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こんにちは。『脱会社員』脱サラを応援し続けるブログ、運営者の『なかびー』です。

売上総利益と営業利益の違いは、どこまでの費用を差し引いたかです。売上高から売上原価を引いたものが売上総利益。そこから販売費及び一般管理費を引くと、営業利益になります。どちらも、一定期間に事業が生んだ結果を見る数字ですが、その金額がそのまま銀行口座に残るわけではありません。

会社を辞めて商品を売る仕事を考えていると、仕入れた額と売れた分の原価、売上と実際の入金がずれることがあります。この記事では、同じ商品を100個仕入れ、60個売れた一か月を例に、二つの利益と、まだ売れていない商品、未回収の売上をつなぎます。

登場する個数、金額、取引相手と時期は、説明用の架空例です。実際の販売経験や一般的な価格・利益率を示すものではありません。例を単純にするため、期首在庫、返品、値引き、廃棄、消費税、減価償却、借入と営業外損益などは含めません。実際の計算や帳簿の処理は取引や会計方針によって異なるため、判断に迷う場合は税理士などに確認してください。

この架空例で追う数字

  • 仕入れ100個のうち、60個を販売し40個が残る
  • 売上60,000円から、売れた分の原価36,000円を引く
  • 売上総利益24,000円から販管費8,000円を引く
  • 営業利益16,000円と現金の増減は別に考える

売上総利益と営業利益は、引く費用の範囲が違う

商品箱と電卓の前に売上原価・販管費の札を置いた架空の写真

売上から、売った商品の原価を引く

売上高は、対象の期間に販売した商品や提供したサービスによる金額です。ここでは一か月に同じ商品を60個、一個1,000円で販売したとします。売上高は60個×1,000円で60,000円です。何個をいつ売ったかと、どれだけのお金がその月に振り込まれたかは別の確認です。

商品を一個600円で仕入れ、売れた60個にそれぞれ同じ600円の原価が対応するとします。60個分の売上原価は60×600円で36,000円です。売上高60,000円から売上原価36,000円を引いた24,000円が、この架空例の売上総利益です。粗利益、粗利と呼ばれることもあります。

この24,000円は、仕入れに対応する原価を引いた後の数字です。販売や管理に必要な費用をすべて引き終えた金額ではありません。たとえば、この後に必要な家賃や販売のための費用があるなら、24,000円をそのまま「自由に使えるお金」と考えることはできません。

販管費を引いた営業利益は、本業全体を見る数字

販売費及び一般管理費は、売上原価とは別に、販売や事業の管理のためにかかる費用です。何をどこに含めるかは取引や業種で異なります。ここでは、原価に含めない当月の販管費を合計8,000円と仮定します。実際の特定費用が必ずこの区分になるという意味ではありません。

売上総利益24,000円から販管費8,000円を引くと、営業利益は16,000円です。売上総利益と営業利益の差8,000円は、この例で同じ期間に計上した販管費です。利益の種類が二つあるから同じ費用を二度引くのではなく、24,000円からさらに8,000円を引き、次の段階の数字に進みます。

J-Net21の損益計画の書き方でも、売上高から売上原価を引く式と、そこから販管費を差し引く式が区別されています。計画の数字を使うときは、実績と見込み、期間、分類の前提を混ぜずに並べましょう。事業の計画全体を作る手順は、公開済みの事業計画書の書き方でも整理できます。

営業利益を、税引後の手取りと同じにしない

営業利益の後には、事業によって営業外の収益や費用、税金などを考える段階があります。例ではそれらを省いているため、16,000円は本業の計算段階の数字であり、税引後の最終利益でも、生活費として受け取れる金額でもありません。借入の返済や設備の購入を含む現金の動きも、この段階だけからは分かりません。

どの利益を使うかは、何を判断したいかによって変わります。商品の売上と原価の差を見るなら売上総利益、販売や管理の費用を加えて本業全体を確認するなら営業利益です。今月の支払いに現金が足りるかは、入金日と支払日を別に並べます。同じ「利益」という言葉だけで、三つの問いをまとめないことが大切です。

100個を仕入れ、売れた60個の原価を出す

出荷用の商品と残った箱を分けて見る架空の店の作業台

仕入れた数と、売上に対応する数を分ける

架空の例では、期首に在庫がない状態から同じ商品を100個仕入れ、仕入単価はすべて600円です。仕入額は100×600円で60,000円。月末までに60個を販売し、40個は未販売のまま残りました。購入時に60,000円を支払ったことと、当月に100個すべてが売れたことは同じではありません。

例には返品、破損、廃棄、追加仕入れがないと置いています。販売した60個に対応する仕入額は36,000円、残った40個の取得額は24,000円です。この二つを合わせると36,000円+24,000円=60,000円で、仕入れた商品の取得額に戻ります。実際は棚卸しで数量や状態を確かめ、評価や分類の方法を別途確認する必要があります。

売れていない40個分を、60個の売上に対応する原価へ単純に全額足すと、売上高60,000円から仕入額60,000円を引き、粗利が0円に見えてしまいます。しかし、この単純なモデルでは、40個分はまだ手元に残っています。売れた商品の原価と、残った商品の取得額を分けると、当月の販売から生じた差を追えるようになります。

この例の仕入れと販売は、次のように日付を分けて考えることもできます。月の初めには商品がなく、月の途中で100個を受け取り、同じ月に60個を引き渡しました。月末に数えた40個が、次の月の始めに持ち越されます。商品が売れた日時と、仕入れの請求書が届く日時、代金を支払う日時は、本来それぞれ別の事実です。

商品を受け取ったつもりで計画に100個と書いていても、実際の納品明細や数えた数量が異なれば、販売できる個数の見込みも変わります。この例では差がないと仮定しています。現実の差異は、どの取引のどの期間に属するのかを記録し、相手先との確認や会計処理をそれぞれ行います。個数の差を埋めるために、売上や原価の金額を根拠なく調整してはいけません。

同じ仕入単価という条件も、数字を追いやすくするためです。前の月に600円で仕入れた商品と、今月700円で仕入れた商品が混在する場合、「残り40個に600円を掛ければよい」とは決められません。実際にどのように棚卸資産を評価するかは、採用する方法と取引に合わせて確認します。金額を推測する前に、商品と仕入れの記録を対応させる準備が必要です。

期首・仕入・期末を使って原価を確かめる

小売商品の基本的な考え方として、期首の棚卸高に当期の仕入高を加え、期末の棚卸高を引いて売上原価を求める方法があります。この例では期首0円+当期仕入60,000円−期末24,000円=36,000円です。先ほどの60個×600円と一致します。数量と金額の二方向から確認できるのは、条件を単純に置いたからです。

期首に商品が残っていたり、仕入単価が途中で変わったり、販売以外の理由で在庫が減ったりすれば、この単価一つの計算をそのまま使えません。棚卸資産の評価方法や帳簿の扱いは、対象の事業や適用されるルールで確認します。例の24,000円は「棚にある物を必ずその額で換金できる」という意味でもありません。

同じ100個でも、未販売分を見落とすと、損益と資金の二つの見方を混同しがちです。仕入代金をすでに支払っていれば、現金は60,000円減っています。それでも、その全額が同じ期間に売れた商品の原価になったとは限りません。棚に残る40個を確認し、売った60個の原価とは別に記録します。

個数と円を、同じ行の中で混ぜない

棚に40個あることと、仕入れたときの取得額が24,000円であることは、別の情報です。販売価格を一個1,000円と置いたからといって、未販売40個をすでに40,000円の売上として計上しません。売れていない商品について、販売できるか、いつ入金されるかは未確定です。

帳簿や在庫表を準備する際は、「受け入れた個数」「販売した個数」「残った個数」の単位をそろえ、別の欄で単価と取得額を扱います。箱で仕入れて個数で売る場合は、一箱に何個含まれるかも明らかにします。数量の対応を間違えると、その後の利益計算だけを正しい式にしても結果がずれます。

※表は横にスクロールできます。

架空の商品の動きと取得額
区分 個数 取得額 この例での扱い
当月仕入れ 100個 60,000円 取得し代金を支払う
当月販売分 60個 36,000円 売上に対応する原価
未販売の残り 40個 24,000円 期末に残る在庫の取得額

粗利から販管費を引き、営業利益を計算する

電卓とレシートを並べて販管費を確かめる架空の机

二段階の引き算を、同じ期間でそろえる

売上総利益と営業利益を比べるときは、同じ一か月の売上、原価、販管費を使います。今月の売上60,000円に昨年一年分の家賃を足すなど、異なる期間の数字を混ぜると差の意味が分かりません。実績を見るのか、計画上の一か月を試算するのかも明示します。

この例の数字は、売上高60,000円、売上原価36,000円、売上総利益24,000円です。さらに、その月に発生した販管費を8,000円と仮定すると、営業利益は24,000円−8,000円=16,000円です。売上から直接計算すれば、60,000円−36,000円−8,000円でも同じ16,000円になります。二つの式で原価や販管費を重ねて引かないようにします。

販管費8,000円の中身は、ここでは特定の商品やサービスの実際の費用ではなく、集計済みの仮の合計です。現実の明細を作るときには、何の費用か、どの期間のものか、売上原価にすでに含めたものではないかを確認します。送料や人件費を例に挙げる場合も、取引内容や採用する処理によって扱いが変わりうるため、事業ごとに判断します。

※表は横にスクロールできます。

架空の一か月の二つの利益
段階 計算 金額 まだ含めていないもの
売上高 60個×1,000円 60,000円 原価と販管費を引く前
売上総利益 60,000円−36,000円 24,000円 販管費を引く前
営業利益 24,000円−8,000円 16,000円 営業外損益や税等を考える前

粗利がプラスでも、営業利益が残るとは限らない

売上総利益が24,000円でも、仮に同じ期間の販管費が30,000円だった場合、営業利益は24,000円−30,000円=マイナス6,000円になります。商品ごとには売価と原価の差があっても、事業の販売・管理費を支えるには足りない、という別の見え方です。これは元の8,000円の例とは異なる仮定であり、実際の費用が増えたという記録ではありません。

逆に販管費だけを下げることが、どの事業でも最善とはいえません。費用の内容によっては、安全な運営、必要な連絡、販売機会を支えるものがあります。どの費用を何のために使うかを確かめ、売上原価と重複していないか、期間の対応が合っているかを先に点検します。金額の変化だけから原因を決めつけないことも大切です。

販管費を整理する際は、総額だけでなく、いつ発生した費用かを残します。たとえば一年分をまとめて支払った契約がある場合、支払った日だけを見て、その全額を例の一か月の費用へ自動的に当てはめないことが必要です。実際の期間対応や処理方法は契約内容と会計上の扱いを確認してください。この例では、8,000円が同じ月に発生し、同じ月に支払われたという条件を最初から置いています。

数字を比較するための表には、見積もりと確定額を混ぜずに表示します。販管費8,000円が計画上の見込みなのか、当月の実績なのかで、次に調べることが異なります。見込みなら費用の根拠を確認し、実績なら請求書などとの対応を見ることになります。例の8,000円は説明用の仮定であり、どちらの事業実績でもありません。

率を見るときは、分母と金額を残す

この例の売上総利益率は24,000円÷60,000円×100で40%、営業利益率は16,000円÷60,000円×100で約26.7%です。どちらも同じ売上高を分母としますが、分子が違うため同じ率にはなりません。売上が0円の期間は、この式で割ることができず、率だけで比較しないようにします。

率が高いという数字だけでは、必要な支払いができるかや、生活費を確保できるかは分かりません。売上規模、販売数、費用の内容、回収の時期と一緒に見ます。上の率は架空の例を計算したもので、業界の平均や目標ではありません。

営業利益と現金の増減がずれる理由を追う

財布の硬貨と未回収の請求書を分けて並べた架空の写真

売上60,000円のうち、50,000円だけが入金された場合

当月に計上した売上60,000円のうち、50,000円は当月に回収し、残り10,000円は月末時点でまだ受け取っていないと仮定します。後で受け取る予定の10,000円は、この例の未回収の売上です。販売した事実と入金を同じ欄に書くと、どの金額がまだ口座に入っていないかが分かりません。

さらに、100個分の仕入代金60,000円と、当期に計上した販管費8,000円は、どちらも当月中に支払ったと置きます。他の入出金がなければ、当月の現金増減は50,000円−60,000円−8,000円=マイナス18,000円です。営業利益16,000円が出ていても、同じ期間の現金は18,000円減った、という架空の結果になります。

マイナス18,000円は、その月に現金がどれだけ増減したかであり、月末残高がマイナス18,000円という意味ではありません。たとえば、月初に30,000円あったという追加の仮定を置けば、月末は30,000円−18,000円=12,000円です。月初残高を知らなければ、月末にいくら残るかは計算できません。

残った在庫と未収が、差の理由になる

この単純化した例では、営業利益16,000円から、まだ売れていない在庫の増加24,000円と、売上に含まれる未回収10,000円を引くと、現金の増減マイナス18,000円になります。16,000円−24,000円−10,000円=マイナス18,000円です。これは、例に挙げた以外の資産や負債、入出金、非現金費用を置いていない場合の対応です。

在庫24,000円は、すでに仕入れの支払いに含まれています。ここでの差の説明は、現金計算からさらに二度支払うという意味ではありません。売上に対応する原価36,000円と、支払った仕入代金60,000円の差が、残った商品の取得額24,000円だとたどっています。同様に、未回収10,000円は、売上60,000円と入金50,000円の差です。

J-Net21の資金繰りの解説も、収益と収入、費用と支出が必ず一致するわけではないこと、在庫や未回収の売上が現金の時期へ影響することを説明しています。自分の事業では、期首・期末の残高、支払っていない費用、借入などがあれば、それぞれを加えて別に整理します。

この関係を、資産の変化からもう一度見ると分かりやすくなります。期首の在庫と売掛金がどちらも0円という例では、月末に、購入済みでまだ売れていない在庫の取得額24,000円と、売上に含まれる未回収10,000円が残ります。在庫と売掛金の増加は合わせて34,000円で、この単純な例では損益計算と現金増減の差を生みます。営業利益16,000円から34,000円を差し引くと、現金の増減はマイナス18,000円です。在庫24,000円を利益そのものとして計上したわけではありません。

この差額のつなぎ方は、例で省いたものがないときに限ります。未払の費用、前受金、借入、固定資産の購入、減価償却などがあれば、同じ二項目だけで現金増減を説明できません。また、この簡略図は正式なキャッシュ・フロー計算書を作る手順ではありません。資金繰りを考えるために、計算した利益と実際の入出金を混同しないための例です。

資金の予定を立てるときは、月の合計だけでなく、入金が遅れる前にどんな支払いが来るかも見ます。月末までに50,000円が入る予定でも、仕入れ60,000円の支払日がその前なら、入金までの期間を支える資金が必要です。入金予定と支払予定の順番を、金額と一緒に時系列で書き出すと、営業利益がプラスかどうかとは異なる判断ができます。

翌月の回収を、もう一度の売上にしない

翌月に、前月の未回収10,000円が全額振り込まれたとします。この入金は、前月に販売した商品の代金を回収したものです。前月の売上60,000円の一部が現金になったのであって、その回収だけで翌月にもう一度10,000円の商品を売ったことにはなりません。売上と回収の欄を分けると、二重に売上を数えずに済みます。

翌月に新たな販売、仕入れ、費用、借入などがあれば、それらも翌月の損益や現金予定に反映させます。前月の売掛回収だけを知っていても、翌月の営業利益や最終残高は分かりません。回収予定の日付と実際の入金日が違う場合も、予定を入金済みと書き換えず、実際に確認した状態を残します。

※表は横にスクロールできます。

架空例の利益と当月の現金を分ける
項目 損益の計算 当月の現金 差が生じた理由
売上 60,000円 入金50,000円 10,000円は未回収
商品 売れた分の原価36,000円 仕入支払60,000円 40個の取得額24,000円が残る
販管費 8,000円 支払8,000円 この例では発生と支払いが同月
結果 営業利益16,000円 増減マイナス18,000円 月末の現金残高とは別

販売数と入金時期を変え、計画に使う

商品と小さなカレンダーを並べ、販売数と入金時期を考える架空の写真

20個で営業損益がゼロになるのは、限定した前提のとき

一個の売価1,000円から、その個数に対応する原価600円を引くと、差は400円です。仮に、販管費8,000円がこの期間に販売数と関係なく一定で、ほかに販売数に応じて増える費用がないと置けば、8,000円÷400円=20個で、売上総利益と販管費が同額になります。その条件での営業損益は0円です。

この20個は、この架空例で前提を限定した損益上の計算です。個数に応じて販売手数料や包材費などが増える場合、売価を値引きする場合、追加の固定費がある場合には、同じ計算結果を使えません。商品ごとの費用をどう分類するかを含めて、前提を置き直します。実際の事業が20個売れば安全になる、という意味でもありません。

営業損益が0円でも、入金前に仕入れ代金や費用を支払うなら、必要な現金は別にあります。先ほどの例では、100個分の仕入れを当月に支払っています。20個だけ売れた場合の現金を知るには、売れた代金のうち当月にいくら回収したか、ほかの支払いがいつあるかも必要です。損益の分岐点と、口座残高が足りるかは別の質問です。

売上が変わったら、原価・在庫・回収も一緒に変える

仮に同じ100個のうち、月末までに40個だけを一個1,000円で販売した場合を考えます。単価と取得原価が同じなら、売上は40,000円、売れた分の原価は40×600円=24,000円、売上総利益は16,000円です。販管費が8,000円のままであれば、営業利益は8,000円になります。60個売った元の例とは、販売数以外の条件を揃えた比較です。

この40個販売の例では、100個のうち60個が未販売です。仕入単価600円という単純な前提のままなら、残る商品の取得額は36,000円。販売数を60から40へ減らしたのに、元の40個・24,000円を期末在庫として使い続けると、原価の対応が合いません。売上だけを下げず、販売個数、原価、期末の個数を同時に動かします。

ただし、この40個販売の例の当月入金額は、別途決めない限り不明です。すべて回収できた場合と一部が未回収の場合では、同じ売上40,000円でも現金増減が変わります。元の例の50,000円という入金額を流用しないようにします。支払日、回収日、期首の現金残高まで置いて初めて、現金の予定を一つ計算できます。

さらに、先ほどの「20個で損益がゼロ」の条件と、40個販売の例を比べてみましょう。40個販売なら売価と原価の差400円×40個=16,000円です。仮の固定販管費8,000円を引くと営業利益8,000円。20個では差400円×20個=8,000円で、同じ販管費を引くと0円になります。この差は、販管費が固定で、ほかに変動する費用がないと置いた結果です。

たとえば一個売るたびに別の費用が発生する場合、その費用を一個当たりの差からさらに考慮する必要があります。どの費用が固定、どの費用が販売数に応じて増えるかは、実際の契約や取引を見て判断します。営業利益の計算上どの項目へ分類するかと、販売数量の変化に伴っていくら増えるかという分析は、同じ質問ではありません。混ぜずに前提を示しましょう。

数量を増やしても、まだ売れない在庫が積み上がり、代金の回収が遅ければ、利益の計画と現金の余裕は同時に改善するとは限りません。販売数の目標を立てるときは、追加仕入れにいつ支払いが必要か、販売代金をいつ回収できるかも、別表へ書きます。販売数を増やすことを目的にするのではなく、その販売を支える在庫と資金も一緒に用意できるかを考えます。

翌月に残った40個を売った場合まで追う

元の60個販売の例から続け、翌月は残った40個をすべて一個1,000円で売り、代金40,000円も同じ月に受け取ったと仮定します。追加の仕入れや返品はありません。翌月の期首在庫は前月末の40個・24,000円、期末在庫は0個。翌月の売上原価は24,000円、売上総利益は40,000円−24,000円=16,000円です。

翌月の販管費を新たに8,000円計上し同月に支払ったという仮定を加えると、営業利益は16,000円−8,000円=8,000円です。前月の売上60,000円を翌月へ足したり、すでに前月の売上原価に含めた60個分36,000円を再び引いたりしません。前月末に残った40個に対応する取得額24,000円を、翌月の販売分として使います。

現金では、翌月販売の入金40,000円に、前月の未回収を受け取った10,000円を加え、販管費の支払い8,000円を引くと、増減はプラス42,000円です。翌月の営業利益8,000円に、前月から持ち越した在庫の減少24,000円と未回収の減少10,000円を加えても42,000円になります。追加仕入れなど他の動きがない、という条件付きの照合です。

この翌月の例は、残り40個が必ず翌月にすべて売れる、売価を維持できる、代金が予定どおり入るという予測ではありません。あくまで、前月末の在庫と未回収が翌月のどの数字へ移るかを確かめるための仮定です。自分の計画では、売れ残る場合、回収が遅れる場合、追加で仕入れる場合を分け、それぞれ別の条件で計算します。

仮に翌月の月初現金が前月末の12,000円で、上の入出金以外がなければ、月末は12,000円+42,000円=54,000円です。これは前月と翌月の二期間を通した架空の現金残高で、翌月の営業利益8,000円とは異なります。翌月の入金50,000円には、前月の売上の回収10,000円が含まれることが、この違いを読む鍵です。

同じように、翌月の売上40,000円がまだ全額未回収なら、その40,000円は現金の入金へ入れられません。前月分10,000円の回収と販管費の支払い8,000円だけなら、その二つによる増減はプラス2,000円です。ほかの入出金がなければ月初12,000円から月末14,000円になります。回収日を変えるだけで、同じ販売の損益とは違う資金の動きが見えます。

自分の計画へ入れるときは、数字の出所を分ける

計画表には、売価、販売予定数、仕入単価、期首の在庫、当期の仕入予定数、期末に残る予定数を記します。実際に確認した契約条件、見積もり、まだ仮に置いた販売数は、同じ確かさの情報ではありません。特に販売数は、希望する利益から逆算しただけなのか、実際に受けた注文に基づくのかを分けます。

次に、売上原価と販管費を同じ期間に対応させ、売上総利益と営業利益を計算します。資金繰りの欄には、実際に入金される予定日と支払予定日、月初の現金を並べます。同じ取引を二つの表で見るとき、売上計上日と回収予定日を区別し、翌月の回収を新しい売上へ二重計上しません。

計画は、一度作ったら確定するものではありません。売価が変わった、仕入れた数と実際の数量が違った、回収が遅れた、という事実が分かったら、その影響を受ける行を更新します。税金や実際の記帳方法を含む判断が必要な場合は、根拠資料と自分の取引内容を用意し、専門家へ相談してください。

まずは、売上高から売上原価を引いた売上総利益と、そこから販管費を引いた営業利益を、同じ期間で計算します。そのうえで、売れ残りと未回収を確認し、現金の入出金を別に見ます。どの数字が何を表しているかを分けることが、脱会社員後の事業を計画するときの最初の一歩です。