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こんにちは。『脱会社員』脱サラを応援し続けるブログ、運営者の『なかびー』です。

Wordの原稿を二つ受け取ったとき、「どこが違うか」と「どちらを採用するか」は順番に考えたい問いです。文書の比較では、元の版と変更後の版を指定し、その間の差を第三の文書で確認できます。先に二つの役割を決め、比較する要素と結果の表示先を選ぶと、出てきた差を元の文章へ戻して読めます。

本稿は、Windowsのデスクトップ版Word for Microsoft 365・Word 2024・Word 2021を想定します。情報確認日は2026年10月28日です。Mac版やWeb版の同じ画面操作、複数人の修正を結合する詳細、変更履歴を承諾して清書する全手順までは扱いません。機能名の翻訳や配置には版による違いがあるため、操作の目的も併記します。

同じ二版で確認すること

  • 相談時間を「十五分」から「二十分」へ変えた。
  • 資料配布についての一文を変更版から外した。
  • 申込みについての一文は文字を変えず、通常の文字から太字へ変えた。

この三つは意味上の確認項目です。Wordが示す変更件数が三件になるという意味ではありません。

案内文と後述の比較条件は架空の教材です。文章と太字の対応を自作モデルで検算していますが、Wordの比較エンジン、実際の変更件数、画面表示、履歴付きファイルでの動作を実測したものではありません。掲載画像も説明用の生成イメージです。手元で操作するときは、使う版と実際の結果を合わせて確認してください。

目次
  1. 比較する二版と、元・変更後の向きを決める
  2. 元の文書と変更された文書を選び、新しい文書へ比較する
  3. 文字と書式を比べる条件と、差を表示する細かさを選ぶ
  4. 比較結果を、時間の置換・一文の削除・太字の変更へ戻して読む
  5. 既存の変更履歴がある二版と、比較結果の保存を扱い分ける

比較する二版と、元・変更後の向きを決める

二つの案内文の元と変更後を、十五分と二十分の文で区別する説明用イメージ

二つの本文を、書式の条件も含めて読む

練習の元の版は、次の四行です。一行目は見出し、続く三行は本文として考えます。四行とも通常の文字で、最後の申込文にも太字を付けません。実在する相談会の開催条件や、サービスの所要時間を案内するものではありません。

元の版
相談会のご案内
相談は一組十五分です。
会場で資料を配布します。
申込みはメールで受け付けます。

変更後の版は次の三行です。見出しは同じまま、相談時間の文を置き換え、資料配布の文を外します。最後の申込文は一文字も変えず、その一文全体だけを太字にする条件です。太字を示すために、文の前後へ星印などの文字を足す条件ではありません。

変更後の版
相談会のご案内
相談は一組二十分です。
申込みはメールで受け付けます。

文章の意味だけを見れば、申込方法の文は同じです。ただし、Word文書として確認したいことに見た目の変更も含むなら、この一文には通常から太字への違いがあります。本文を別の場所へ文字だけで貼り付けて見比べると、この教材で用意した違いの一つを確認できなくなります。

元の文書と変更された文書は、比較の向きとして選ぶ

今回は、四行の版を「元の文書」、三行の版を「変更された文書」とします。この向きなら、相談時間は十五分から二十分への変更で、資料配布の文は元にあって変更後にはありません。逆に指定すれば、二十分から十五分への変更となり、資料配布の文は追加される側になります。申込文の書式も、逆向きでは太字から通常へ変わります。

元という語は、二つのうち必ず正しい方という意味ではありません。今回の比較で、どちらを出発点にして差を読むかを示します。変更後という語も、内容が承認済みという意味にはしません。二十分へ変えたことを確認できても、その時間が担当者の合意に沿うかは別に確かめる必要があります。

練習用にファイルを用意するなら、「相談会案内_v01_元.docx」と「相談会案内_v02_変更.docx」のように役割を区別できます。これは命名の例です。ファイル名や更新日時だけを根拠に中身を決めず、実際に開いて時間の文、資料配布文の有無、申込文の太字を見て選んでください。コピーし直した日時が新しくても、文章自体が新しいとは限りません。

比較・並べて表示・変更履歴の記録を使い分ける

二つを横に並べて全文を読むことと、差を抽出する比較は、役割が違います。Microsoftの文書を並べて表示する公式説明では、表示タブからの並べる表示と同期スクロールが案内されています。二版の前後の文章を目で追いたいときの補助になりますが、それだけで差分入りの第三文書が作られる操作ではありません。

変更履歴の記録は、記録する状態で行う修正を追うための機能です。今回のように保存済みの二版から差を調べる目的とは区別します。記録を忘れた後にオンへ切り替えても、それだけで過去の編集過程を再現したことにはなりません。手元にどの二版があるかを確認したうえで、比較を使うか判断します。

また、複数の校閲者から戻った修正を合わせる仕事は、単純な二版比較へ押し込まない方が整理できます。Microsoftは文書の修正を結合する説明を別に用意しています。本稿では同じ一件の元と変更後を扱い、何人分もの提案を統合する実演には広げません。

二版の差を説明できることを、今回の到達点にする

案内文の確認を仕事として受ける場合も、まず「二版の差を示す」「変更を採用する」「配布用の清書を作る」のうち、何を頼まれているかを確かめます。本稿の到達点は、二版の文字と書式の違いを比較条件とともに説明することです。依頼者に代わって相談時間を決定する作業までは含めません。

例えば報告の出だしは、「v01を元、v02を変更後として比べました。時間の文、資料配布の一文、申込文の太字を確認対象にしています」とできます。これなら、どちらからどちらへの変化を述べているかが伝わります。「最新版を確認しました」だけでは、どの二版を使い、何を比較したかが曖昧なままです。

この段階では、差がすべて見つかったとも、変更内容が適切とも結論付けません。次に、入力する二版と結果の表示先を操作の中で確かめます。文章だけを見たいのか、太字の違いまで含めたいのかも、その後の比較条件として選びます。

元の文書と変更された文書を選び、新しい文書へ比較する

二つの入力書類とは別の比較結果を立て、新しい文書への出力を考える説明用イメージ

校閲の比較から、二つの入力欄を確認する

MicrosoftのWindows版Wordで文書の違いを比較する公式説明では、二つの文書を開き、校閲タブの比較から二版を比較する操作へ進みます。元の文書に使うファイルと、比較する他方のファイルをそれぞれ指定します。本稿の例では、四行の元版と三行の変更版を、この順で対応させます。

両方の名前が似ているときは、入力欄が埋まっただけで先へ進まず、選んだファイルを読み直します。元側には十五分の文と資料配布の文があり、変更側には二十分の文があり、申込文は太字になっているか。この中身との対応が合っていれば、比較の向きについて説明できます。

ファイルを選ぶ欄と、比較結果をどの文書へ表示するかの欄は、同じ問いではありません。前者は入力の二つを決め、後者はその差をどこへ出すかを決めます。「元の文書を選んだから、元の文書へ結果を書き込む」という読み方をせず、表示先は別に確認してください。

操作を始めた文書の名前にも注意します。例えば変更後の版を開いた状態で比較を呼び出したとしても、それだけで元・変更後の両欄の対応を確認したことにはしません。今回使いたい二つがどれかを入力欄で読み、本文の短い目印と突き合わせる方が確実です。

結果の表示先を、新しい文書として確かめる

この練習では、比較結果は新しい文書へ表示する条件にそろえます。Microsoftの上記説明は、通常は第三の新しい文書へ結果を出す一方、元の文書や変更された文書へ表示する選択もあり、その選択では選んだ文書が変更されるとしています。したがって、どの設定でも元ファイルが変わらないとは説明できません。

新しい文書を選ぶのは、入力二つと比較結果を分けて読みたいからです。元の版には、比較前に確認した四行がある。変更版には、確認した三行と太字の条件がある。その二つを戻り先にし、結果に出た差が何を意味するかを確かめられる形にします。結果を作る文書と、比較の根拠にした文書を同じ呼び名にしないようにします。

もし表示先が元の文書になっていたら、「入力の元版を選び直すべきか」ではなく、「結果をどこに出すつもりか」を考え直します。表示先を新しい文書へそろえることと、入力欄の元版を正しく指定することは、両方必要です。片方だけを見て、二つの条件を確認済みにしないでください。

ここで述べている原本の扱いは、公式手順と選択条件の説明です。本稿の自作モデルは文章と太字を記録した教材であり、実際のDOCXを比較して入力ファイルの不変を測定したログではありません。自分の作業でも、設定の説明と、操作後にファイルをどう確認できたかを区別すると、報告が正確になります。

比較前に読む項目を、役割ごとに整理する

次の表は、操作を始める直前に、今回の例で何を選ぶかを整理したものです。実際のWordのダイアログを写した表ではありません。欄の並ぶ位置を暗記するためではなく、選んだ値を説明するために使います。表が画面に収まらない場合は横方向にも確認してください。

確認する役割 この練習での選択 中身との照合
元の文書 四行の元版 十五分、配布文あり、申込文は通常
変更された文書 三行の変更版 二十分、配布文なし、申込文は太字
結果の表示先 新しい文書 入力二つとは別の比較結果として読む
比較する要素 文字に加え書式も確認する 申込文の通常と太字を含める
差の表示単位 文字または単語のうち選んだ方 どちらを使ったかを記録する

上の最後の二行は、次章で詳しく分けます。今回の太字の違いを知りたいのに、比較する対象から書式を外していたら、目的と設定が対応しません。一方、文字か単語かという選択は、書式を比べるかどうかの代わりにはなりません。設定の名前が似ていても、それぞれ何を決めているかを読むことが大切です。

短い練習なら、選択内容を一文で読み上げても確認できます。「四行版を元、三行版を変更後にして、文字と書式を対象に、新しい文書へ結果を出す」。この文に、手元で選んだ表示単位を添えます。曖昧なところが残るなら、比較結果を見始める前に該当する選択へ戻ります。

履歴についての警告が出たら、入力の状態へ戻る

公式説明では、どちらかの版に既に変更履歴がある場合、メッセージが表示されることが示されています。そこで何も読まずに先へ進むと、単なる二つの完成文章を比べるつもりが、以前から残っていた提案をどう扱うかという別の条件へ入ってしまいます。

本稿の二版教材は、見出しと本文の文字列、および申込文の太字の状態を定めたものです。未処理の変更履歴を内包したDOCXを作って動作確認したものではありません。手元の文書で警告が出た場合は、教材と同じ状態だと思い込まず、第5章の履歴付き入力の説明と利用中の画面を照合します。

比較する権限のある二版を用意できない場合も、別のファイルを似た名前だけで代用しません。元版が不明なら、何を出発点として差を読めるかがまだ定まっていません。今回の操作へ必要なのは、比較したい二つを区別できることです。先にそこを確認すれば、結果の向きが分からないまま差だけを並べる作業を避けられます。

文字と書式を比べる条件と、差を表示する細かさを選ぶ

同じ申込文を通常文字と太字で並べ、文字と書式の違いを比べる説明用イメージ

文字が同じでも、確認したい書式は違うことがある

今回の申込文は、元も変更後も「申込みはメールで受け付けます。」です。申込先の語や句点は変えず、変更後だけ一文を太字にしています。この一文を文字列として照合すれば同じでも、通常と太字を比べる問いには違いがあります。何を確認したいかにより、同じ二版から読み取る範囲が変わります。

例えば依頼が「案内の文章が変わった箇所だけを教えてほしい」なら、まず相談時間と資料配布の文が論点になります。依頼が「配布する体裁の変化も確認したい」なら、申込文を強調した変更も確認対象です。前者の結果だけを渡して、書式まで同じだと説明すると、確認した範囲を広げ過ぎてしまいます。

Wordの比較には、文字の変更や書式、コメントなど、比べる要素を選ぶ設定があります。本稿では文字と書式に絞り、コメントがある二版や、表・脚注などの複雑な要素へは練習を広げません。手元の文書がそのような要素を含む場合は、本稿の短い本文例だけで全体の確認が終わるとは考えないでください。

この例で書式を対象に含める理由は、太字の違いを調べるためです。項目が多いほど精密だと考えて無差別に選ぶのではなく、知りたい差と設定を対応させます。文字の確認だけで足りる段階と、書式まで含める段階を分けると、差が増えた理由も説明しやすくなります。

文字レベルと単語レベルは、差の見せ方の細かさ

比較へ含める要素を決めたら、差を文字レベルで表示するか、単語レベルで表示するかを選びます。これは、通常と太字を比較対象に含めるかという先ほどの問いと別です。「文字レベルを選んだから書式も確認できた」「単語レベルだから文章の意味まで判定できた」とは読みません。

相談時間の文では、「十五分」と「二十分」のどこを変更として読むかに注目します。文字の一部分を細かく追いたいのか、周囲の語と合わせて読みたいのかを考え、実際の表示を見ます。日本語のどこで単語が区切られるかや、何個の変更として示されるかは、本稿の教材から固定しません。

表示単位を変えて差のまとまり方が違って見えても、相談時間について答えたい問いは同じです。元の文は十五分、変更後の文は二十分であるか。この文全体へ戻って確認します。赤い部分が少ないか多いかだけで、変更内容の重要さや適否を判断しないようにしてください。

また、単語という名称から、文章の意味が自動で整理されると期待し過ぎないことも大切です。時間の置換が、作業範囲の変更として合意されているかどうかは、文字や単語の表示単位を選んでも分かりません。表示は差を読む手掛かりであり、案内の内容を決定した理由の証明ではありません。

比較対象・表示単位・表示フィルターを別々に記す

結果文書を読むときの表示にも、確認する点があります。比較前に書式を対象へ入れることと、結果の変更履歴で書式を見せることは同じ操作ではありません。Microsoftの変更履歴の公式説明では、挿入・削除と書式などの表示や、すべての変更履歴を見せる表示が区別されています。

「太字の違いが見えない」と感じたときは、まず問いを分けます。比較を作る時点で書式を含めたか。結果を読む表示で書式を隠していないか。申込文の文字だけを探していないか。見えないという一つの感想から、二版の書式が同じだと飛躍しないことが大切です。

整理用のメモでは、比較対象、表示単位、結果の表示状態をそれぞれ書きます。例えば「文字と書式を対象、文字レベル、結果は書式の変更も表示して確認」とすれば、どの条件で読んだかが伝わります。これは記録の書き方の例であり、今その設定でWordを実行して出力を確認したという意味ではありません。

次の表は、今回の一文について、何を確かめたと言えるかを分けるためのものです。「対象外」と「非表示」は理由が異なり、いずれも書式が一致したという結論には置き換えられません。横に長い表は、画面上で右側の欄まで確認してください。

条件または確認の状態 申込文の扱い 説明に残すこと
文字列だけの照合 元と変更後で同じ文字列 太字の一致までは確認していない
文字と太字の状態を照合 通常から太字への差がある 今回の教材で定めた書式差
比較で書式を対象外にする 書式は今回の比較範囲に含めない 対象外を、書式差なしにしない
結果で書式の変更を隠す 見え方を絞って読む状態 非表示を、比較対象外や一致にしない

同じ二版で、確認する問いを一つずつ変える

練習では、いきなり多数の条件を変えるより、同じ二版について文字の問いと書式の問いを分けてみます。第一の問いは「相談時間と資料配布の文章は同じか」です。第二の問いは「文字が同じ申込文の強調は同じか」です。こうすると、比較対象を増やしたときに、何を追加で確かめたいのかが明確になります。

その後で文字レベルと単語レベルの表示を見比べる場合も、入力二つは同じものにします。入力版まで入れ替えてしまうと、結果の違いが表示単位によるものか、文章を変えたからなのか分かりにくくなります。条件を一つ変えたつもりなら、ほかの条件が同じかを確かめてから差を読んでください。

今回の自作モデルでは、申込文の文字列が等しいことと、通常・太字の値が異なることを別々に検算できます。文字レベルと単語レベルでWordがどう区切るかを再現するモデルではありません。この二つを区別したまま、次章では比較結果から元の文章へ戻る読み方を整理します。

比較する要素、表示単位、二つの入力、結果の表示先を確認できたら、比較画面の[OK]に相当する確定操作で比較を開始します。履歴についてのメッセージが出た場合は、無条件に進まず第5章の条件を確認してください。新しい結果文書が開いたことを確かめ、その文書を次章の読み方で確認します。設定を選んだだけの段階と、比較を実行して結果を開いた段階を分けます。

比較結果を、時間の置換・一文の削除・太字の変更へ戻して読む

二版の案内文で時間・資料配布文・申込文を別々に照合する説明用イメージ

時間の置換は、変更後の文が一文として成立するかを読む

比較結果が開いたら、まず「相談は一組十五分です。」と「相談は一組二十分です。」を対応させます。知りたいのは、元の文の時間が、変更後に何へ変わったかです。削除と挿入が別の印で示される場合も、それぞれを孤立した語として読むだけで終えず、元と変更後の一文へ戻します。

この例の読みは「一組当たりの相談時間を十五分から二十分へ変えている」です。十五分という文字が削除側に見えたことだけで、相談そのものを取りやめたとは判断しません。二十分という文字が挿入側に見えたことだけで、元からあった相談へ別の二十分を足すとも読みません。両方の全文が、読み違いを防ぐ戻り先になります。

表示されるまとまり方によっては、十五と二十の部分を細かく追う場合も、周囲を含めて読む場合もあるでしょう。どの単位で示されるかは利用中の結果で確認します。本稿では、時間について一つの意味上の論点があることと、Wordが何個の変更として数えるかを別にしています。

時間の変更を見つけたら、その場で承諾して完成させる必要はありません。比較の依頼であれば、「時間の文が変わった。採用するかは担当者へ確認」と報告できます。変更前後が分かった段階と、内容を採用する判断が済んだ段階を分ければ、二十分という新しい文字だけが正しい条件として一人歩きしにくくなります。

一文が消えたことと、反対の意味が追加されたことを分ける

次に、元版にあった「会場で資料を配布します。」を見ます。変更版の三行には、この一文がありません。今回の二版から確認できるのは、資料配布について述べた文が外れていることです。変更版に「資料は配布しません。」という文が新しく書かれているわけではありません。

この違いは、報告の表現に影響します。「資料を配布しないことへ変更」と断定すると、二版に存在しない否定文や意思決定を補ってしまいます。「資料配布の一文が変更版にない」と書けば、観測した文章の差に沿います。配布の予定自体を確認する必要があるなら、差の説明とは別に質問します。

文が削除側に示されたときは、ほかの場所へ移っていないかも、変更版の全文を読んで確かめます。今回の短い三行版では、見出し、時間、申込文をすべて提示しているので、配布の一文が残る場所はありません。長い実際の原稿で同じ結論を出すなら、その原稿での確認が必要です。本稿の短い例の結果を、そのまま別文書へ当てはめないでください。

削除の理由は、この二版だけでは分かりません。案内を短くしたかったのか、内容が未確定だったのか、単なる落とし込み漏れなのかは、文章の差から作らずに残します。比較結果には理由の説明が自動で付くとは考えず、必要な論点だけを担当者へ確認する形にします。

申込文は、同じ文字に付いた太字の差として読む

三つ目は申込文です。元版の「申込みはメールで受け付けます。」と、変更版の同じ一文を照合します。申込みが別の方法へ変わったわけではなく、メールという文字も変わっていません。今回の条件では、一文全体が通常から太字へ変わったことが、確認する差です。

太字の差を見るために、本文へ「太字に変更」という説明文を追加したり、申込文を二度書いたりする必要はありません。文字の内容と、その文字に付けた書式は別の情報です。比較結果を文章だけへ写すときは、「申込文の文字列は同じ。変更版では一文全体を太字」と、書式を言葉で説明すると伝わります。

ここで本文の字句が同じだからといって、文書全体が同じとは言いません。相談時間と資料配布の文には、既に文字の差があります。さらに、文字だけが一致する申込文の範囲にも書式差があります。どの範囲のどの要素が同じかを限定して述べると、比較条件と報告の対応が保てます。

反対に、太字があるから申込みが必須になったなど、意味上の条件を増やすこともしません。強調の意図は二版だけで確定できず、本文にその条件の追加もありません。書式が変わったという観測と、なぜ強調したかという質問を分けることが、この一文で確認したい点です。

逆向きと同版の対照で、読み方を点検する

二つの役割を逆にした場合の期待は、次の表のように整理できます。これは架空の二版から考える意味と書式の対応です。Wordの画面をこの配置で表示したという記録ではなく、比較結果を読む向きを自分で確かめるための表です。右端まで見えない場合は横方向にも確認してください。

確認する箇所 元版から変更版へ 変更版から元版へ
相談時間の文 十五分から二十分 二十分から十五分
資料配布の一文 ある状態から、ない状態へ ない状態から、ある状態へ
申込文の書式 通常から太字 太字から通常

逆向きにしたら、資料配布の文だけでなく、申込文の書式も逆に読む必要があります。削除と追加の印だけを入れ替え、書式は通常から太字のままだと考えると、同じ二版の関係になりません。この三行を別々に答えてみると、元・変更後の役割を最後まで保てているかを点検できます。

もう一つの対照は、同じ版の内容と同じ書式を自作モデルの両側へ渡す場合です。この教材の文字と太字の範囲では、差はありません。これはモデルが定めた値を同じ条件で比べた結果であり、任意のDOCXについて文書プロパティなどを含めた完全一致を保証する検査ではありません。

自作モデルでは、順方向、逆方向、同版同士、文字が同じで書式だけ異なる申込文を分けて検算しました。実際のWordの変更履歴件数や単語分割は再現していません。手元の結果が教材の期待と違うと感じたら、まず入力二版、対象にした要素、表示単位、結果の見せ方へ戻り、どこまで同じ条件かを確かめてください。

既存の変更履歴がある二版と、比較結果の保存を扱い分ける

既存の修正履歴を示す注記付きの原稿を、比較条件と照合する説明用イメージ

比較前からある履歴は、比較が作った差と区別する

二版がそろっていても、それぞれに未処理の変更履歴が残っていれば、今回の短い文章モデルとは条件が違います。画面に見えている十五分の文に、以前の修正提案が含まれていることも考えられます。その状態を確かめず、四行の確定した文章を元にしたつもりで進めると、何を基準に比べたかが曖昧になります。

Microsoftの文書比較の説明では、履歴がある場合のメッセージと、そこで進んだ際の第三文書の扱いが示されています。新しい文書へ結果を出す手順では、元文書の変更履歴を受け入れた状態を使い、変更された文書の変更を履歴として示すと説明されています。以前からある追跡情報を、そのまま同じ形で複製し続ける機能とは考えないでください。

この説明も、新しい文書へ結果を出すという条件の中で読みます。第2章で分けた出力先の選択を省き、どの操作でも入力二つが変わらないと一般化しません。また、本稿では履歴付きのDOCXを作って警告を操作した実測はありません。どのメッセージが出て、何を選んだかは、利用中の実際の文書で確認する範囲です。

警告が出たら、少なくとも「どちらに既存の履歴があるか」「その履歴を含んだどの状態を比較したいか」「原本をどう保管し、結果をどこへ出すか」を確認します。意味を理解せず、比較を早く終えるためだけに承諾する案内にはしません。組織のレビュー手順があるなら、その条件も確かめてから進めます。

教材の答えを、履歴付き入力の処理結果へ広げない

本稿のモデルは、見出し、時間の文、資料配布文、申込文に対し、本文の文字列と通常・太字の値を持たせたものです。以前の編集者、編集時刻、未承諾の挿入や削除、コメントの記録を入れたWordファイルではありません。そのため、「三つの論点を検算できた」ことから、履歴付き入力でも同じ状態で比較されるとは結論付けません。

例えば、元版の十五分という表示に未処理の提案が関わっているなら、最初に示した四行をそのまま確定文章として扱えるかを確認する必要があります。本稿はそこで架空の履歴を追加し、どのボタンを押せば必ずこの結果になると補いません。実際の入力と、公式が説明する処理の条件へ戻って判断します。

比較結果に校閲者などの表示があっても、そこから二版の間に行われた全編集の人や時刻を復元できると考えないことも大切です。二つの保存状態に差があることと、その間の編集過程がすべて残っていることは別です。今回の案内文でも、誰が二十分へ変えたのか、どの依頼で太字にしたのかは、二版本文から作らず未確認にします。

この枝の確認結果を報告するなら、「入力に既存の履歴があり、本文だけの教材とは条件が異なるため、比較時の扱いを確認中」と書けます。できていない操作を完了と報告せず、何が違っているかを具体的に残す方が、担当者も判断しやすくなります。履歴があること自体を理由に、内容を確認せず全文を採用する必要はありません。

第三の結果文書を、入力二つと比較条件へ対応させる

比較結果を残すときは、入力二つのどちらとも区別できる名前を付けます。例えば「相談会案内_v01とv02_比較結果.docx」とすれば、少なくとも何と何を比べた結果なのかを示せます。名前だけで比較条件を完全には表せないため、文字と書式を対象にしたこと、選んだ表示単位、結果を新しい文書へ出したこともメモへ対応させます。

今回なら、対応メモは「元は四行版、変更後は三行版。文字と書式を確認対象。表示単位は手元で選んだもの。結果は新しい文書」とできます。そこへ、実際に確認できた時間の置換、資料配布文の有無、申込文の太字を記します。表示単位の欄を空けたままなら未記録とし、文字レベルを使ったことに後から置き換えません。

保存した後は、その結果ファイルを開き直し、今回読みたい三つの箇所と、二版との対応を確認します。別の比較結果を同じ名前で残していないか、表示を変えたために書式の変更を見失っていないかも、対象を絞って見ます。保存できたという表示だけから、三論点を読み直したことにはしません。

結果の内容をさらに編集して第三の採用稿を作るなら、比較したときの結果との違いが分かるようにします。例えば二十分へ変えた案を担当者が戻した場合、その採用稿は、最初のv01とv02の差を示した結果と同じ目的の文書ではありません。比較の根拠を残したいのか、判断後の本文を渡したいのかに合わせ、ファイルと説明を選びます。

比較の報告を、採用判断の依頼とつなぐ

今回の教材であれば、比較の報告は次のようにまとめられます。「四行の元版から三行の変更版への比較で、相談時間は十五分から二十分になっています。資料配布の一文は変更版にありません。申込文の文字列は同じで、変更版のみ太字です」。これは文章と書式の差の説明であり、内容をすべて採用したという通知ではありません。

続けて必要な質問を添えるなら、「時間変更と配布文の扱いは、この内容で進めてよいでしょうか」と、判断を求める対象を示せます。変更理由を推測して書くより、差から生じた問いを短く示す方が伝わります。今回の例で、資料を配布しないと決まった、申込みが義務になったなど、本文にない条件を追加しないことも確認します。

変更を採用したり戻したりする具体的な操作や、履歴付き版と提出用の清書を分ける進め方は、公開済みのWord変更履歴の使い方で確認できます。比較が終わったからといって、その後の承諾や清書まで済んだ扱いにはしません。依頼された範囲に応じて、次の担当と行う作業を明確にします。

まずは短い二版で、入力の向き、新しい文書という表示先、文字と書式の比較対象、文字・単語の表示単位を分けてみてください。その条件を保ったまま時間・一文の有無・太字を元の文章へ戻して読めれば、何を比べてどこまで確認できたかを、相手に具体的に説明できます。