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こんにちは。「脱会社員」脱サラを応援し続けるブログ、運営者の「なかびー」です。

ドミニオンを開けたとき、カードの多さよりも戸惑いやすいのが「いま買ったカードはいつ使えるのか」「手札にアクションが2枚あれば両方出せるのか」という、目の前の小さな判断です。説明を一通り読めても、カードを動かす段階で止まってしまうことがあります。

この記事は、アナログの『ドミニオン:第二版』基本セットを2人で始めるための練習帳です。全カードを覚えることではなく、ひとつの処理を終えたあと、自分の手札・山札・捨て札がどうなっているかを確かめることを目標にします。スマホ版の操作、拡張セット独自の処理、必勝の購入順は対象にしていません。

掲載する場面はすべて説明用に作った架空の教材です。実際に遊んだ記録や勝率ではありません。特に山札の順番が指定された例は練習専用です。通常の対戦では適切にシャッフルし、見えないカードを確認してはいけません。カード固有の処理に迷ったら、手元の正しいカード文と公式ルールブックを優先してください。

目次
  1. 始める前に「自分のカード」と「共有のカード」を分ける
  2. 最初の2手番で、買ったカードが回ってくる流れをつかむ
  3. アクションは枚数より「残り回数」と順番を見る
  4. 買う・獲得する・捨てる・廃棄するを混ぜない
  5. 相手の手番では、攻撃の処理と確認の仕方をそろえる
  6. 終了の合図と得点を、別々に確かめる

始める前に「自分のカード」と「共有のカード」を分ける

自分のカード置き場と共有のカード置き場を分けて考える、初回準備の概念画像。

練習する範囲を2人・基本セットに固定する

初回は、説明の途中で拡張の話を混ぜないことが大切です。「この場合は別のカードもあって」と例外を増やすほど、いま机にあるカードとの対応が見えにくくなります。本稿では基本セットの2人戦に絞り、初回向けの組合せである地下貯蔵庫、市場、商人、民兵、鉱山、堀、改築、鍛冶屋、村、工房を使います。

最初に2人で決めておくと楽なのは、練習中は間違いに気づいた時点でいったん止まり、両者で確認する、という進め方です。これは競技上の巻き戻し規則ではありません。初回の教材をどう使うかの約束です。本番の対戦を始めてから一方的に購入を取り消すこととは分けてください。

勝ち負けをつける前に、下で紹介する最初の2手番だけを互いに説明しながら進める方法もあります。その場合は練習を終えてから全カードを戻し、新しい対戦として準備し直します。途中まで見た山札や相手の手札を、見ていないことにして続行する必要はありません。

配置は「手札・山札・場・捨て札・廃棄」の5か所

自分の近くに山札と捨て札を置き、その前をカードを使う場にすると、移動を追いやすくなります。廃棄置き場は自分の捨て札とは離してください。捨て札へ置いたカードはまた使う可能性がありますが、廃棄したカードは通常、自分のカードの循環から外れます。この2か所を隣り合わせにして混ぜると、あとで直すために必要な情報まで失われます。

説明用の紙に5つの区画を書き、カードを置く場所の目印にしても構いません。ただし紙に書くのは場所の名前だけで十分です。毎回すべてのカード名を記録しようとすると、ゲームそのものより記録が大変になります。練習では移動のたびに「どこから、どこへ」を声に出すくらいが扱いやすいでしょう。

たとえば「買った銀貨を捨て札へ」「使った銅貨はまだ場に置く」「使わなかった屋敷は終了時に捨て札へ」と言い分けます。「いらないからここに置く」という言い方は避けます。同じように置いているつもりでも、使用・獲得・捨てる・廃棄という違う処理を混同しやすいからです。

開始時の枚数を、小さな検算で確かめる

各自が最初に持つカードは銅貨7枚と屋敷3枚の計10枚です。シャッフルして5枚を手札にしたら、手札5枚、山札5枚で合計10枚になっているかを確認できます。この時点で捨て札や場にカードがあるなら、まだ開始準備が終わっていないか、置く場所を取り違えています。

共有の勝利点カードは、2人戦では屋敷・公領・属州をそれぞれ8枚ずつ用意します。最初に配った屋敷はこの8枚とは別です。呪いは10枚、通常の王国カードは各10枚です。開始用の屋敷を共有の8枚から抜いてしまうと、終了条件にも関係する山の残量が変わってしまいます。配布用と共有用を分けてから数えると、この誤りを避けやすくなります。

共有の財宝も準備します。基本セットに入っている銅貨60枚から2人の開始用14枚を除けば、共有分は46枚です。銀貨40枚と金貨30枚はすべて共有の山にします。勝利点カードと同じ8枚に揃える必要はありません。ランダマイザー用のカードは実際に購入するカードと混ぜず、箱から出したカードをすべてひとつにしてシャッフルしないようにします。

カードの数字は、読む場所で役割が異なります。銀貨は買うためのコストが3ですが、使ったときに生むお金は2です。金貨はコスト6、お金3です。屋敷はコスト2、勝利点1であり、屋敷を使ってお金1を得るわけではありません。値札、使用時のお金、終了時の点数を別々の数字として見ます。

確認練習として「銀貨2枚で公領を買えるか」を考えてみます。銀貨2枚が生むのは4のお金なので、コスト5の公領には届きません。銀貨のコスト3を2枚分足して6と計算するのは、購入済みカードの値札を支払い能力へ読み替えた誤りです。一方、屋敷が何枚手札にあっても、通常の購入で使えるお金にその勝利点を加算しません。この読み分けができてから初手へ進むと、あとで数字を追いやすくなります。

なお、机に並べるすべてのカードを「自分の山札」と呼ばないようにします。共有の購入候補はサプライ、自分が引く裏向きの束は山札です。「山がなくなった」という説明を聞いたとき、共有の属州なのか、自分の山札なのかで次の処理はまったく違います。

商人の古いカードを持っている場合

日本語版の初回生産分には、商人の表記に訂正があります。購入回数が増える表記ではなく、アクションが増える表記が正しいものです。ホビージャパンは2018年9月出荷の2刷目以降は修正済みと案内しています。古いセットを使う場合は公式の正誤表で確認してください。

これは戦略の違いではなく、処理する内容の違いです。古いカードをそのまま読んだ人と、修正後の説明を知っている人が同卓すると、一方が間違って覚えているように見えてしまいます。最初の準備で確認しておけば、手番の途中で説明が食い違うことを防げます。

最初の2手番で、買ったカードが回ってくる流れをつかむ

購入したカードがその後の山札の循環に入ることを学ぶ、カード移動の概念画像。

教材A:最初の手札が「銅貨4枚・屋敷1枚」の場合

ここからは1人のカードの動きを追います。開始時の10枚を、手札が銅貨4枚と屋敷1枚、山札が銅貨3枚と屋敷2枚になるように分けた練習です。相手への攻撃などは、この2手番の例には入れません。

最初の手札にアクションカードはありません。したがって、購入へ進んで銅貨4枚を場に出すと、この手番で使えるお金は4になります。ここでは3コストの銀貨を1枚買うことにします。残りのお金は1ですが、通常の購入回数は1回なので、残り1でさらに別のカードを買うことはできません。

銀貨は手札に加えるのではなく、捨て札へ置きます。ここが最初の重要な分岐です。買った銀貨をその場で使ってお金を増やしたり、屋敷と交換して手札を5枚に戻したりはしません。手札の屋敷1枚、場の銅貨4枚、捨て札の銀貨1枚、山札5枚で、いま自分が持つカードは計11枚です。

手番の終了処理で、使った銅貨4枚と手札に残った屋敷1枚も捨て札に置きます。そのあと山札の5枚を引くと、次の手札は銅貨3枚と屋敷2枚です。山札が空でも、この瞬間に捨て札を混ぜ直すわけではありません。次にカードを引く必要が生じるまで、空のままで構いません。

ここで「買った銀貨が次の手札に入らなかった。何か失敗した?」と感じるかもしれません。今回は、もともとの山札5枚をそのまま引いたので自然な結果です。カードを買うことと、すぐ手札へ来ることは別です。銀貨が働くのは、その後の循環で手札に来て、使ったときです。

教材B:2手番目にもう1枚の銀貨を買ったら

次の自分の手番では、手札の銅貨3枚を使って銀貨を1枚買います。新しい銀貨は捨て札へ置きます。手番終了時には、銅貨3枚と屋敷2枚も捨て札へ移します。この時点で山札は空、自分の12枚すべてが捨て札に集まります。

内訳を検算すると、銅貨7枚、屋敷3枚、銀貨2枚です。銅貨を支払いに使ったからといって共有の山へ返していないので、銅貨7枚は減っていません。一方、買った銀貨が2枚増えています。ここが「カードを支払って消費するゲーム」と考えた場合にずれやすいところです。

次の5枚を引くために、捨て札12枚をシャッフルして新しい山札にします。5枚引いたあとは、手札5枚と山札7枚です。手札に銀貨が来るかどうかはシャッフルの結果次第です。「銀貨を2枚買ったのだから、次は必ずお金が増える」とは限りません。

2つの購入を比べるときは、目的をひとつに絞る

最初の4のお金で鍛冶屋を買う例も考えられます。ただし、銀貨と鍛冶屋のどちらが常に正解かを、この手札だけから決めることはできません。銀貨は手札に来たときのお金に直接関わり、鍛冶屋はカードを引く働きに関わります。サプライや、その後に持つカードで使いやすさも変わります。

初回練習で比べるなら、「どちらが勝てるか」ではなく「同じ12枚の中で、何を引いたら何ができるか」に焦点を当てます。銀貨2枚ならアクションの順序を考える場面は少なくなります。銀貨と鍛冶屋なら、アクションを使ってから購入へ進む手順を練習できます。これは教材としての違いであり、勝率の優劣ではありません。

対戦後に購入を振り返る場合も、結果だけから理由を作らないようにします。たまたま銀貨が同時に来なかった1回をもって「銀貨は弱い」としたり、鍛冶屋で好都合な3枚を引いた1回をもって「必ず強い」としたりはできません。購入時に何を期待し、実際にいつ手札へ来て、何ができたかを分けるほうが、次の対戦につながります。

山札が途中で足りなくなったら、残っているカードを先に保つ

別の短い教材を考えます。次に5枚引く必要があり、山札には2枚、捨て札には8枚ある状態です。引く5枚のすべてを新しいシャッフルに任せるのではありません。元の山札にある2枚はそのまま引かれる位置にあり、不足する3枚を、捨て札を混ぜた束から補います。

この違いを確かめるには、練習用の紙片に「先の1枚」「先の2枚」と書き、残り8枚は別の印にするとわかりやすくなります。先の2枚まで一緒に混ぜると、まだ山札に残っていた順番を変えてしまうことが見て取れます。実際のカードを表向きにして対戦する勧めではなく、シャッフルの範囲を理解するための机上練習です。

また、山札も捨て札も合わせて5枚に満たない特殊な局面なら、存在しないカードを作って補うことはできません。引ける分だけ処理します。「いつでも手札は必ず5枚」と覚えるのではなく、通常の終了時には5枚を引こうとする、と理解すると混乱を減らせます。

アクションは枚数より「残り回数」と順番を見る

カードを使う順番と残りのアクション回数を確かめる学習場面の概念画像。

教材C:村と鍛冶屋を両方持っているとき

手札を村、鍛冶屋、銅貨2枚、屋敷1枚とします。山札の上からは銅貨、銀貨、銅貨、屋敷の順で引けると指定した練習です。通常のアクション回数は1から始まります。

先に村を使うと、使うために1回を消費し、いったん残りは0回になります。カードの上から順に処理して、まず銅貨を1枚引き、そのあとアクションを2回増やすので残りは2回です。手札は鍛冶屋、銅貨3枚、屋敷1枚になります。村は手札ではなく場にあります。

続けて鍛冶屋を使うと、残りのアクションは1回になり、指定された次の3枚である銀貨、銅貨、屋敷を引きます。最終的な手札は銅貨4枚、銀貨1枚、屋敷2枚の7枚です。場には村と鍛冶屋があります。購入へ進み、財宝を使えばお金は6になります。

この教材の検算は、手札が7枚になっていても間違いではない、という点にもあります。開始時の5枚から村と鍛冶屋を場へ移し、合計4枚引いたので、5−2+4で7枚です。5枚に戻すために屋敷を勝手に捨てる必要はありません。

同じ手札で、鍛冶屋から先に出した場合

今度は同じ手札・同じ山札順で、最初に鍛冶屋を使います。使える1回を消費し、銅貨、銀貨、銅貨の3枚を引きます。手札には村が残っていますが、残りのアクションは0です。手札に村があるだけでは、村を使う許可は増えません。

このまま購入へ進めば、銅貨4枚と銀貨1枚でお金は6です。先ほどの順番と、この教材では買い物に使えるお金が同じになります。しかし処理が同じだったわけではありません。村を先に使った場合は、さらに山札の屋敷1枚まで引いており、山札に残る枚数や手札にあるカードが違います。

ここから「順番はどちらでもよい」と結論づけないことが大切です。この指定例では、追加で引いたカードがお金にならない屋敷だったため、偶然お金が同じになっています。山札の4枚目が別のカードなら、購入までの結果が変わる可能性があります。ただし、そのカードを事前に覗いて順番を選んでよいという意味ではありません。

学ぶべきことは、結果の数字だけで処理の正しさを判断しないことです。今回の先村は両方を使え、先鍛冶屋は村を使えません。カードを使った事実、残り回数、引いた範囲を追うことで、同じ6のお金の裏にある違いがわかります。

商人は「銀貨が何枚あるか」と「最初の銀貨」を分ける

手札を商人、銀貨2枚、銅貨1枚、屋敷1枚とし、商人で引く次の1枚を銅貨とします。商人を使ったあと、購入で銀貨2枚と銅貨2枚を使うと、財宝の通常分は2+2+1+1で6です。商人による加算は、この手番で最初に使う銀貨に対して1なので、合計は7になります。

間違えやすい計算は、銀貨が2枚あるから両方に1ずつ加えて8とすることです。商人1枚の効果を、銀貨の枚数だけ繰り返すわけではありません。自分で確認するときは、銀貨の通常のお金と、商人による追加分を別の行で数えると混ざりにくくなります。

この例では、商人を使ったあとアクション回数が維持されることと、銀貨の追加分が発生することも別々の働きです。「商人を使ったから買える枚数も増えた」とまとめて覚えないでください。前の章の日本語初版の誤植を確認しておく意味が、ここでも出てきます。

市場で購入が増えても、お金を二重には使えない

手札を市場、銀貨2枚、銅貨、屋敷とし、市場で引くカードを屋敷とします。市場を使ってから財宝を使うと、銀貨2枚と銅貨で5、市場の分を合わせて6のお金になり、購入は2回になります。この6を2回それぞれ使えるのではなく、2つの買い物に配分します。

銀貨を2枚買うなら、3と3で6を使い切ります。鍛冶屋と堀なら、4と2で同じく6です。金貨1枚だけを6で買い、残りの購入を使わずに終えることもできます。市場で購入が増えたから、必ず2枚取らなければならないわけではありません。

この教材では、選んだ2枚が今後の自分の山札へ入ることまで考えます。銀貨2枚と鍛冶屋・堀では、財宝カードが増えるか、アクションカードが増えるかが異なります。どちらが強いかをこの例だけで決めず、まず購入回数と合計金額の両方を満たしているか確認します。「6までのカードを2枚」ではなく「2回まで、合計6の範囲」と説明できれば、この練習の目的は達成です。

記憶ではなく、その手番の残りを管理する

慣れるまでは、お金・購入回数・アクション回数を、紙に別々に書く方法が使えます。たとえば「アクション2、購入1、お金0」という状態から鍛冶屋を使ったら、まずアクションだけを1にします。引いたカードは、引いただけで財宝のお金が発生したことにはしません。

紙に書く場合も、前の手番の数字を残さない工夫が必要です。次の手番になったら通常の初期値へ戻す欄を作るか、その手番の欄を線で区切ってください。余ったお金や使わなかった購入回数を、次の自分の番に持ち越す仕組みとして扱わないためです。

一方で、毎回すべての数値を説明し直す必要はありません。間違いが起きたときに戻れる程度に区切れれば十分です。「村を使って残り2」「鍛冶屋を使って残り1」「購入に進む」と節目で確認するほうが、カードを1枚動かすたびに最初から数えるより流れをつかめます。

買う・獲得する・捨てる・廃棄するを混ぜない

捨て札と廃棄の置き場を離し、カードの行き先を区別する概念画像。

教材D:工房で得る1枚と、その後の買い物

手札に工房、銅貨3枚、屋敷1枚があるとします。工房を使い、条件に合う銀貨を1枚獲得して捨て札へ置く練習です。ここでは銅貨を支払いに使っていません。工房の処理によってカードを得たのであって、購入の1回を使ったわけではないからです。

その後、購入へ進んで手札の銅貨3枚を使えば、別の銀貨を1枚買うことができます。この手番では銀貨が合計2枚増えます。ただし、2枚とも直ちに手札へ入って使えるわけではありません。どちらも通常の獲得先である捨て札にある、という位置まで確認します。

このケースを「購入が2回できた」と説明すると、あとで別のカードに出会ったときに混乱します。工房による獲得が1枚、購入による獲得が1枚です。同じくカードが増える結果でも、通った手順が違います。結果だけをまとめずに言い分けることが、例外への近道になります。

教材E:改築は、お金の額ではなくカードのコストを見る

手札を改築、屋敷、銅貨3枚とします。改築で屋敷を廃棄し、そのコストを基準にして鍛冶屋を獲得する練習です。屋敷のコストは2、鍛冶屋のコストは4なので、差は2です。屋敷の勝利点や、手札の銅貨3枚の合計を足して計算する場面ではありません。

処理後は、改築が場、屋敷が廃棄置き場、鍛冶屋が捨て札、銅貨3枚が手札にあります。自分のカードは1枚減って1枚増えたので、改築の処理だけなら総枚数は変わりません。その後に銀貨を買えば、買った分だけ総枚数が増えます。

廃棄した屋敷を自分の捨て札に置いてしまうと、「屋敷も残り、鍛冶屋も増える」という別の処理になります。逆に鍛冶屋を手札へ置くと、その手番に使えると勘違いする原因になります。この教材は、選ぶカードの条件だけでなく、2枚の移動先を確かめるためのものです。

教材F:鉱山は、新しい財宝の行き先が違う

手札を鉱山、銅貨、銀貨、屋敷2枚とします。鉱山の処理で銅貨を廃棄し、銀貨を手札に得る練習です。処理が終わると手札の財宝は銀貨2枚になります。購入へ進んでその2枚を使えば、お金は4です。

前の改築や工房と同じように、新しい銀貨を捨て札へ置くと、この手番のお金が変わってしまいます。鉱山では、得た財宝を手札に置くというカード固有の指示があります。「買ったカードは捨て札」という最初の学習だけを、すべての獲得に広げないことが大切です。

同じく銅貨を銀貨に変えるように見えても、使ったカードによって条件と置き場所が違います。名前の印象で覚えるより、何を手放し、何を得て、どこへ置くのかを一組で読みます。今回は銅貨1枚を失い銀貨1枚を得たので、鉱山の処理によって自分の総枚数は増えていません。

獲得例の置き場所を比較(横にスクロールできます)

本稿の教材 手放すカード 得るカードの置き場所 通常の購入回数
工房で銀貨を獲得 なし 捨て札 消費しない
改築で屋敷→鍛冶屋 屋敷を廃棄 捨て札 消費しない
鉱山で銅貨→銀貨 銅貨を廃棄 手札 消費しない

地下貯蔵庫は、引く前に捨てる枚数を決める

手札を地下貯蔵庫、屋敷2枚、銅貨2枚とします。地下貯蔵庫を場へ出したあと、屋敷2枚をまとめて捨て、代わりに2枚引く練習です。指定された次の2枚が銀貨と銅貨なら、処理後の手札は銀貨1枚、銅貨3枚の計4枚です。場にある地下貯蔵庫を、手札から捨てる1枚に数えることはできません。

また、屋敷を1枚捨てて1枚引き、その結果を見てから2枚目を捨てるか選び直す処理ではありません。先に捨てるカードを決め、その枚数だけ引きます。ここでは結果の銀貨を知っているのは教材だからであり、実際の選択時には次のカードがわからないことも含めて判断します。

この例の枚数は、最初の5枚から地下貯蔵庫を使って4枚、屋敷を2枚捨てて2枚、2枚引いて4枚です。お金は銀貨2と銅貨3で5になります。地下貯蔵庫の使用と引き直しを終えたあと、手札が5枚でないことを間違いだと判断しないようにします。

0コストでも「何でも好きなだけ」ではない

銅貨はコスト0ですが、通常の購入で取るなら購入回数を使います。お金が余らない場合でも、残りの購入回数がなければ追加では買えません。「無料」と「回数を使わない」は別です。

また、取れるから必ず取るべきだという意味でもありません。カードが1枚増えると、以後の山札にその1枚が入ります。初回の学習では、銅貨を取るたびに「この1枚は、あとでどのカードと同じ5枚に入るのだろう」と考えるだけで、手札を強くすることと総枚数を増やすことの違いが見えてきます。

ただし、これを「銅貨は絶対に取ってはいけない」という禁止則に変える必要はありません。この記事は特定のサプライに対する最適戦略を計算したものではありません。購入できる条件と、購入したい理由を分けて考える練習として使ってください。

相手の手番では、攻撃の処理と確認の仕方をそろえる

2人がカードの処理を一緒に確認しながら遊ぶ、相手の手番の概念画像。

教材G:民兵を受けた側は何を残すか

相手が民兵を使い、自分の手札が銀貨、銅貨2枚、屋敷2枚だったとします。手札を3枚にする場面では、ここでは屋敷2枚を捨て、銀貨と銅貨2枚を残す選択を教材にします。捨てた屋敷は廃棄ではありません。自分の捨て札へ移動します。

この選択では、次の自分の購入で使える財宝を残しています。しかし、あらゆる場面で屋敷から捨てれば最善、と一般化する教材ではありません。アクションや別のカードが含まれれば、その後にできることも変わります。まずは、何枚を残す必要があり、どの3枚を残したかを確実に処理することが先です。

攻撃を受けたからといって、相手の民兵を自分の捨て札へ受け取るわけではありません。相手の場にあるカードと、自分が捨てるカードを混ぜないようにします。2人で机を囲むときは、共有の廃棄置き場を除き、自分のカードを動かす範囲を決めておくと取り違えにくくなります。

教材H:堀を見せることと、堀を使うことは別

攻撃を受ける側の手札を堀、銀貨、銅貨2枚、屋敷とします。攻撃者の手札は、民兵を出す前に民兵、銅貨3枚、屋敷だったとします。攻撃への反応として堀を公開して防ぐ場合、堀を通常のアクションとして使ってカードを引く処理とは分けます。公開しただけで、堀のカードを引く効果まで同時に処理するわけではありません。

反応を終えた直後、守った側の手札は元の5枚のままで、屋敷も捨てていません。攻撃者の場には民兵があり、手札には銅貨3枚と屋敷が残ります。堀は相手の民兵を無効化して場から戻すカードではないため、攻撃者がお金2を得る部分まで取り消すわけではありません。攻撃者がそのあと銅貨3枚を使えば、お金は合計5になります。これは攻撃と自分の利益を別々に確認する教材です。

練習では「民兵への反応で堀を公開します」と言い、カードを相手に確認してもらってから手札へ戻すと意図が伝わります。場へ置いたままにすると、自分の次の手番で使ったカードなのか、公開中のカードなのかが曖昧になります。確認したあとの置き場所まで揃えてください。

堀を持っていたことがわかっても、相手が自分の残りの手札をすべて見てよいわけではありません。初回の公開練習と、通常の非公開情報を保つ対戦を分ける意味が、ここにもあります。

相手の情報を見てよい範囲を、練習の都合で広げない

通常の対戦では、山札や捨て札を自由に調べて中身を確かめるものではありません。この記事の手札や引き順の表示は、説明のために作った部分局面の教材だからできるものです。「本文で確認していたから実戦でも見てよい」とは考えないでください。ルール上の公開情報と、自分が記憶している情報も別です。

相手に質問するときは「次に銀貨を引く?」ではなく、「いまアクションの処理は終わった?」のように、進行の確認から始めると適切です。答えを得るために見えない情報を求めず、現在どの段階にいるかを確認します。

処理を忘れたときは、覚えている事実から整理する

初回は、使ったカードをすぐ捨て札へ重ねてしまい、何をしたかわからなくなることがあります。そうならないよう、手番の途中は使ったカードを場に残し、終了時に片づけます。これは相手を疑うためではなく、自分も処理を追えるようにするためです。

もし途中で間違いが疑われたら、まずカードを動かすのを止めます。「いま手札が何枚」「場に何がある」「購入はもうしたか」のように、2人で確認できる事実を出します。見ていない山札の順を想像して、正しかったことにしないでください。

どこまで巻き戻せるかは、見えてしまった情報や卓の約束によって変わります。本稿では競技上の裁定を定めません。初回の練習なら、そのケースをそこで区切って正しい配置を作り直すほうが、曖昧な修正で勝敗を続けるより学習に役立つこともあります。

終了の合図と得点を、別々に確かめる

ゲームの終了条件を確かめたあと得点を数える、終局と採点の概念画像。

教材I:最後の属州を取ったら、先に「いつ終わるか」を確認

基本セットの終了条件には、属州の山が空になること、またはサプライの3つの山が空になることがあります。条件が満たされたら、その手番の終了時にゲームが終わります。「最後の属州を取った人がその瞬間に勝ち」とは限りません。

ここでは、属州の残りが1枚で、自分がそれを購入したケースを考えます。終了条件は満たしましたが、勝敗を決めるのは得点です。取った属州は自分の得点に加わります。一方、それまで相手がどれだけ勝利点を持っていたかによっては、自分が最後を取っても負けることがあります。

「あと1枚なら取るべきか」という戦略判断と、「取った結果どの時点で終了するか」というルール確認は分けます。前者には点数の見積もりや相手の状況が必要です。後者を理解するために、勝てる買い物だったかを先に決める必要はありません。

教材J:属州が残っていても、3山が空なら終わり得る

サプライで村と工房の山がすでに空で、堀が残り1枚だとします。手番中に最後の堀が取られれば、空の山が3つになります。この例では属州がまだ残っていても、終了条件に到達します。

注意したいのは、自分の山札が空になったことを、この「空の山」に数えないことです。第2章で山札が空になったときは、必要に応じて捨て札をシャッフルして続けました。終了条件で数えるのは共有のサプライの山です。同じ「山」という言葉でも、場所が違います。

練習では、空になった共有の場所をすぐ詰めて消さず、どの山がなくなったかわかるようにしておくと確認しやすくなります。終了条件を誰かの記憶だけに任せるより、全員が見える配置で確かめるための工夫です。

教材K:場所をまたいで集め、種類ごとに点数を数える

ゲームが終わったら、手札にある勝利点だけを数えないようにします。山札、捨て札、場など、自分が所有しているカードを集めます。廃棄したカードは自分の得点には含めません。どこにあるかと、誰のカードかを確かめてから計算します。

自分の内訳が属州3枚、公領2枚、屋敷3枚、呪い1枚なら、18+6+3−1で26点です。相手が属州4枚、公領0枚、屋敷3枚、呪い0枚なら、24+3で27点です。この例では、属州の枚数だけでも結果は同じ方向ですが、点差は1しかありません。公領や屋敷を省略すると、実際の点差がわからなくなります。

次に、相手が属州3枚、公領1枚、屋敷4枚、呪い0枚なら、18+3+4で25点です。属州が同じ3枚でも、自分の26点が上回ります。これも特定の購入方針を推奨するためではなく、すべての得点要素を確認する練習です。

たとえば自分が途中で屋敷を1枚廃棄していた場合、その廃棄済みの1枚を誤って集めると、26点を27点と数えてしまいます。上の相手Aとの例では、負けが見かけ上の同点に変わります。足し算が正確でも、集める対象が違えば判定が変わるため、合計より先に所有範囲を確認します。

計算が合わないときは、頭の中で繰り返すより、種類ごとに分けて1か所ずつ再計算します。カードを別の人の束へ戻す前に確認しておくと、どの内訳だったかを再現できます。

同点は手番数まで確認し、経験の感想と勝敗を混ぜない

得点が同じなら、行った手番数の少ないプレイヤーが勝ちます。手番数も同じなら同点の勝者です。先手か後手かだけで機械的に決めず、どちらの手番で終わったかを確認してください。

たとえば先手の手番で終われば、先手が1回多く手番を行っている場合があります。同点だったときに「最後のカードを取ったから」「先手だから」という理由へ置き換えないことが大切です。初回は、最後に誰の手番だったかを片づける前に確認すると迷いにくくなります。

負けたとしても、手順を止めずに進められた、捨て札と廃棄を混ぜなかった、アクションの残り回数を自分で数えられたなら、初回の学習としては成果があります。勝敗の感想と、覚えた処理を分けて振り返ると、次に練習したい点が具体的になります。

次の1局で試すことを、ひとつだけ選ぶ

もう1局遊ぶなら、変える要素は少なくすると比較しやすくなります。同じ王国カードで続け、今回は「アクションを先に出す順番を考える」、次は「買ったカードが何手番後に使えたかを意識する」と、ひとつの観察点を選びます。毎回サプライも購入方針もすべて変えると、何が結果に影響したかを整理しにくくなります。

記録する場合は、対戦中の隠れた情報を確認するのではなく、終了後に覚えている範囲で「使う前に購入へ進んでしまった」「工房の獲得と購入を分けて処理できた」と短く残せば十分です。実際には確認していない引き順や、相手の意図まで書き足す必要はありません。

参考:ルールの照合日は2026年10月17日。基本第二版の英語公式ルールと、日本語版販売元の正誤表を参照しています。教材の手札・指定順序・計算例・練習方法は本稿の作例です。拡張の例外やデジタル版の独自操作を網羅した資料ではありません。

別の2人用ボードゲームでも局面を追って練習したい方は、バックギャモンの出目・ヒット・上がり方を練習する記事も参考になります。ドミニオンとは別のゲームなので、それぞれのルールを分けて確認してください。