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こんにちは。『脱会社員』脱サラを応援し続けるブログ、運営者の『なかびー』です。

「営業部の売上だけ」「今月に確定した分だけ」と条件を付けて金額をまとめたいときは、ExcelのSUMIFS関数が使えます。合計したい列を最初に指定し、その後へ「条件を調べる列」と「条件」を組にして並べるのが基本です。二つ以上の条件を並べた場合は、すべてを満たす行の金額を合計します。

ただし、式が計算できたことと、必要な金額を漏れなく集計できたことは別です。月末の時刻付きデータ、文字列で保存された金額、重なりのあるOR条件などは、エラーが出なくても答えがずれる原因になります。この記事では八行の架空明細を使い、条件の決め方から月次集計、合計が違うときの調査、更新後の検算まで進めます。

Microsoft公式資料を2026年10月4日に確認しています。SUMIFSはMicrosoft 365やExcel 2024・2021・2019・2016などの公式適用先に掲載されています。以下の数式は半角記号を使う一般的な日本語環境向けです。業務例と金額は説明用に作成し、期待値は別計算で検算しました。すべてのExcel版で実機操作を試した記事ではありません。画像は実際の操作画面ではなく、説明用の生成イメージです。

目次
  1. SUMIFSで何を合計するか決め、明細の範囲をそろえる
  2. 複数条件とOR条件を組み立て、金額の重複を防ぐ
  3. 日付で月次集計するなら、月初以上・翌月初未満を使う
  4. 合計が0・少ない・多いときは、条件と元データから調べる
  5. 行追加・検算・引き継ぎまで整えて集計表を使い続ける

SUMIFSで何を合計するか決め、明細の範囲をそろえる

合計する範囲を決めるために明細と条件を整理する説明用生成画像

最初に集計の条件を一文で書く

SUMIFSを入力する前に、「2026年9月に記録され、部署が営業で、状態が確定の金額を合計する」と書いてみましょう。この一文には、期間、部署、状態、足す数値の四つが含まれています。目的がはっきりすると、Excelのどの列を使うか、日付をどこで区切るかを決めやすくなります。

「売上」という言葉だけで集計を始めると、受注額を集めた人と入金額を集めた人で数字が異なることがあります。この記事では、金額列へ登録された値を条件に従って足すところまでを扱います。会計上の売上計上や税務処理の判断を自動化するものではありません。実務では依頼者と対象の意味をそろえてから式を作ってください。

集計表へは、条件の文章も残しておきます。例えば「対象日時:9月1日0時以上、10月1日0時未満/部署:営業/状態:確定」と書けば、後から見た人が数式をすべて読まなくても対象を理解できます。月を変えたときは金額だけでなく、この表示も更新する運用にしましょう。

八行の練習表で合計を手計算できるようにする

空のワークシートのA1:E1へ「ID・日時・部署・状態・金額」と入力し、A2:E9に下表の値を入れます。IDは説明用の管理番号です。B列はExcelが日時として扱う値、E列は数値で入力してください。「円」はセルの中へ文字として足さず、必要なら表示形式で付けます。

※表は横にスクロールできます。

行とID日時(B列)部署(C列)状態(D列)金額(E列・円)
2:R012026/9/1 0:00営業確定12000
3:R022026/9/10 10:00営業見込8000
4:R032026/9/15 9:00制作確定15000
5:R042026/9/30 18:00営業確定9000
6:R052026/10/1 0:00営業確定11000
7:R062026/9/20 14:00営業確定-2000
8:R072026/9/21 11:00制作確定7000
9:R082026/9/22 16:00営業保留0

八行全部の金額を足すと60,000円です。営業の行だけなら38,000円、営業かつ確定なら30,000円、さらに9月だけへ絞ると19,000円になります。R06のマイナス2,000円は、金額の調整が含まれる例として置きました。自分の業務で返品や訂正をどのように登録するかは、別途決める必要があります。

この表では一行が一つの明細です。請求書一枚に三つの商品明細があれば三行になる方式もあります。一行の単位が途中で変わると、合計対象の金額が明細額なのか請求書の総額なのか分からなくなります。請求書総額をすべての明細へ繰り返し入れて合計すれば、同じ金額を何度も足してしまいます。数式を疑う前に、一行の意味を確かめてください。

合計範囲を最初に置き、条件は対で追加する

基本の形は「=SUMIFS(合計範囲,条件範囲1,条件1,条件範囲2,条件2)」です。今回、営業の金額だけを合計する式は次のようになります。E2:E9が足す金額、C2:C9が部署を調べる範囲、「営業」が合計対象を選ぶ条件です。

=SUMIFS(E2:E9,C2:C9,"営業")

条件を一つだけ指定しても使えます。まず38,000になることを確かめ、次の章で状態の条件を追加します。一度に長い式を完成させるより、条件を一つ増やすたびに対象の行がどう変わったかを追う方が、間違えた場所を見つけやすくなります。手元の表で営業以外の行を指差して除外してみるのも有効です。

SUMIFとSUMIFSでは、合計範囲を書く位置が異なります。SUMIFの式へ最後のSだけを付けても、同じ意味の式になるとは限りません。正式な構文と範囲の条件はMicrosoft公式のSUMIFS関数で確認できます。関数名が似ていても、引数の順番から読み直す習慣を付けましょう。

範囲の長さと行の対応を両方確認する

E2:E9とC2:C9は、どちらも八行です。このように合計範囲と条件範囲の大きさをそろえます。ただし、八行なら何でもよいわけではありません。E2:E9とC3:C10を指定すると、長さは同じでも部署と金額の対応が一行ずれます。正しいサイズと正しい対応の二つを別々に点検してください。

見出しの1行目を含めるかどうかも統一します。初心者の練習では、データがある2行目から9行目までに限定すると確認しやすくなります。全列のE:EやC:Cを使えば行追加に対応しやすく見えますが、同じ列の下に別の表や集計結果を置く設計では混入のリスクがあります。大量の式を置く場合は計算範囲が広くなることも意識しましょう。

合計行を元明細の途中へ混ぜないことも大切です。例えば営業の小計38,000円を明細の下へ書き、その行まで対象にすると二重計上につながります。明細シートと集計シートを分けるか、少なくとも範囲を明確に区切り、結果を元データへ戻さない配置にしてください。見た目の罫線より、どの行が一件の記録かを優先します。

複数条件とOR条件を組み立て、金額の重複を防ぐ

部署と状態の二つの条件を照合する男性の説明用生成画像

「営業かつ確定」は一つのSUMIFSにまとめる

部署と状態を同時に満たす行を集計する場合は、条件の組を続けます。次の式では、部署が営業であり、さらに状態が確定であることが必要です。営業の見込8,000円と保留0円は対象から外れますが、10月1日の11,000円はまだ期間条件を付けていないため含まれます。

=SUMIFS(E2:E9,C2:C9,"営業",D2:D9,"確定")

結果はR01の12,000円、R04の9,000円、R05の11,000円、R06のマイナス2,000円を足した30,000円です。条件を並べると「どちらか」ではなく「両方」となることが、この段階での重要な確認点です。「営業または確定」を求めたつもりなら、この式は目的に合っていません。

条件を日本語で「かつ」と読めるようにすると混乱を減らせます。部署が営業、かつ状態が確定、かつ金額が0より大きい、と条件を増やせば対象は狭くなります。ただし、返品などの負数を除外すると、業務上必要な差引額から離れる場合があります。数式を書きやすい条件に仕事を合わせず、必要な金額の定義に合わせて条件を選びましょう。

条件セルを用意し、数式を毎回書き換えない

集計条件を切り替えるなら、G1へ「部署」、G2へ営業、H1へ「状態」、H2へ確定と入力し、条件をセル参照にします。集計結果はI2など、元明細と重ならない位置へ置きます。式の中の文字を直す回数が減り、何を対象にしているかが表に見えるようになります。

=SUMIFS($E$2:$E$9,$C$2:$C$9,G2,$D$2:$D$9,H2)

文字を直接書くときの「"営業"」と、セルの値を使う「G2」は区別してください。「"G2"」と書けば、通常はセルG2の内容ではなくG2という文字を条件にしてしまいます。参照するセルへ部署名が入っているか、余計なスペースがないかも確かめましょう。条件セルの色を変えるなら、色の意味を入力欄として明記します。

部署ごとの集計を下へコピーする場合、金額と条件範囲はドル記号で固定し、G2はG3、G4へ動くようにします。一方、状態はずっとH2を使いたいなら条件を$H$2にします。コピー後の式を先頭・途中・末尾で開き、どの参照が動いたかを確認してください。数値の並びがそれらしく見えるだけでは、固定の指定が正しい証拠になりません。

数値条件には比較記号とセルの値をつなぐ

金額が10,000円以上の営業分を集計するなら、金額の列自体を条件範囲として追加できます。「以上」は>=、「より大きい」は>です。境界の10,000を含めるかどうかを先に決めてから記号を選びます。今回の八行では営業の12,000円と11,000円が該当し、合計は23,000円になります。

=SUMIFS(E2:E9,C2:C9,"営業",E2:E9,">=10000")

基準額をJ2に置く場合は、条件を「">="&J2」とします。比較記号の文字列とJ2の中身を&でつなぐ形です。「">=J2"」と丸ごと引用符で囲む方法とは違います。条件セルへ単位付きの文字を入れると意図した比較にならないおそれがあるため、J2にも数値だけを入れ、表示形式で単位を付けてください。

※表は横にスクロールできます。

知りたい条件条件部分の例境界値の扱い練習時の確認
10,000以上">=10000"10,000を含む9,999・10,000・10,001
10,000より大きい">10000"10,000を含まない同じ三つで比較
J2以上">="&J2J2の値を含むJ2を変更して再計算
確定以外"<>確定"確定を除く空欄の扱いも別に確認
営業から始まる"営業*"前方一致営業企画も含むか確認

OR条件は重なりを調べてから合計する

「営業または制作」は、同じ部署セルに営業と制作が同時に入らない前提なら、二つのSUMIFSを足して表現できます。今回の八行は部署がこの二つだけなので、結果は全体と同じ60,000円です。部署名が二種類しかないから成立する前提を、条件の説明にも残しておきましょう。

=SUMIFS(E2:E9,C2:C9,"営業")+SUMIFS(E2:E9,C2:C9,"制作")

一方、「営業または確定」を同じように足すと、営業かつ確定の行を二度足します。この例では営業38,000円と確定52,000円を足すと90,000円ですが、両方に属する30,000円が重複しています。重複を引けば60,000円です。二つの集合の和は、Aの合計+Bの合計−両方の合計という形で考えられます。

=SUMIFS(E2:E9,C2:C9,"営業")+SUMIFS(E2:E9,D2:D9,"確定")-SUMIFS(E2:E9,C2:C9,"営業",D2:D9,"確定")

条件が三つ以上になり、重なり方も複雑なら、短い式を無理に作るより、明細側に対象かどうかを確認する補助列を置く設計を検討します。補助列は集計の根拠を一行ずつ見られる利点があります。いずれの方式でも、足した結果だけを確認せず、対象IDを書き出して同じ明細を二度数えていないか確かめることが先です。

日付で月次集計するなら、月初以上・翌月初未満を使う

月初以上・翌月初未満という日付の境界を確認する説明用生成画像

月を文字として比較せず、日時の範囲で表す

9月を集計したいからといって、日時列へ「2026/9」という文字を条件にするのは避けましょう。画面上で9月と表示されていても、セルの実体は9月15日かもしれません。年月の表示形式は見た目を変えるもので、同じ月の日時をすべて同じ値へ置き換える機能ではありません。

月次集計の練習では、2026年9月1日0時以上、2026年10月1日0時未満という二つの境界を使います。これなら9月30日18時のR04が含まれ、10月1日0時のR05は含まれません。部署と状態の条件も残した式は、次のようになります。

=SUMIFS(E2:E9,C2:C9,"営業",D2:D9,"確定",B2:B9,">="&DATE(2026,9,1),B2:B9,"<"&DATE(2026,10,1))

結果は19,000円です。対象はR01、R04、R06の三行で、12,000+9,000−2,000となります。日付の範囲だけを指定して部署と状態を外せば、9月全体の49,000円になります。式を分解して確かめたいときは、このように一つずつ条件を外し、どの行が戻ってくるかを見ると理解が深まります。

月末以下で時刻付きデータを落とさない

「9月30日以下」と指定したとき、比較の基準が9月30日0時なら、その日の18時は基準より後です。見た目を日付だけにしていると、同じ9月30日に見えても数値としては異なります。このため、時刻が混ざる可能性のある記録では、翌月1日より前という上限を使うと意図を表しやすくなります。

Excelは日付を連続する番号、時刻を一日の小数部分として扱います。仕組みとDATEの書式はMicrosoft公式のDATE関数で確認できます。本記事の境界の選び方は、その仕様を八行の練習表へ当てはめた設計例です。月末の日数を手入力して覚える必要を減らせます。

ただし、すべての業務が暦月で締まるわけではありません。20日締めなら、前月21日0時以上から当月21日0時未満など、業務で決まった境界を使います。国外のシステムから取った時刻が別のタイムゾーンの場合は、基準となる時刻へそろえる工程も必要です。表示だけを日本時間らしくしても、比較する値がそろっているとは限りません。

※表は横にスクロールできます。

日時の試験値9月集計へ含めるか確認したい理由本例との関係
2026/8/31 23:59含めない開始直前の除外追加の境界テスト
2026/9/1 0:00含める開始時点の包含R01
2026/9/30 0:00含める月末当日の始まり追加の境界テスト
2026/9/30 18:00含める月末の時刻を落とさないR04
2026/10/1 0:00含めない終了境界を次月へ渡すR05

基準月をセルへ置いて翌月の式を再利用する

L1へ「対象月初」、L2へ2026/9/1を日付として入力します。月だけを見せたい場合は表示形式を変更しても構いませんが、内部の値は月初日にそろえます。上限はEDATE(L2,1)で一か月後にすると、9月が30日までか、10月が31日までかを式へ書き直さずに済みます。

=SUMIFS($E$2:$E$9,$C$2:$C$9,"営業",$D$2:$D$9,"確定",$B$2:$B$9,">="&$L$2,$B$2:$B$9,"<"&EDATE($L$2,1))

EDATEは指定した日付から月単位で移動した日付を求める関数です。Microsoft公式のEDATE関数で引数と日付入力の注意点を確認できます。L2に9月15日を入れると、今回の式では9月15日以上から10月15日未満になり、暦月の集計ではなくなります。「対象月初」という見出しを付ける理由は、この入力条件を伝えるためです。

L2を10月1日に変えたとき、練習表の営業・確定は11,000円になります。9月と10月の合計は30,000円で、期間条件を付けない営業・確定の合計とも一致します。このように隣り合う期間の合計へ分けてから元の合計へ戻すと、月の境界で漏れや二重計上がないかを調べられます。実際のデータが期間外を含む場合は、その分も別枠で比較します。

空欄の日付と文字列の日付を集計前に分ける

日時が未入力の行は、どの月へ属するか分かりません。集計結果から外れていたとしても、業務上無視してよいとは限らないため、未入力として調査する行を別に把握します。不明な日時を月初へ一括置換すると、正体不明の金額を特定月へ押し込むことになってしまいます。

見た目が2026/9/1でも、コピー元によっては文字列として入っている場合があります。確認用セルでISNUMBER(B2)を使うと、そのセルが数値かどうかを調べられます。TRUEは数値であることを示しますが、業務上正しい日時であることまで保証しません。年の入力違いや時差も、別の観点で確認してください。

変換が必要なら原本を残し、対象列だけを処理します。IDなど先頭の0が必要な列まで数値へ変換しないように注意しましょう。変換後は先頭・中間・末尾の日時に加え、月またぎの行を照合します。実務で提出する数字なら、変換を行った日、対象件数、確認者を残すと、後から元の記録へたどりやすくなります。

合計が0・少ない・多いときは、条件と元データから調べる

範囲・型・条件から合計が違う原因を探す二人の説明用生成画像

0になったら、該当なしと相殺を区別する

SUMIFSの結果が0でも、条件に合う行が一つもないとは限りません。例えばプラス2,000円とマイナス2,000円の二行が条件に合えば、差引合計は0です。本例の営業・保留も、0円のR08が実際に存在します。結果の数字一つから、明細の有無を判断しないことが重要です。

調べるときは、まず元表のフィルターで同じ部署と状態に絞り、どのIDが残るかを確認します。金額があるはずの行が見つからないなら条件や表記を見直し、行があるのに0なら数値の型、相殺、範囲からの漏れを確認します。検査用コピーで金額を一時的に変える試験をする場合は、本番と区別してください。

「結果が0のとき空欄にする」という表示用の工夫は、調査を終えてから考えます。先に空欄へ置き換えると、正常な0も入力ミスも見えにくくなります。報告書に載せる見た目と、内部で正しさを検査する値を分ければ、読みやすさと確認のしやすさを両立しやすくなります。

文字の一致は目で似ているだけでは判断しない

部署の「営業」と「営業 」は、後ろに空白が付いているだけで同じ条件として扱えない場合があります。また、正式名と略称が混在すれば別の値です。「営業*」のような部分一致で一度に拾おうとすると、営業企画など別部署まで対象になるかもしれません。条件を広げて数字だけ合わせる修正は避けましょう。

検索条件では*が任意の文字列、?が任意の一文字として使われます。例えば部署名が営業で始まる範囲を意図して対象にするなら「営業*」が候補になります。文字としてのアスタリスク自体を条件へ入れる場合には~で特別な意味を打ち消す扱いがあります。曖昧な名前が必要な業務では、小さな別表で一致範囲を試してから本番へ適用してください。

表記をそろえる際は、元データの責任者に統一先を確認します。似た名称が別の部署や商品を指す場合もあります。変更前の値と変更後の値の対応表を用意すれば、何を同一と判断したかを説明できます。集計式へ例外を重ねる前に、入力元の選択肢や管理コードを整える方法を考えることも有効です。

エラーを隠す前に、範囲と参照先を見る

範囲のサイズが違うときや、参照先に問題があるときは、まず式の色分けや数式バーを使って引数ごとに確認します。条件範囲だけを一行増やし、合計範囲を増やし忘れていないか、シート名や列を削除して参照が壊れていないかを見てください。長い式なら別セルへ分け、最初の条件から段階的に戻すと追いやすくなります。

IFERRORで一律に0へ置き換えると、範囲が壊れたことまで「対象なし」に見せてしまいます。エラー表示は直す場所を教える手掛かりなので、検査中は残して原因を確定させる方が安全です。読者向けの表示を整える必要があるなら、検査欄へ異常の有無を残すなど、修正が必要な状態を隠さない設計にしましょう。

別ブックを参照する場合は、ファイル名変更、保存場所、開閉状態の違いも調査対象になります。本記事の例は同じシート内の固定範囲であり、外部参照を含む運用を試験したものではありません。まず同じブック内へ作った練習用の小さな表で式を確認し、それから実際の参照方式で再計算できるかを試してください。

※表は横にスクロールできます。

結果の状態先に確認するもの小さな切り分け試験避けたい応急処置
0になった該当行・相殺・文字表記条件を一つに減らす無条件に空欄へ置換
予想より少ない末尾の範囲・文字列金額・日付上限漏れたIDを一件追う足りない額を手入力
予想より多いOR重複・小計行・重複明細対象IDを並べて比較余分な額だけ差し引く
エラーになる範囲の大きさ・参照切れ合計範囲と条件範囲を読み直すIFERRORで一律0
更新しても変わらない参照範囲・再計算・更新元末尾一件を追加したコピーで試す結果セルだけ上書き

表示の丸めと、元の金額そのものを分ける

小数を含む金額では、表示されている数字を手で足した結果と、セルの内部値の合計が違うことがあります。例えば1.4を小数なし表示にすれば1に見えますが、二つ足した内部値は2.8です。画面上の1と1だけを見て2になるはずだと判断する前に、元の桁を確かめましょう。

どの段階で端数処理するかは業務ルールです。明細ごとに丸めてから合計するのか、合計後に丸めるのかで結果が変わります。SUMIFSの見た目を調整するだけで端数処理のルールを決めたことにしないでください。この記事の練習例は整数だけなので、この問題を含まないようにしています。

負数についても同じです。調整額を負数で登録する方式なら、負数を足すことで差引金額になります。負数を除外すると売上が大きく見える場合があるため、「正の金額だけ」という条件を追加するときは目的を確認します。数式の変更前後で、正数合計・負数合計・差引合計を並べると、何を変えたかが伝わります。

行追加・検算・引き継ぎまで整えて集計表を使い続ける

集計結果を検算して更新手順を引き継ぐ説明用生成画像

テーブルにすると、追加データの参照を管理しやすい

固定範囲のE2:E9は、10行目へデータを追記しただけで自動的に必ず広がるとは限りません。継続利用する明細なら、範囲をExcelテーブルへ変換し、分かりやすいテーブル名を付ける方法があります。ここでは見出しが「ID・日時・部署・状態・金額」のテーブルを「明細」と名付けた場合を考えます。

=SUMIFS(明細[金額],明細[部署],"営業",明細[状態],"確定")

構造化参照では列名が式に現れるので、E列が何だったかを調べる手間を減らせます。MicrosoftのExcelテーブルと構造化参照の説明には、行の追加・削除に応じて参照が調整される仕組みが案内されています。ただし、追加した行が実際にテーブルの一部になっているかは確認してください。表の外へ離して貼ったデータまで自動で集計されるとは考えないようにします。

集計結果はテーブル外の別エリアか別シートへ置き、元明細の金額列へ同じ集計を混ぜない設計にします。テーブル名や見出しを変えた場合、式がどのように変わったかも確認しましょう。列を整理する際は、使っていないと思った列が他の式の条件になっている可能性もあるため、変更範囲を先に調べます。

正常な例だけでなく、境界と異常も試す

本例を再利用するなら、営業・確定30,000円、9月の営業・確定19,000円、10月の営業・確定11,000円の三つを基準値として残します。式を直した後に同じ値へ戻るか確認すれば、修正によって別の条件が壊れていないかを調べられます。試験用のファイルでは、元の八行を固定したシートとして保管しておくと便利です。

次に、コピーした表へ9月末の営業・確定1,000円を追加します。9月の結果が20,000円へ増え、10月は11,000円のままなら、追加範囲と期間条件の両方を確かめられます。新しい行を10月1日に変更すれば、9月が19,000円へ戻り、10月が12,000円へ増えるはずです。変更前後の差分を確認する試験は、合計だけを眺めるより原因を追いやすくなります。

※表は横にスクロールできます。

試験期待する結果確認できる点戻し方
八行の全体を合計60,000円金額の入力原表と照合
営業・確定だけ30,000円AND条件条件を維持
9月の営業・確定19,000円月末時刻と負数基準月を9月にする
10月の営業・確定11,000円境界での除外と包含基準月を戻す
9月へ対象1,000円を追加20,000円末尾追加の参照試験行を除く
営業または確定60,000円OR重複の差引原表で再試験

引き継ぎには式の意味と更新手順を残す

引き継ぎメモは、「SUMIFSを使っています」だけでは足りません。元明細の保存場所、日時の基準、部署・状態の入力候補、対象月の変更セル、金額の正負の意味、追加後の確認項目を短くまとめます。作成者が休んでも、他の人が同じ条件で集計できることを目標にしましょう。

更新の順序は、元明細の受領、必要な型と件数の確認、テーブルへの追加、基準月の設定、結果の再計算、検算、提出版の保存というように固定します。毎回違う順序で作業すると、古い月の条件のまま新しい明細を確認したり、追加前の結果を提出したりするミスが起こりやすくなります。実施日と対象ファイル名も一緒に残してください。

提出先が数字だけを見るなら、対象条件と集計日時を添えたPDFなどの閲覧用資料を用意する選択肢があります。再計算して使う人へ渡す場合は、条件セルと数式の役割を説明したブックが必要です。顧客情報や社内の元明細まで渡してよいかは別途確認し、非表示シートにしただけで情報を安全に除外できたと考えないようにしましょう。

業務のひな形と合わせても、検算の工程は残す

日報や売上管理表の項目から整えたい場合は、当サイトのbizoceanの文書テンプレートを活用する方法も参考になります。ひな形を選ぶときは、見栄えだけでなく、一行が何を表すか、金額と日時の列がどこか、追加して使う設計かを確認してください。既存の式を自分の業務に合うものとして無条件に引き継がないことが大切です。

副業や小さな受託業務で集計表を納める場合も、関数を多く使ったことより、依頼された条件の数字を再現できることが成果になります。作業時間や収益が必ず改善すると保証するものではありませんが、条件の文章、手計算できる例、更新時の試験を一緒に残せば、修正依頼が来たときの確認がしやすくなります。

SUMIFSは「どの金額を足すか」「どの条件を同時に満たすか」「どこからどこまでの日時か」を分けると理解しやすくなります。まず八行の19,000円を自分で確かめ、翌月への切り替えと一行追加を試してください。数字が出た後の検算までを手順に含めることで、次の月も根拠を説明できる集計表へ近づけられます。