が二方向へ働く場面を見つけると、候補更新が単なる事務作業ではなく、次の答えを作る操作だと分かります。
二十九手目のr7c7を四にした後も、r7c4の四・五が五へ、r9c7の二・四が二へ変わります。ここでも表の次の行だけを見るのではなく、同じ数字が候補から消えた場所を確認してください。順番をなぞって数字を写すだけでは、別の問題で次の一手を見つける練習になりません。確定前と確定後の候補の差を説明することが、この一問の中心です。
全36手の確認表を見る
| 手 | マス | 確定数字 | 確認する根拠 |
|---|---|---|---|
| 1 | r1c2 | 7 | 唯一候補 |
| 2 | r1c7 | 3 | 唯一候補 |
| 3 | r1c9 | 5 | 唯一候補 |
| 4 | r1c4 | 1 | 唯一候補 |
| 5 | r1c6 | 2 | 唯一候補 |
| 6 | r2c3 | 5 | 唯一候補 |
| 7 | r3c1 | 1 | 唯一候補 |
| 8 | r3c5 | 9 | 唯一候補 |
| 9 | r3c6 | 5 | 唯一候補 |
| 10 | r4c1 | 8 | 唯一候補 |
| 11 | r4c2 | 4 | 唯一候補 |
| 12 | r4c8 | 5 | 唯一候補 |
| 13 | r5c5 | 4 | 唯一候補 |
| 14 | r5c4 | 8 | 唯一候補 |
| 15 | r5c6 | 6 | 唯一候補 |
| 16 | r5c8 | 2 | 唯一候補 |
| 17 | r5c9 | 1 | 唯一候補 |
| 18 | r6c1 | 9 | 唯一候補 |
| 19 | r6c4 | 7 | 唯一候補 |
| 20 | r6c6 | 3 | 唯一候補 |
| 21 | r6c8 | 4 | 唯一候補 |
| 22 | r3c8 | 7 | 唯一候補 |
| 23 | r3c9 | 4 | 唯一候補 |
| 24 | r3c7 | 6 | 唯一候補 |
| 25 | r6c7 | 8 | 唯一候補 |
| 26 | r7c2 | 6 | 唯一候補 |
| 27 | r7c6 | 9 | 唯一候補 |
| 28 | r7c3 | 8 | 唯一候補 |
| 29 | r7c7 | 4 | 唯一候補 |
| 30 | r7c4 | 5 | 唯一候補 |
| 31 | r7c8 | 3 | 唯一候補 |
| 32 | r7c9 | 7 | 唯一候補 |
| 33 | r9c1 | 5 | 唯一候補 |
| 34 | r9c3 | 9 | 唯一候補 |
| 35 | r9c4 | 4 | 唯一候補 |
| 36 | r9c7 | 2 | 唯一候補 |
手順表で途中の一手を見たら、いったん表から目を離し、自分の盤でその数字が入る理由を確かめましょう。表は正解を急いで埋めるためではなく、候補更新がどこで止まったかを探す補助です。自分の候補が表の根拠と一致しなければ、さらに次の答えを見る前に、その行・列・ブロックの状態を照合してください。
三種類の破綻を分けて、戻る場所を決める
一つ目の破綻は、空欄の候補がなくなることです。そのマスに入れられる数字が一つもないなら、そこまでの確定や削除に問題があります。ただし、その空欄自体を間違えたとは限りません。同じ領域に誤った数字を置いたため、最後の候補を奪った可能性があります。候補がなくなる直前に、どの確定や消去が作用したかを調べます。
二つ目は、同じ領域に同じ確定数字が重複することです。この場合は候補の細かな計算よりも、まず重複した二マスが初期数字か自分の書込みかを確認します。初期数字を消して帳尻を合わせず、自分が追加した側の理由を戻って調べてください。転記ミスで初期盤自体が違っている場合もあるので、元の問題との照合も有効です。
三つ目は、ある領域で特定の数字を置ける場所がなくなることです。各マスには候補が残っていても、その行に六を入れられるマスが一つもない、といった状態が起こり得ます。空欄ごとの候補数だけを見ていると見逃します。数字ごとの置き場所を調べる視点は、隠れた一か所を見つけるだけでなく、こうした破綻の検出にも役立ちます。
矛盾を見つけたら、最後に理由を説明できる状態まで戻ります。最後に書いた数字が必ず原因とは限らないので、単に一手だけ消して進み直すのではなく、その手の根拠に使った候補も確認してください。候補の手動削除を記録しておくと、誤ったペア判定から派生した複数の確定をまとめて取り消せます。根拠と結果のつながりを保つことが復旧を助けます。
未確定の二択を試す場合は、確定と同じ記号で書かず、仮定した場所と開始時点を別に残す必要があります。ただし、この記事のS08では推測は不要です。説明した範囲で進められないときは、まず候補更新やシングルの見落としを調べましょう。別の難しい問題で仮定を使うかどうかは、問題の難度や練習目的に合わせて選ぶ話であり、当てずっぽうを確定に混ぜる理由にはなりません。
完成は、埋まったことではなく条件を満たしたこと
S08の完成盤を見る
| c1 | c2 | c3 | c4 | c5 | c6 | c7 | c8 | c9 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| r1 | 6 | 7 | 4 | 1 | 8 | 2 | 3 | 9 | 5 |
| r2 | 3 | 9 | 5 | 6 | 7 | 4 | 1 | 8 | 2 |
| r3 | 1 | 8 | 2 | 3 | 9 | 5 | 6 | 7 | 4 |
| r4 | 8 | 4 | 6 | 9 | 2 | 1 | 7 | 5 | 3 |
| r5 | 7 | 5 | 3 | 8 | 4 | 6 | 9 | 2 | 1 |
| r6 | 9 | 2 | 1 | 7 | 5 | 3 | 8 | 4 | 6 |
| r7 | 2 | 6 | 8 | 5 | 1 | 9 | 4 | 3 | 7 |
| r8 | 4 | 3 | 7 | 2 | 6 | 8 | 5 | 1 | 9 |
| r9 | 5 | 1 | 9 | 4 | 3 | 7 | 2 | 6 | 8 |
すべての空欄が埋まったら、各行、各列、各ブロックを順に点検し、1から9までが一度ずつ現れることを確認します。初期手掛かりを途中で変更していないことも合わせて見ます。盤が数字でいっぱいでも、ルールに反した配置なら完成ではありません。最後の数マスは勢いで埋めやすいので、終盤ほど確認の単位を明確にしましょう。
解答が一つあることと、解答が一つしかないことは別です。手で完成盤を作れば、少なくとも一つの解があることは示せます。しかし、それだけで別の完成盤が存在しないことまでは証明できません。本記事の通常教材は一意解の探索検証を行っていますが、読者がまだ解けないという状態から、問題が多解だと推測することはできません。
練習を続けるときは、間違えた手筋の名前だけでなく、見落とした条件を一つ書き残すと役立ちます。たとえば「行全体を調べずに唯一とした」「二候補だと思ったマスに三つ目が残った」「消去元の候補まで削った」といった具体的な原因です。次の問題では、その条件を先に点検します。新しい手筋を増やす前に、いま使える推論の精度を上げる練習になります。
数独の面白さは、目の前の空欄がすぐに埋まらなくても、周囲の関係を調べることで一歩進めるところにあります。候補を作る、場所を数える、条件を満たしたときだけ消す、そして基本の確定へ戻る。この流れを自分の言葉で説明できれば、盤面の見え方が変わります。まずは一手の理由を確かめるところから、焦らず試してみてください。
別のパズルでも根拠を追う練習をしたい場合は、マインスイーパーの数字・旗・確定できない二択の解説も参考になります。数独の行・列の制約とは異なり、隣接マスの地雷数を使うゲームです。違うルールを混ぜず、それぞれの条件から判断する練習として読み分けてください。