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こんにちは。『脱会社員』脱サラを応援し続けるブログ、運営者の『なかびー』です。

Excelで「一定額以上なら確認する」「入力されていなければ結果を出さない」といった処理をしたいとき、入口になるのがIF関数です。式を丸暗記するより、何を調べて、条件に合う場合と合わない場合に何を返すかを先に決めると、仕事の表に置き換えやすくなります。

この記事では、架空の受注台帳を使い、IF関数の基本、空欄とゼロの扱い、AND・ORによる複数条件、三段階の判定、コピー後の点検までを順番に練習します。色を付ける操作や別表から値を検索する操作ではなく、一行ごとの入力から判定結果を作ることが今回の目的です。事務作業や副業の納品物に使う前に、小さな表で確かめていきましょう。

解説は2026年10月4日にMicrosoftの公式資料を確認して作成しています。基本式を中心に扱い、表示位置や名称は利用する版・OS・設定で異なります。掲載データと金額基準はすべて練習用で、実際の取引先や業務規程を表しません。画像は作業の考え方を伝える生成イメージで、Excelの操作画面ではありません。

目次
  1. IF関数の基本をつかむ|条件と二つの結果を先に決める
  2. 空欄・ゼロ・文字を見分ける|未入力を通常扱いにしない
  3. AND・ORで複数条件を扱う|すべてか、どれかを明確にする
  4. 三段階の判定を組み立てる|条件の順序と境界を検算する
  5. うまく動かない式を点検する|コピー・検算・引き継ぎまで仕上げる

IF関数の基本をつかむ|条件と二つの結果を先に決める

判定のルールを決める:表計算の判断手順を説明する生成イメージ

IFは一つの質問に対して結果を分ける関数

IF関数は、条件が成り立つときと、成り立たないときで返す値を変える関数です。MicrosoftのIF関数の説明で基本構文を確認できます。この記事では三つの場所を省略せず、=IF(条件,条件に合う場合の結果,条件に合わない場合の結果)という形で考えます。条件は「はい・いいえ」で判断できる質問にします。

たとえば「受注額が30,000円以上なら確認対象にする」というルールなら、条件は受注額が30,000以上か、真の場合は「確認」、偽の場合は「通常」です。ここで大切なのは「高額なら」という曖昧な表現を残さないことです。30,000円ちょうどを含むのか、税込か税抜か、取消済みの受注も対象なのかを人が決めてから式にします。

IFは業務ルールの正しさまで判断してくれません。条件を逆に書いても、Excelが計算できる文法なら結果は表示されます。「エラーが出ていない」と「目的に合っている」は別の確認項目です。最初に日本語のルールを書き、その横に期待する結果を手で用意しておくと、完成後に比較できます。

八行の受注台帳を入力して準備する

新しい練習用シートを作り、A1に「受注番号」、B1に「受注額」、C1に「状態」と入力します。A2:C9には次の八行を置きます。B7は何も入力せず空のままにしてください。D1以降は判定結果の列として使い、元の受注額を上書きしない構成にします。表にある「未入力」は説明用の表記で、B7へ文字として入れません。

※表は横にスクロールできます。

Excelの行A列:受注番号B列:受注額C列:状態
2T10142000確定
3T10230000確定
4T10329999確定
5T10418000保留
6T1050確定
7T106未入力(セルを空にする)保留
8T10765000取消
9T10812000確定

元データの列は、数字と単位を分けます。B2には「42000円」と入れず、数値の42000を入力します。見た目に桁区切りや円の表示が必要なら、入力したあとに表示形式を調整します。受注番号は計算対象ではないため文字を含んで構いません。どの列を数量として扱い、どの列を識別子として扱うかを混ぜないことが、条件式の前提になります。

D1を「金額判定」にし、D2へ=IF(B2>=30000,"確認","通常")を入れます。B2が42000なので、D2の期待結果は「確認」です。続いてD3にはB3を参照する式を入れれば、30000ちょうどでも「確認」になります。29999の行は「通常」です。この三行だけで、以上の記号と境界の扱いを確認できます。

数値・文字・セル参照の書き方を区別する

「確認」のように返したい文字は半角のダブルクォーテーションで囲みます。30000のような数値は引用符で囲まずに使います。B2はセル参照なので、これも文字のように囲みません。"B2"と書くとセルの内容を読ませる意図と変わってしまいます。入力するのはセル番地なのか、そのまま表示したい言葉なのかを見分けましょう。

比較記号にも意味の違いがあります。>=は以上、>はより大きい、<=は以下、<はより小さいです。等しいなら=、等しくないなら<>を使います。「30,000円を超えたら」と「30,000円以上なら」は同じ式になりません。依頼者の説明に両方の言葉が混じっていたら、式を作る前に基準を確認します。

日本語入力中の全角かっこ、全角のカンマ、曲がった引用符が混じると、貼り付けた式をそのまま使えない場合があります。この記事の式は半角記号を使っています。入力環境によって引数の区切り記号が違う場合は、Excelの関数入力の案内に合わせてください。数式バーに表示される文字を読み、見た目が似た記号を一つずつ確認します。

最初の一本を確かめてから下へコピーする

D2の式が期待どおりならD9までコピーします。下へ一行コピーしたとき、B2はB3に変わり、その行の受注額を参照します。コピー元で正しい結果が出たからといって、最後の行も正しいとは限りません。D2、途中のD5、末尾のD9を選び、数式バーの行番号が対応していることを確認します。

この段階の単純な式は、未入力を業務上の保留として扱っていません。B7が空の行にも何らかの判定が出るため、その結果を完成版とは考えないでください。八行すべてに「確認」か「通常」が出たことより、入力がない行をどう扱うべきかに気づくことが重要です。次の章で入力状態を先に判断する形に直します。

操作を戻しやすくするため、練習中は「基本判定」「入力状態を含む判定」を隣の別列に作って比べても構いません。比較が終わったら、残す式と説明を決めます。意味の同じ判定列をいくつも残して一方だけ修正すると、後からどれが正式版か分からなくなるので、完成時の列名も整理しましょう。

空欄・ゼロ・文字を見分ける|未入力を通常扱いにしない

空欄とゼロを分ける:表計算の判断手順を説明する生成イメージ

空欄を先に調べる入れ子のIFを作る

受注額がまだ決まっていない行と、金額がゼロと確定した行では、次の対応が違います。B7のような未入力に「通常」と出ると、確認済みの金額と取り違えるおそれがあります。そこで、最初に空欄かどうかを調べ、空欄なら「未入力」、入力があれば金額を判定する二段構えにします。

E1を「入力確認つき判定」とし、E2へ=IF(B2="","未入力",IF(B2>=30000,"確認","通常"))を入れます。外側のIFがB2の空欄を調べ、空欄でない場合だけ内側のIFで金額を分ける読み方です。E9までコピーしたら、T106は「未入力」、T105は「通常」になることを確認します。ゼロを消して見せる書式を使っている場合も、数式バーの値を見て区別します。

MicrosoftにはIFでセルの空白を調べる説明があります。空欄をチェックしてから計算する考え方は、金額以外にも応用できます。たとえば作業時間が未入力なのに報酬をゼロと出す表を避けたいときも、必要な入力がそろったかを先に判定します。ただし、何を未入力とみなすかは表の目的に合わせて決めます。

空のセルと空文字、スペースの違いを試す

何も入力していないセル、数式が""を返しているセル、スペースだけを入力したセルは、画面で似て見えても同じ状態ではありません。空のセルそのものを調べるISBLANKと、B2=""という比較は、数式があるセルで違いが出ます。表示が空に見えるからといって、元の式や入力の存在まで消えたわけではありません。

練習表と別の場所に、何もないセル、=""を入力したセル、半角スペース一つを入れたセル、数値0を入れたセルを作り、それぞれに=ISBLANK(対象セル)と=対象セル=""を試します。数式を置いたセルはISBLANKでは空ではなく、空文字との比較では一致します。スペースは文字なので、空文字とは一致しません。

この違いを知らずに未入力判定を広げると、「スペースを入れてしまった行だけ通常扱い」「他の数式で空表示にした行だけ未入力扱い」といった差が生まれます。入力のルールにスペースを許す必要がなければ、元データを点検して修正する方が説明しやすいでしょう。見えない文字を無条件に削除する式を追加する前に、入力経路と元の値を確認します。

※表は横にスクロールできます。

B列の状態意味今回の表での扱い点検方法
何も入力していない金額が未確定未入力として止める数式バーと空欄判定を見る
数値の0金額ゼロと入力した数値として条件判定するISNUMBERと元データを確認する
数式が空文字を返す式はあるが表示する文字がない空表示として扱うかを決めるISBLANKとの違いを確認する
スペースのみ空に見える文字が入っている入力修正の対象にする数式バーや文字数で調べる
文字列の30000数字に見える文字金額判定の前に型を確認するISNUMBERで判定する

数字に見える文字を確認する安全側の式

外部の一覧から貼り付けると、30000という見た目でも文字列として入ることがあります。配置が右寄せか左寄せかだけで判断するのは、書式を変えた表では不確かです。=ISNUMBER(B2)を別のセルに入力すれば、数値かどうかを確認できます。FALSEが出た場合は、単位や空白、先頭のアポストロフィなどを調べます。

判定表で数値以外を止めたいなら、=IF(B2="","未入力",IF(ISNUMBER(B2),IF(B2>=30000,"確認","通常"),"数値を確認"))のようにします。空なら未入力、数値なら金額判定、それ以外は数値を確認、という順番です。式が長く感じられたら「入力状態」と「金額判定」を別の補助列に分けてもよく、一セルに詰め込むことを目標にしません。

文字の数字をすべて自動変換する前に、列の役割を考えます。商品番号の00123を123に直すと、識別子として必要な桁が失われるかもしれません。今回のB列は金額だから数値が必要、A列は受注番号だから文字でもよい、と列ごとに方針を持ちます。値の型をそろえる操作は、原本を残した練習用のコピーで試しましょう。

空表示にする場合は、後の確認方法も決める

未入力時に文字を出したくなければ、真の場合を""に変えられます。ただし、空表示の行を後で誰がどう見つけるかは別に考える必要があります。印刷ではすっきり見えても、処理漏れが見えなくなるなら、作業中は「未入力」を表示し、提出用の表示だけ整える方が管理しやすい場合があります。

「未入力」「通常」「確認」の三つは、それぞれ人が取る行動と結び付けます。未入力なら担当者へ確認、通常なら次工程、確認なら上長など指定の確認先へ回す、と対応を短く書きます。色だけで示すと印刷や閲覧環境で伝わらないことがあるため、今回の表では文字の結果を残します。IFで作った文字に色を付けたい場合は、その後に書式の問題として扱います。

見た目を整えるための空文字と、入力データの欠落は、引き継ぎでも混同されやすい部分です。「E列が空ならまだ処理していない」など、使い方を一文で残してください。数式を消して空にしたセルと、数式の結果が空のセルを見分けられる点検欄があれば、誤って式を上書きしたときにも気づきやすくなります。

AND・ORで複数条件を扱う|すべてか、どれかを明確にする

複数条件を組み合わせる:表計算の判断手順を説明する生成イメージ

金額以上かつ確定の行だけ確認対象にする

単純な金額判定では、65000の取消行も「確認」になります。業務ルールを「30,000円以上、かつ状態が確定の受注だけ確認対象」に変えるなら、二つの条件をANDでまとめます。F1を「確定受注判定」として、F2に=IF(AND(B2>=30000,C2="確定"),"確認","対象外")を入れると、両方が成り立つ行だけ確認になります。

八行の練習例では、T101とT102が確認、T103は金額不足、T107は取消なので対象外です。T107は金額だけなら条件に合っている点に注目してください。複数条件を練習するときは、全部に合う例だけでなく、一つだけに合う例を作るとANDとORの取り違えを発見しやすくなります。

ここでの短い式はANDの構造を見るためのものです。実務用には前章の未入力・数値確認と組み合わせ、状態の未入力も先に点検します。空欄や不正な値をまとめて対象外にすると、本当に条件に合わない行と、まだ判断できない行が混ざります。結果の名前は「対象外」だけで足りるか、入力不備を分ける必要があるかまで考えましょう。

どちらかに当てはまればよい条件はORで表す

ORは複数の条件のうち少なくとも一つが成り立つ場合に真になります。たとえば「状態が保留、または金額が50,000円以上なら要連絡」という別の練習ルールなら、=IF(OR(C2="保留",B2>=50000),"要連絡","連絡対象外")です。このルールではT104、T106、T107が要連絡になります。取消の高額受注も含むというルール自体を、例として明示しています。

もし取消は除きたいなら、その条件を追加しなければなりません。「保留か高額だけど取消は除く」という日本語を、どこまで一組として扱うかを考えます。=IF(AND(C2<>"取消",OR(C2="保留",B2>=50000)),"要連絡","連絡対象外")とすれば、取消でないことと、保留または高額であることの両方が必要です。

ただし、この短い練習式も金額列が数値または未入力という前提で見ています。文字列が混じる可能性を放置したまま比較を増やすと、条件の組み合わせ以前に入力状態でつまずきます。入力確認の列を先に作っておけば、連絡対象の判定だけを読みやすい式として独立させられます。値の確認と業務の判断を分ける設計も覚えておきましょう。

※表は横にスクロールできます。

条件A条件BANDの結果ORの結果練習で見る行
成り立つ成り立つTRUETRUE両方の条件に合う行
成り立つ成り立たないFALSETRUE金額だけに合う行
成り立たない成り立つFALSETRUE状態だけに合う行
成り立たない成り立たないFALSEFALSEどちらにも合わない行

かっこの内側だけを別セルで試す

長い式を一度に修正するより、条件の部分だけを別のセルに入れると調べやすくなります。=B2>=30000、=C2="確定"、=AND(B2>=30000,C2="確定")を並べ、それぞれがTRUEかFALSEかを確認します。最後にIFで「確認」などの言葉へ置き換えると、どの条件が原因で結果が分かれたかを説明できます。

この方法は、ANDの中にORを入れるときにも有効です。取消以外か、保留または高額か、その二つを合わせた結果はどうか、という順で試します。数式を一文字ずつ眺めるだけでなく、比較の途中結果を見ることで、論理の間違いと入力の間違いを切り分けられます。

MicrosoftのIFとAND・OR・NOTを組み合わせる解説では、複数条件の構文を確認できます。この記事のルールとデータは独自の練習用です。自分の表へ置き換えるときは、関数名だけを真似るのではなく、全部を満たす必要があるのか、一つでもよいのかを文章で読み直します。

状態の表記ゆれは式を増やす前に整える

C列に「確定」「確定済」「確定 」が混在すると、見た目の意味が近くても条件と一致しない場合があります。式のORに候補を次々と足す方法は、その場では動いても、正式な状態名がどれなのかを曖昧にします。まず状態の一覧を決め、入力元にどの表記があるかを確認します。

別のシステムから渡されたデータなら、元の表記を保存したまま、判定用の状態列を作る方法があります。「確定済」を「確定」と扱うなどの対応表を担当者に確認し、変更理由を残します。勝手に近い意味へまとめると、相手が区別していた処理段階を失う可能性があるので、判断が必要な置き換えを式の中に隠さないようにします。

ANDとORは便利ですが、業務条件をいくらでも長く書けばよいわけではありません。入力不備、対象の範囲、金額の条件、連絡要否が一セルに重なって読めなくなったら、列を分ける合図です。一つの列が一つの質問に答える構成へ戻すと、修正時に確認すべき範囲も小さくできます。

三段階の判定を組み立てる|条件の順序と境界を検算する

段階判定は順番が大切:表計算の判断手順を説明する生成イメージ

上の金額から順番に判定する

二つの結果だけでなく、「50,000円以上は重点確認、30,000円以上は確認、それ以外は通常」のように三段階へ分けたいことがあります。この場合は、=IF(B2>=50000,"重点確認",IF(B2>=30000,"確認","通常"))と書けます。最初に50,000以上を判定し、そこに当てはまらなかった値だけを次の30,000以上で調べる順番です。

50000は最初の条件で重点確認、42000は最初を通らず次で確認、29999はどちらにも当てはまらず通常になります。二番目の条件に50000未満を重ねて書いていないのは、そこへ進んだ時点で最初の条件が偽と分かっているためです。条件を上から読んだとき、どの値が残っているかを考えると、入れ子の流れがつかめます。

今回の受注台帳では、T107の65000は金額区分としては重点確認です。ただし取消なので、実際の連絡対象とは別です。「金額区分」と「対応対象」を別列にしておけば、取消を含む金額分布を見たい場面と、確定受注へ連絡したい場面で同じ列を無理に使い回さずに済みます。

小さい条件を先に書いたときの失敗を読む

=IF(B2>=30000,"確認",IF(B2>=50000,"重点確認","通常"))という順番では、65000も最初の30000以上に当てはまり「確認」で決まります。50,000以上を調べる場所へ到達しないため、重点確認が出ません。Excelが式を受け付けても、意図した三段階にならない代表的な間違いです。

この失敗は、しきい値を足したときに起こりやすくなります。もともと30,000円の二段階だった式へ、50,000円の例外を後ろに付け足すと、前の条件が広すぎて新しい条件を覆ってしまいます。修正時は変更した部分だけでなく、最初の条件から最後まで読み直す必要があります。

Microsoftの入れ子のIFに関する説明も参考になります。条件が増えるほど順序の点検と保守が難しくなるため、本記事では三段階に絞っています。十数種類の分類へ広がるなら、基準を表として管理する方法なども検討し、入れ子の深さだけで解決しようとしない方が引き継ぎやすくなります。

境界の前後と未入力をテストする

正常そうな値を一つ入れて終えるより、境界のすぐ前、ちょうど、すぐ後を試す方が意味があります。30,000の基準なら29999、30000、30001、50,000なら49999、50000、50001です。加えて0、未入力、負数、文字列など、その列で起こりうる入力をテスト用シートに用意します。

負数を通常にしてよいかは、業務ルール次第です。返品や取消の調整額として認める表もあれば、受注額として入力ミスと考える表もあります。今回の練習は0以上の金額を前提にするため、負数を入れたらまず入力条件の確認対象にします。「式が計算できるから有効なデータ」という判断はしません。

ここまでの短い三段階式は、負数や文字列を除外する完成式ではありません。下表の未入力・負数・文字列の期待結果まで式に含めるなら、=IF(B2="","未入力",IF(ISNUMBER(B2),IF(B2<0,"入力確認",IF(B2>=50000,"重点確認",IF(B2>=30000,"確認","通常"))),"入力確認"))とします。先に空欄、次に数値か、その次に負数かを確認してから金額区分へ進みます。式を長くしたくない場合は、同じ確認を入力点検列へ分けてください。

※表は横にスクロールできます。

テスト値金額区分の期待結果この値を試す理由追加の入力確認
29999通常30,000の直前数値であること
30000確認以上に境界を含める単位が円であること
30001確認境界の直後参照先の行が正しいこと
49999確認50,000の直前一段目と二段目の順序
50000重点確認上位区分の境界境界を重複させないこと
50001重点確認上位区分の直後最初の条件に入ること
未入力未入力で止める金額区分をまだ付けない外側の入力確認が必要
負数・文字列入力確認へ回す前提から外れる値を見つける自動修正の可否を確認

しきい値をセルに置くと変更箇所をまとめられる

30,000と50,000を複数の式へ直接書き込むと、基準変更時に一部だけ古い値が残る可能性があります。たとえばJ1を「確認基準」、J2を30000、K1を「重点確認基準」、K2を50000とし、=IF(B2>=$K$2,"重点確認",IF(B2>=$J$2,"確認","通常"))にすれば、基準がどこにあるかを見える形で管理できます。

ドル記号を付けた$J$2と$K$2は、下へコピーしても同じセルを参照するための指定です。受注額のB2は行ごとに変わってほしいので相対参照のままにします。すべての参照を固定すると全行がB2の金額で判定され、何も固定しないと基準セルが下へずれてしまいます。

基準セルへ置き換えた後は、J2がK2より小さいこと、単位が同じこと、空欄や文字でないことも確認します。基準を一か所にまとめると修正は楽になりますが、誤った基準の影響も表全体へ広がります。変更した日、根拠、確認者を近くに記録し、テスト値の結果を再確認してから使いましょう。

うまく動かない式を点検する|コピー・検算・引き継ぎまで仕上げる

式を点検して引き継ぐ:表計算の判断手順を説明する生成イメージ

エラーの種類と途中の条件から調べる

数式が入力できないときは、かっこの数、引用符、引数の区切り、先頭の等号を確認します。入力はできても想定外の文字が出る場合は、真と偽の結果を逆に置いていないか、比較記号が違わないかを読みます。複雑な式を全部消して書き直す前に、元の式を保存して、問題の場所を一つずつ切り分けましょう。

#NAME?が出たら関数名や引用符、定義していない名前を点検します。#REF!なら参照していたセルや範囲が削除されていないかを確認します。#VALUE!などが出た場合も、結果のセルだけでなく、条件式が読んでいる元のセルにエラーがないかをたどります。見えているエラーの場所と原因の場所が同じとは限りません。

IFERRORで何でも空表示にすると、表は整って見えても原因が残る可能性があります。Microsoftのエラー対処の説明でも、エラーを隠すことと修正することを区別しています。扱う予定のエラーが明確になった場合に表示方法を決め、開発中は原因を調べられる状態を保ちます。

コピー後は値だけでなく参照先を確認する

一行目が正しくても、下へコピーした式の参照がずれていれば表全体の信頼性はありません。受注額を読む参照は各行のB列、基準を読む参照は固定したJ2やK2になっているかを、先頭・中間・末尾の三か所で確認します。さらに、金額が基準ちょうどの行を一つ選び、条件の読み方と結果を照合します。

Microsoftの数式を下へコピーする案内には、相対参照が行に応じて変化する説明があります。フィルハンドルなどでコピーした後は、どこまで式が入ったかも点検します。表の途中に空白がある場合など、意図した終端と自動で埋まった範囲が一致するとは限りません。

新しい受注行を追加したら、既存の行が正しいこととは別に、新しい行へ式が入ったかを確認します。計算結果を手入力で置き換えたセルが混ざっていないかも見ます。「前月の結果をコピーして使ったら式ではなく文字だった」という事態を防ぐには、数式列と手入力列の区分を見出しや説明で示しておくと役立ちます。

期待結果の一覧を残し、ルール変更時に再利用する

テスト表には入力値、状態、期待結果、実際の結果を並べ、どこが違うかを記録します。金額の境界だけでなく、確定と取消で同じ金額を入れた二行、同じ状態で金額だけ違う二行も用意すると、金額条件と状態条件を別々に点検できます。全条件を同時に変える例ばかりだと、何が結果を変えたのか説明しにくくなります。

今回の八行では、単純な金額判定で確認となるのはT101、T102、T107の三件です。「確定かつ30,000以上」ならT101、T102の二件になります。入力確認つきの式ではT106だけが未入力です。この件数と受注番号を両方合わせると、件数がたまたま同じでも別の行を拾っている間違いを見つけられます。

本記事の期待結果は、掲載した架空データと条件を独立した論理計算で照合しています。すべてのExcel版・OSの実画面操作を検証したものではありません。実際のブックへ組み込む際は、ご自身の環境で入力、コピー、再計算、保存後の再表示を試してください。仕事のデータを使う前に、このような小さいテスト用コピーで再現しておくと、問題が起きたときに説明できます。

引き継ぎメモには式の意味と入力の前提を書く

完成した表を渡すときは、「IFを使っています」という説明だけでは足りません。B列は円単位の数値、C列は確定・保留・取消、未入力は判定を止める、基準はJ2とK2、といった前提を書きます。条件を変えてよい場所と、式を触らない場所を区別し、更新後に試す代表値も一緒に残しましょう。

たとえば引き継ぎ文は「受注額を入力し、状態を確認すると結果が更新されます。基準を変更した日は29999、30000、49999、50000のテスト結果を確認してください。取消の扱いを変える場合は金額区分ではなく対応対象の式を見直してください」のように、操作と確認先を具体化できます。これは練習例なので、実際の基準と担当者に置き換えます。

表の外へ渡すデータには、不要な個人情報や取引情報を含めないようにします。練習や質問のために画面を共有するなら、架空データへ置き換えても同じ問題を再現できるかを先に試します。数式の質問に本物の顧客名が必要とは限りません。共有するファイルの範囲と権限は、依頼者や所属先のルールに従ってください。

小さな完成物として仕事の練習につなげる

IF関数を覚えたら、式の数を増やすより、「入力がそろった行だけ判定できる」「境界値を説明できる」「別の人が基準を変更できる」という三つを目指すと、成果物として扱いやすくなります。処理の速さだけを示すのではなく、確認した例と前提を説明できることが、表計算の仕事では役立ちます。

帳票のレイアウトから整えたい場合は、当ブログのbizoceanのテンプレート活用を紹介した記事も参考になります。ひな形を使う場合も、入っている式や入力条件をそのまま信じず、業務の基準と一致するか確認してください。テンプレートの選定とIFの検算は、どちらか一方だけで完了する作業ではありません。

最後に、練習表を開いてT102の30000を29999へ変え、結果が確認から通常へ変わるか見てみましょう。次に空にして未入力となるかを確かめ、元の値へ戻します。このように自分で入力を動かし、なぜその結果になるかを説明できれば、単なる式のコピーから一歩進めます。条件を文章にする、境界を試す、参照を確かめるという順番を、次の表でも使ってください。