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こんにちは。『脱会社員』脱サラを応援し続けるブログ、運営者の『なかびー』です。

チェスを始めるときは、強い手を探す前に「その手を指してよいか」を判断できると、一局を続けやすくなります。駒の動きだけでなく、自分のキングの安全、直前に動いた駒、引き分けになる条件を分けて覚えましょう。

この記事では標準チェスを扱い、初期配置と14の構成教材を使います。盤面は条件の違いを説明するために作ったもので、実際の対局記録や勝率の測定ではありません。各局面の指し手と王手・終局状態は座標から検算していますが、全局面が最初の配置から何手で生じたかを証明したものではありません。対面の正式規則は2026年10月13日にFIDEのチェス規則と日本チェス連盟のルール解説で確認しました。オンラインでは申立てや時間切れの扱いが異なることがあるため、利用先の案内も確認してください。

目次
  1. 盤を置き、最初の一手を動かせる状態にする
  2. 六種類の駒を、進める場所と取れる場所で覚える
  3. チェックを受けたら、先に自分のキングを安全にする
  4. キャスリング・アンパッサン・昇格を条件ごとに試す
  5. メイトと引き分けを、チェックの有無から判断する
  6. 短い手順を並べてから、自分の一局を振り返る

盤を置き、最初の一手を動かせる状態にする

標準チェスの初期配置C01。白側から見て右手前h1は白いマス、クイーンは白d1と黒d8に置き、白から交互に動かす。

右手前の白升とa1〜h8を合わせる

盤は縦八列、横八段の六十四升です。自分から見て右手前の角が明るい色になる向きに置きます。升の文字が付いていない盤でも、先にこの向きを合わせてください。盤を九十度回したまま駒を並べると、見た目が似ていても正式な初期配置にはなりません。駒を置いた後に違いへ気づいたら、一部の駒だけを入れ替えるのではなく、盤の向きから直します。

この記事の盤面は白側を手前にし、左から右へa〜h、手前から奥へ1〜8と読みます。左手前がa1、右手前がh1です。図の上端は8段目なので、画面の上から数字を数える方法とは逆になります。たとえばe2は白のキングの一つ前、e7は黒のキングの一つ前です。座標は誰が見ても同じ場所を指すための名前で、黒の手番になっても付け直しません。

黒側から実物の盤を見ると、自分の右手前はa8になります。右手前を明るくする原則は変わりませんが、左から見える文字の順は白側と逆です。「右へ一つ」という説明だけでは相手に伝わらないので、離れた相手と並べ直すときは升の名前を使います。この記事の図を反対側から再現する場合も、h1にある駒をa8へ移すのではなく、同じ座標のまま見る向きだけを変えてください。

クイーンの色と左右の駒を確かめる

白の一段目はa1からルーク、ナイト、ビショップ、クイーン、キング、ビショップ、ナイト、ルークです。黒の八段目もa8から同じ種類の順に並びます。クイーンは白がd1、黒がd8で、それぞれ自分と同じ色の升に置きます。キングは隣のe1とe8です。王冠の形が似たセットでは、初めにキングとクイーンの見分け方も確かめておきましょう。

ポーンは白の二段目と黒の七段目に八枚ずつ置きます。初期状態では双方十六枚、合計三十二枚です。ナイトとビショップの位置を逆にすると、その後に説明する初手の候補が変わってしまいます。両端のルーク、その内側のナイト、さらに内側のビショップという順で左右を確認すると、中央の二枚だけを見て間違いを残すのを防げます。

※盤面が画面に収まらない場合は、横にスクロールできます。白側を下に表示しています。

C01:初期配置と通り道(白番)
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白:a2 ポーン、b2 ポーン、c2 ポーン、d2 ポーン、e2 ポーン、f2 ポーン、g2 ポーン、h2 ポーン、a1 ルーク、b1 ナイト、c1 ビショップ、d1 クイーン、e1 キング、f1 ビショップ、g1 ナイト、h1 ルーク。黒:a8 ルーク、b8 ナイト、c8 ビショップ、d8 クイーン、e8 キング、f8 ビショップ、g8 ナイト、h8 ルーク、a7 ポーン、b7 ポーン、c7 ポーン、d7 ポーン、e7 ポーン、f7 ポーン、g7 ポーン、h7 ポーン。

C01は完成した初期配置です。白のキングはe1にあり、その前のe2に白ポーンがいます。f1のビショップの斜め前はe2とg2で、どちらも味方のポーンが占めています。駒の種類を覚えるだけでなく、周囲の駒が道を塞いでいることにも注目してください。「ビショップは斜めへ進む」と知っていても、この時点では動かせません。

白から交互に動き、パスはしない

白が最初の一手を指し、次に黒、その後も交互に一手ずつ指します。駒を取りたいときだけ交代するわけではありません。相手の駒を取る手も、何も取らずに移動する手も一手です。キャスリングではキングとルークの二枚を動かしますが、これも一回の手番として扱います。自分が二手指してから相手に二手を許す、というまとめ方はできません。

自分の手番を飛ばす「パス」はありません。合法な手が見つからないときは、まずキングが攻撃されているかを調べます。攻撃されていて逃れる手がなければメイト、攻撃されておらず合法手がなければステイルメイトです。どちらも相手に手番を渡して続ける場面ではなく、その局面で対局が終わります。終局の判定は第五章の二つの盤面で確かめます。

目標は相手のキングを実際に取ることではなく、キングへの攻撃を相手が合法な手で防げない状態にすることです。チェックを受けたキングを放置したまま別の駒を取り、次の手でキングを取られるという進行にはしません。自分のキングを危険にする手は、最初から合法な候補に含まれないからです。この制約が、単に駒の移動方向だけを覚えた段階との大きな違いになります。

C01で初手の選択肢と遮る駒を読む

初手では、各ポーンの一歩前進と二歩前進、二枚のナイトの移動が選べます。白のe2ポーンならe3へ一歩、またはe4へ二歩です。e5まで三歩進むことはできません。初期配置では八枚のポーンに二通りずつで十六手、二枚のナイトに二通りずつで四手、合わせて二十の合法手があります。これは「いつでも二十手ある」という意味ではなく、C01だけの数です。

g1のナイトはf3またはh3へ動けます。途中にg2やh2のポーンがあっても、ナイトは間を通過する駒ではないため問題ありません。一方、f1のビショップをb5へ出そうとすると、最初の通り道e2が塞がっています。ナイトだけが駒を飛び越えられることと、ビショップの目的地b5が空いていることを別々に考える必要があります。

e2のポーンをe4へ進めると、e2が空きます。すると白の次の手番には、f1のビショップがその斜めの道へ出られる可能性が生まれます。ただし黒も一手指すので、道が空いたことだけで次の手の合法性まで保証されるわけではありません。駒を動かすと、移動先だけでなく元いた升も変わる。この二か所を見る習慣が、後で扱うピンやアンパッサンの理解につながります。

六種類の駒を、進める場所と取れる場所で覚える

白番の教材C03。白ポーンd4は黒ポーンe5を斜めに取れるが、前のd5の黒ポーンは取れず、空いている斜めのマスにも通常は進めない。

ルーク・ビショップ・クイーンは通り道を調べる

ルークは縦か横、ビショップは斜めに、途中の升が空いていれば何升でも進めます。クイーンはその二つを合わせた動きです。一手の途中で曲がることはできません。ルークで横へ二升進んでから縦へ一升、という動かし方は一手になりません。クイーンも、縦横斜めのいずれか一つの直線を選んで進みます。

通り道で最初に味方の駒に出会ったら、その升にも、その先にも進めません。最初に相手の駒に出会ったら、その駒を取って同じ升へ置くことはできますが、その先へ通り抜けることはできません。相手の駒を取りながらさらに奥の駒も取るような連続捕獲はありません。捕獲する一枚を盤から取り除き、自分の駒をそこへ移したら、その一手は終わりです。

たとえばルークがa1にあり、a4に味方があるなら、縦の候補はa2とa3までです。a4が相手の駒ならa4も捕獲先に加わりますが、a5以降はどちらの場合も候補になりません。この例では他の駒やキングへの攻撃をいったん省いて、通り道だけを比べています。実際の合法手では、この後さらに自分のキングが安全かを確認します。

ビショップは斜めに動くため、最初にいる升の色から変わりません。明るい升のビショップを、何回動かしても暗い升へ移すことはできません。相手の駒が斜めの隣にあるように見えても、座標の縦と横が同じ数だけ変化しているか確かめると、図の見間違いを減らせます。クイーンには斜めだけでなく縦横もありますが、ナイトのような曲がった到着地点は含まれません。

ナイトは途中を飛び越えても味方の升には着けない

ナイトの移動先は、縦に二升・横に一升、または縦に一升・横に二升ずれた場所です。途中の駒は飛び越えられます。ただし、到着する升に味方がいればそこへは置けません。「飛び越えられる」ことを「駒のある升へ自由に重なれる」ことと混同しないでください。相手の駒が到着地点にいれば、その一枚を取ることができます。

※盤面が画面に収まらない場合は、横にスクロールできます。白側を下に表示しています。

C02:ナイトの到着地点(白番)
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白:e6 ポーン、d4 ナイト、e1 キング。黒:e8 キング、c6 ポーン、b5 ポーン、f5 ポーン。

C02ではd4の白ナイトからb5、c6、f5にいる黒ポーンをそれぞれ取れます。三枚を一度に取るのではなく、このうち一つの到着地点を選ぶ別々の候補です。b5は左へ二つ上へ一つ、c6は左へ一つ上へ二つ、f5は右へ二つ上へ一つです。見た目の向きが違っても、座標の差を調べれば同じナイトの規則で説明できます。

e6もナイトの形としては届く升ですが、C02では白ポーンがいます。ここへは動けません。d5は空いていても、縦へ一つだけなのでナイトの動きではありません。この二つの不正解は理由が違います。e6は到着地点の味方が問題で、d5は移動の形が問題です。盤面で動けない手を見つけたとき、どの条件で落ちたのかまで言葉にすると別の局面にも応用できます。

盤の端では、形として候補になりそうな方向の一部が盤外へ出ます。盤を反対側へ回り込むことはありません。また、ナイトは途中を飛び越えるので、ナイトからのチェックを「間に味方の駒を置く」方法では防げません。跳躍という特徴は自分が攻めるときだけでなく、攻撃を受けたときの防ぎ方にも関係します。

ポーンの前進・取り・初回二歩は別の条件

白ポーンは段の数字が増える方向、黒ポーンは数字が減る方向へ進みます。通常の前進は真っすぐ一升で、その升が空いている必要があります。初めて動くときだけ二升進む選択もありますが、途中と到着地点の両方が空いていなければなりません。二歩前進は義務ではなく一歩を選べます。一度一歩進んだポーンが、その次に残しておいた二歩分を使うことはできません。

相手の駒を取るときは斜め前の一升へ移ります。正面に相手の駒がいても、ポーンはその駒を真っすぐ取れません。斜め前が空いているなら、通常はそこへ動けません。前進方向と捕獲方向が異なるので、ルークなどの「進める線上に敵がいれば取る」という理解を、そのままポーンへ当てはめないようにします。

※盤面が画面に収まらない場合は、横にスクロールできます。白側を下に表示しています。

C03:ポーンの前進と取り(白番)
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白:d4 ポーン、e1 キング。黒:e8 キング、d5 ポーン、e5 ポーン。

C03の白ポーンはd4、黒ポーンはd5とe5です。d5は正面の敵駒なので前進できません。一方、e5は斜め前の敵駒なので、d4からe5へ動いて取れます。c5は斜め前でも空き升なので通常の取りはできず、d3への後退もできません。四つの候補を比べると、「前が塞がったら全部動けない」わけではないことが分かります。

ここでe5の黒ポーンを取った白ポーンは、次からe筋のポーンとして前へ進みます。元のd筋へ戻そうとして斜めに動くことはできません。斜めへ進むには、その時点で捕獲の条件が必要です。また、端の段へ到達するとポーンのまま止まるのではなく昇格します。アンパッサンと昇格は例外のように見えますが、いずれも条件が明確なので、第四章で通常の取りと分けて確かめます。

キングが近づけない升を相手の利きで確認する

キングは縦横斜めの隣の升へ一つ動けます。ただし、到着地点が相手に攻撃されているなら移動できません。相手の駒を取る場合も同じです。目の前の敵駒を取り除いた後に、別の敵駒の線が通っていないかまで確認します。敵駒を取れば必ず安全になるのではなく、取ったことで後ろのルークやビショップの攻撃が現れる場合があります。

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C06:キングの接近禁止(白番)
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白:e3 キング、a2 ポーン。黒:a7 ポーン、e5 キング。

C06では白キングがe3、黒キングがe5にあります。白がe4へ進むと二つのキングが隣り合うため指せません。d4とf4も黒キングの斜め隣なので不可です。一方、d3は黒キングから二段離れており、この盤面では安全な候補です。キングの周囲を丸く眺めるより、相手のキングが攻撃する八つの隣接升に印を付けるつもりで調べてください。

この教材には白a2、黒a7のポーンが残っています。キング二枚だけの盤面にしなかったのは、その配置では双方ともチェックメイトを作れず、既に引き分けだからです。終わった対局でキングを動かし続ける例と、進行中の対局で指せる手の説明を混ぜないために、教材の前提を分けています。

相手の駒の「利き」は、相手が実際にその駒を動かせるかだけで判断しません。相手のキングを守るために動けない駒でも、その駒が通常攻撃する升への利きはあります。キング同士も、片方が相手を取ることはできないからといって、隣の升へ近づけるわけではありません。キングを移す候補では、相手に攻撃される升を先に除くのが安全な考え方です。

チェックを受けたら、先に自分のキングを安全にする

白番の教材C04。黒ルークe8のチェックに対し、白クイーンa4でe8のルークを取る、e4へ置いて遮る、白キングe1をd1へ逃がすという三つの別案。

攻撃されている線と逃げ場所を探す

キングが相手の駒に攻撃されている状態をチェックと呼びます。自分の手番でチェックされているなら、その攻撃を解消する手を選ばなければなりません。別の場所でクイーンを取れそうでも、自分のキングが攻撃されたままなら、その手は指せません。駒の損得を比べる前に、合法な候補を絞るための条件です。

チェックの元を調べるときは、キングの位置から縦横斜めに線をたどり、最初にいる駒を確認します。ルークやビショップの線だけでなく、ナイトの跳躍、ポーンの斜め前、相手キングの隣接升も別に調べます。ポーンは前進方向とは違う升を攻撃するので、キングの正面にポーンがいるという見た目だけで判断しないようにします。

キングの逃げ場所は、今見えている攻撃だけで決めません。キングを動かして元の升を空けると、その升に遮られていた線が通ることがあります。相手の駒を取って逃げる場合も、取り除いた後の配置で安全を見直します。手を考える段階で「移した後の盤」を一度頭の中に作り、その盤でキングが攻撃されていないかを確かめます。

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C04:チェックの三つの解除(白番)
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白:a4 クイーン、e1 キング。黒:e8 ルーク、h8 キング。

C04ではe8の黒ルークがe1の白キングを縦に攻撃しています。間のe2〜e7は空いているので、ルークの線が通っています。白のクイーンはa4、黒キングはh8です。まず「どの駒から、どの線で攻撃されているか」をこの一本に絞ると、クイーンの多くの移動候補から、防御に関係する手を選びやすくなります。

攻撃駒を取る・間に置く・逃がすを比べる

第一の候補は、a4の白クイーンでe8の黒ルークを取る手です。a4、b5、c6、d7、e8という斜めの道に邪魔な駒がなく、攻撃元のルークが盤から消えます。白キングへのチェックは解消されます。移動後のクイーンはe8からh8の黒キングも攻撃しますが、「相手にチェックするから合法」なのではありません。自玉が安全になった結果として合法であり、そのうえで相手にチェックがかかっています。

第二の候補は、クイーンをa4からe4へ移して、ルークとキングの間に置く手です。e4に白クイーンが入ることで、e8のルークの線はそこで止まり、e1へ届かなくなります。間に置いた駒が次に取られる可能性は、手の良し悪しを考える別の問題です。この一手の合法性は、現在のチェックを防ぎ、自分のキングが他の攻撃も受けていないかで判断します。

第三の候補は、白キングをe1からd1へ逃がす手です。d1はe筋ではなく、この盤面では黒ルークにも黒キングにも攻撃されていません。反対にクイーンをa4からa5へ動かしても、e筋の線は変わりません。クイーンの移動の形としては正しくても、自玉がチェックされたままなので指せません。駒の移動規則と、キングの安全の二段階を分けて確認できます。

三つの方法は、すべてのチェックで必ず選べるわけではありません。ナイトの攻撃には間へ置く升がなく、隣からの攻撃も遮断できません。二枚の駒から同時にチェックされるダブルチェックでは、通常の標準チェスではキングを動かして両方の攻撃から逃れる必要があります。一つの攻撃元だけを取ったり、一方の線だけを塞いだりして、もう一方を残さないようにします。

味方の駒を動かしてチェックを作らない

チェックを受けていないときも、好きな駒を自由に動かせるとは限りません。自分の駒が敵の攻撃を遮っている場合、その駒を動かすとキングへの線が開くことがあります。自分で自分のキングをチェックにさらす手は指せません。相手が次にキングを取るかどうかを待って判断するのではなく、動かした直後の状態で禁止されます。

※盤面が画面に収まらない場合は、横にスクロールできます。白側を下に表示しています。

C05:動かすと自玉に線が通る(白番)
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白:e2 ルーク、e1 キング。黒:e8 ルーク、h8 キング。

C05では黒ルークがe8、白キングがe1、白ルークがe2です。白ルークが間にいるので、現在の白キングはチェックされていません。しかし白ルークをe2からa2へ横に動かすと、e筋が空いて黒ルークの線が白キングへ通ります。a2が空いていて、ルークの移動方向にも合っていても、この手は指せません。

白ルークをe2からe3へ動かす場合は、同じe筋上で遮る役割が残ります。この教材では合法です。また、e2からe8へ進んで黒ルークを取れば、攻撃元そのものが消えるので、これも合法になります。「キングの前で縛られた駒は一切動けない」と覚えると、この二つまで誤って除いてしまいます。動かした後も線を塞いでいるか、攻撃元を除いたかを比べてください。

このように、後ろの重要な駒を守るために動きが制限される形をピンと呼びます。ここでは後ろがキングなので、自玉を危険にする移動はルール上できません。後ろがクイーンなら、動かすと損をすることはあっても、同じ理由で必ず違反になるわけではありません。「損だから避けたい手」と「そもそも合法でない手」を分けると、解説の意味を取り違えにくくなります。

王手の声と合法手の判定を混同しない

対面で練習するときに「チェック」と声を掛けることはありますが、声がなければ攻撃を無視してよいわけではありません。盤面の状態でチェックかどうかが決まります。逆に、相手がチェックと言ったから必ず正しいとも限りません。攻撃元の駒と通り道を見て、キングまで実際に利きが通っているかを確かめましょう。

初心者同士で不正な手に気づいたら、学習用の対局ではその手を戻し、どの条件を見落としたかを一緒に確認すると理解しやすくなります。ただし、競技会やオンライン対局の違反処理は、その場の規則と運営の判定に従います。練習のための戻し方を、公式対局でも自由に使える権利だとは考えないでください。

候補を確かめる順は、駒の種類に合う動きか、途中と到着地点は適切か、動かした後に自玉が安全か、の三段階です。C04のa4からa5は最後の段階で落ち、C05のe2からa2も最後で落ちます。C02のd4からe6は味方のいる到着地点で落ちます。違反の理由を同じ言葉でまとめず、どの段階が違ったかを記録すると、再び同じ誤りをしたときにも直す場所が明確になります。

キャスリング・アンパッサン・昇格を条件ごとに試す

キャスリングは動いた履歴とキングの通り道、アンパッサンは相手の二歩前進の直後、昇格はクイーン・ルーク・ビショップ・ナイトの四択を確認する。どの手も自分のキングを危険にできない。

キャスリングは通る升と動いた履歴を確認する

キャスリングは、キングを元の升からルークの方へ二升動かし、そのルークをキングが通り過ぎた升へ移す特別な一手です。白のキング側ならキングがe1からg1、h1のルークがf1へ移ります。クイーン側ならキングがe1からc1、a1のルークがd1へ移ります。キングがルークの元いた升まで行くわけではなく、どちら側でもキングの移動は二升です。

黒でも同じ仕組みで、キング側はe8からg8とh8からf8、クイーン側はe8からc8とa8からd8です。この記事では標準の初期配置を前提にしています。駒の開始位置が変わるチェス960のキャスリングまで、この升の説明で扱えるとはしません。最初は白の二通りを並べて、黒では段の数字だけが八になると考えると整理できます。

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C07:両側のキャスリング(白番)
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白:a1 ルーク、e1 キング、h1 ルーク。黒:a8 ルーク、e8 キング、h8 ルーク。

C07では、双方のキングとルークが元の位置にあり、白には両側のキャスリング権があると指定しています。白のキングと対象ルークの間は空き、キングの現在地と通過地点、到着地点も安全です。そのため白はe1からg1、またはe1からc1のどちらにもキャスリングできます。この二つは一手の別案で、片方を指した後に続けてもう片方も使えるわけではありません。

C07では黒のa8ルークが白a1ルークを、黒h8ルークが白h1ルークを縦に攻撃しています。それでも、ルーク自身が攻撃されていることだけではキャスリングは禁止されません。安全を確認する対象は、キングがいる升、通る升、着く升です。ただし、ルークとキングの間に駒があれば別の条件で指せなくなります。安全の条件と、間が空いている条件を混ぜないでください。

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C08:通過する升目の攻撃(白番)
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白:a1 ルーク、e1 キング、h1 ルーク。黒:e8 キング、f8 ルーク。

C08では黒ルークがf8にあり、f1までの線が空いています。白キングがキング側へキャスリングするとf1を通るため、この手は指せません。到着するg1だけを見て安全だと判断しても不十分です。現在地e1がチェックされていないこと、到着地g1が安全なことに加えて、途中のf1も安全でなければなりません。

一方、この教材ではクイーン側のe1からc1は合法です。キングはd1を通り、c1へ到着します。クイーン側はルークとの間のb1、c1、d1が空いている必要がありますが、キングが通るのはd1とc1です。b1の攻撃の有無と、b1に駒があるかは別の条件です。この違いを理解すると、短い側と長い側で単純に鏡写しではない確認箇所を整理できます。

一度動いた駒の権利は元に戻しても戻らない

キングが既に動いていたら、そのキングのキャスリング権は失われています。対象のルークが既に動いていた場合も、そのルークを使う側の権利を失います。元の升へ戻したからといって復活しません。したがって、現在の駒配置だけを写した画像では、キャスリングできるかを完全には判断できないことがあります。

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C09:戻っても戻らない権利(白番)
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白:a1 ルーク、e1 キング、h1 ルーク。黒:a8 ルーク、e8 キング、h8 ルーク。

C09はC07とまったく同じ配置ですが、白にはキャスリング権がないという条件です。そのためe1からg1もe1からc1も指せません。空いている升と敵の利きだけを見れば問題がなくても、移動履歴の条件を満たしていないからです。教材を並べるときは、駒の位置に加えて「未移動か」「権利ありと指定されているか」を読み落とさないようにします。

キングを動かさずh1のルークだけを動かして戻した場合は、キング側の権利は失いますが、それだけでa1側まで失うとは限りません。キングとa1ルークが未移動で、他の条件も満たせばクイーン側を使える可能性があります。逆にキングを一度動かして戻した場合は、両側とも失います。「何か一枚が動いたら全部不可」という大ざっぱな覚え方ではなく、どの駒の履歴がどの側へ影響したかを分けます。

昇格してできた新しいルークを元の角へ置いても、失われたキャスリング権を作り直すことはできません。途中から盤面だけを再現して練習するときは、駒の形を見て権利を推測せず、教材や棋譜に指定された権利を使います。対局アプリがキャスリングを受け付けないときも、まず移動履歴とキングの通過升を確認すると、単なる操作ミスと規則上の禁止を切り分けられます。

アンパッサンは直後でも自玉が危険なら指せない

アンパッサンは、相手ポーンが元の位置から二升進み、自分のポーンの隣に来た直後に使える特別な取り方です。自分のポーンは、その相手が一升だけ進んだとしたらいた升へ斜めに移り、二升進んだ相手ポーンを盤から取り除きます。自分の着地する升と、取る相手のいた升が異なることが、通常のポーンの捕獲との違いです。

※盤面が画面に収まらない場合は、横にスクロールできます。白側を下に表示しています。

C10:アンパッサン直後(白番)
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白:e5 ポーン、e1 キング。黒:e8 キング、d5 ポーン。

C10は白ポーンがe5、黒ポーンがd5にあり、直前の黒の手をd7からd5の二歩前進と指定しています。白はe5からd6へ進み、d5の黒ポーンを取れます。着地先d6は空き升ですが、直後の二歩前進という条件があるため特別に捕獲できます。e5からd5へ横に動く取り方ではないので、相手ポーンの位置だけを追いかけないようにしてください。

アンパッサンを選ばず別の手を指すこともできます。ただし、この特別な取り方を使えるのは直後の一手だけです。後になって気が変わっても、同じポーン同士が隣り合っているという理由だけでは使えません。相手の二歩前進に対して、こちらが今すぐ選ぶかどうかを決める権利だと考えると、期限を覚えやすくなります。

※盤面が画面に収まらない場合は、横にスクロールできます。白側を下に表示しています。

C11:アンパッサンを見送った後(白番)
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白:e5 ポーン、e1 キング。黒:e8 キング、d5 ポーン。

C11の駒の配置はC10と同じですが、直前にd7からd5の二歩前進があったという条件はありません。白のe5からd6は指せません。d6には取る相手もいないので、通常のポーンの取りとしても成立しません。この二つの盤面を見比べる目的は、図が同じでも手の可否が変わる場合があると確かめることです。位置だけを記録したメモには、必要なら直前の手も添えます。

※盤面が画面に収まらない場合は、横にスクロールできます。白側を下に表示しています。

C12:アンパッサンで自玉が露出(白番)
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白:e5 キング、f5 ポーン。黒:h8 キング、g5 ポーン、h5 ルーク。

C12は白キングe5、白ポーンf5、黒ポーンg5、黒ルークh5で、直前の黒の手をg7からg5と指定しています。白ポーンがf5からg6へアンパッサンすると、f5が空き、取られたg5のポーンも消えます。その結果、h5の黒ルークからe5の白キングまで横の線が通ります。自玉をチェックにさらすため、この取り方は指せません。

この局面では白ポーンをf5からf6へ普通に一歩進める手は合法です。f5が空いてもg5の黒ポーンが残り、h5ルークの線を遮るためです。「隣のポーンを取れる条件があるか」と「取った後にキングが安全か」は別の検査です。アンパッサンでは二つの升が同時に空くので、着地先だけを見た確認ではこの禁止を見落としやすくなります。

昇格の四択を、進む場合と取る場合で確かめる

ポーンが相手側の最後の段へ進んだら、その一手の中で同じ色のクイーン、ルーク、ビショップ、ナイトのいずれかへ交換します。白なら八段目、黒なら一段目です。ポーンのまま次の手番まで待ったり、キングへ変えたりすることはできません。交換した駒の働きはその場で有効になるので、昇格したクイーンやナイトがすぐにチェックすることもあります。

※盤面が画面に収まらない場合は、横にスクロールできます。白側を下に表示しています。

C13:昇格は四種類(白番)
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白:g7 ポーン、e1 キング。黒:a8 キング、h8 ルーク。

C13では白ポーンがg7にあります。g8が空いているので、一歩進みながら四種類のいずれかに昇格できます。h8には黒ルークがいるため、g7からh8へ斜めに取りながら昇格する手もあります。通常の前進と捕獲の向きは最後の段でも変わらず、到着時に駒の種類を選ぶという条件が加わります。

多くの場面ではクイーンが強力ですが、ルール上は四種類から選べます。既に自分のクイーンが盤上に残っていても、新たにクイーンを作れます。以前取られた駒の種類や枚数に選択が限定されるわけではありません。実物の駒が足りないときの代用品の扱いは、相手や大会の案内に従い、何へ昇格したかが曖昧にならないようにします。

ナイトへ昇格する選択にも意味が生じることがあります。ナイトだけが届く升へのチェックが必要な場合や、クイーンにすると相手をステイルメイトにしてしまう場合などです。ただし、C13を「必ずナイトにすべき問題」としては扱いません。ここで確かめるのは四種類が合法な選択であることと、昇格を省いた手が認められないことです。最善の選択を探す練習は、合法性を理解した後に別の問題で行えます。

メイトと引き分けを、チェックの有無から判断する

黒番のメイトC14とステイルメイトC15を比較。どちらも合法手はないが、C14はチェック中なので黒の負け、C15はチェックされていないため引き分け。

C14はチェックを防ぐ合法手がない

チェックメイトは、キングがチェックされていて、その攻撃から逃れる合法手が一つもない状態です。キングを動かせないだけでは足りません。他の駒で攻撃元を取ったり、線を遮ったりできる場合は、まだメイトではありません。逆に、盤上に多くの駒が残っていても、チェックを解消する手がなければその時点で負けになります。

※盤面が画面に収まらない場合は、横にスクロールできます。白側を下に表示しています。

C14:メイト(黒番)
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白:g7 クイーン、f6 キング。黒:h8 キング。

C14では黒キングがh8、白クイーンがg7、白キングがf6です。g7のクイーンは斜めにh8を攻撃しているので、黒はチェックされています。黒キングが盤の内側へ移動できそうな升はg8、h7、g7の三つです。盤外の候補はなく、他の黒駒もないため、この三つの安全性を順に調べれば逃げ道を確認できます。

g8は白クイーンと同じg筋、h7は同じ七段目にあり、いずれもクイーンの利きです。g7へ動けばクイーンを取れるように見えますが、g7はf6の白キングが守っています。したがってクイーンを取る手も指せません。攻撃元を取れるかを考えるときは、その駒の後ろや周囲にいる別の駒の守りまで確認する必要があります。

黒にはチェックを解消する手がなく、C14はメイトです。この状態から黒キングを取る白の次の一手は必要ありません。黒の手番で合法手がないことを確認した時点で終局しています。最後に残った駒の数や、クイーンが取られそうな見た目ではなく、攻撃と逃げ道を一つずつ照合すると判定できます。

C15はチェックがなくても動けない

ステイルメイトは、手番の側のキングがチェックされておらず、その側に合法手が一つもない状態です。標準チェスでは引き分けになります。メイトと共通するのは合法手がない点ですが、キングが現在攻撃されているかが違います。「相手を動けなくしたから勝ち」とだけ覚えると、勝てそうな局面を引き分けにしてしまう場合があります。

※盤面が画面に収まらない場合は、横にスクロールできます。白側を下に表示しています。

C15:ステイルメイト(黒番)
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白:f7 キング、g6 クイーン。黒:h8 キング。

C15も黒キングはh8ですが、白キングはf7、白クイーンはg6です。g6のクイーンからh8へは、縦横斜めの直線が通っていません。f7の白キングもh8とは二筋離れており、h8を攻撃していません。したがって、まず現在の黒キングがチェックされていないことを確認できます。

それでもg8へ移るとg6クイーンの縦の利きがあり、h7へ移ると同じクイーンの斜めの利きがあります。g7はクイーンの縦の利きに加え、f7キングの隣でもあります。三つの候補はすべて危険で、黒には他の駒もありません。チェックはないが合法手もないため、C15はステイルメイトによる引き分けです。

C14とC15を並べると、どちらも黒キングの移動候補はゼロなのに、結果が変わります。判定の最初に現在のキングへの攻撃を調べ、それから全合法手の有無を調べる二段階にしてください。盤上の白クイーンがどれほど強くても、引き分けの規則を上書きすることはありません。駒を大きく得ている側ほど、相手の合法手を残しているかを見落とさないことが大切です。

デッドポジションと合意の引き分けを分ける

双方がどのような合法手の組合せを指してもチェックメイトが起こり得ない配置は、デッドポジションとして引き分けになります。キング対キングだけの盤面が分かりやすい例です。これは「上手に守れば負けない」という評価とは違います。どちらかが大きく間違えればメイトが起こり得る配置まで、単に駒が少ないという理由でデッドポジションにしません。

ここでいう可能性は、双方が最善手を指すという前提ではありません。合法な手の並びとしてメイトが起こり得るかという条件です。そのため「この駒だけでは相手が正しく守ったとき勝ち切れない」と「規則上メイトが一切起こらない」は別です。初心者のうちは曖昧な駒数表を暗記するより、明確なキング対キングの例と、判断に迷えば公式規則や対局の判定を確認する姿勢を持つ方が安全です。

FIDE規則では、両者が少なくとも一手ずつ指した後に、双方の合意で引き分けにすることもできます。ステイルメイトやデッドポジションとは別の成立理由です。一方が引き分けを提案しただけで、相手が応じていない対局を終了した扱いにはしません。大会によって引き分け提案の制限が設けられることもあるため、競技では案内に従います。終局済みの盤面で、さらに合意がないと引き分けにならないと考える必要もありません。

投了は引き分けではありません。自分が負けを認めて対局を終える行為で、相手への引き分けの提案とは区別します。ただしFIDEの投了に関する規則にも、相手がどのような合法手の連続でもメイトできない場合の例外があります。初心者同士で盤を片づける前に、どの理由で終わったのかを言葉で確認すると、次の対局で規則を混同しにくくなります。

反復・手数・時間切れには追加条件がある

同じ局面が繰り返される場合にも引き分けの規則があります。対面のFIDE規則では、三回の同一局面による引き分けは正しい申立ての条件を伴い、五回の同一局面では自動的に引き分けになります。三回になったら何もせず必ず終了する、と一括りにはしません。これから指す手で三回目になる場合を含め、申立て方法には規定があるため、競技で実際に申し立てるときはその手続を確認してください。

同じ局面かどうかは、駒の配置だけでは決まりません。手番が同じで、同じ種類・色の駒が同じ升にあり、指し得る手も同じである必要があります。反復は連続していなくても数えます。一度キングを動かして戻した配置は、移動前のキャスリング権がある配置と同じではありません。C07とC09の比較は、この違いを理解する手がかりになります。

アンパッサンも、合法に捕獲できる権利があるかによって同一局面の判定へ影響します。ただ隣にポーンがあるか、記録の一項目に升の名前が入っているかだけで機械的に同じ・違うと決めないでください。C10では直後の取りが可能ですが、C12では自玉を危険にするため取りができません。見た目の配置だけで履歴に関わる規則を判断できない例として、特殊手の条件を思い出せます。

五十手の規則と七十五手の規則では、最後のポーン移動または駒の捕獲から、両者それぞれが何手指したかを数えます。片方が五十回動いたという意味でも、白黒合わせて五十回という意味でもありません。ポーンが動くか駒が取られれば、その出来事から数え直します。対面のFIDE規則では五十手は正しい申立て、七十五手は自動的な引き分けの条件です。ただし七十五手に達する最後の手でチェックメイトした場合は、メイトが優先されます。

時計を使う対局では、時間切れも終局の理由になります。ただし相手がどのような合法手の連続でもメイトできない配置なら、FIDE規則上は引き分けとなる例外があります。「時計がゼロなら例外なく負け」とは覚えないでください。オンラインでは不足戦力や反復、申立てをサービス側がどのように処理するかも関係します。練習を始める前に、盤のルールと使用サービスの表示・自動判定を分けて確認します。

短い手順を並べてから、自分の一局を振り返る

1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bc4 Bc5 4.O-Oの七半手を並べる復習例。白のキャスリング後はキングg1、ルークf1となり、自分の対局ではキングの安全と特殊手の条件を振り返る。

七半手を座標と記譜で対応させる

最後にC01の初期配置へ戻り、白e2からe4、黒e7からe5、白g1からf3、黒b8からc6、白f1からc4、黒f8からc5、白のキング側キャスリングを順に並べます。白または黒の一回の着手を一半手と数えると、ここまで七半手です。この手順は合法な短い練習例で、最善手や必勝の定跡を保証するものではありません。

通常の記譜では、この例を「1. e4 e5 2. Nf3 Nc6 3. Bc4 Bc5 4. O-O」と表せます。数字の一つの組に白の手と黒の手が入り、最後は白の四手目までです。e4のように駒の文字が付いていないのはポーンの手、Nはナイト、Bはビショップです。キングはK、クイーンはQ、ルークはRを使います。ナイトをキングと同じKにしない点に注意してください。

記譜を読むときは、駒の文字と到着地点だけを眺めず、現在の盤からどの駒がそこへ動けるかを確認します。この練習のNf3はg1のナイトで、b1のナイトからはf3へ一手では届きません。同じ種類の駒が同じ升へ動ける場合には出発側を区別する情報が付きますが、まずは一手ずつ盤へ反映する方法で読み違いを防げます。

取りを表すx、チェックの+、メイトの#も、駒の位置を追う補助です。たとえばC04でクイーンがa4からe8のルークを取る候補は、取った後にh8の黒キングへチェックするのでQxe8+となります。ポーンがd4からe5の駒を取るなら、出発した筋を使ってdxe5です。記号を覚えるために盤面を省くのではなく、盤面で分かった内容を短く記録するために使います。

キャスリング前に通り道が空く理由を見る

初手e4で白のe2が空き、黒のe5で黒のe7が空きます。これにより、白f1のビショップはe2からd3を通る斜めの道を使えるようになり、黒f8のビショップにもe7からd6を通る道ができます。ポーンの一手が、別の駒の出口を作っていることを確認できます。開いた出口はビショップが必ず出なければならないという命令ではなく、候補を増やす変化です。

白のNf3でg1が空き、Bc4でf1が空きます。キング側キャスリングに必要な二つの間の升が、別々の手で空きました。この順では白キングもh1ルークもまだ動いていないので、履歴の条件も保っています。駒の移動が分かったら、「今は間が空いているか」「未移動の権利が残っているか」をもう一度別々に確認してください。

それでも、二つの升が空いたことだけでキャスリングを決めてはいけません。七半手目の直前の盤で、e1、f1、g1が黒の駒に攻撃されていないかを調べます。この練習手順では条件を満たすため、白はO-Oを指せます。指した後はキングがg1、ルークがf1です。キングだけを動かしてh1のルークを置き忘れたり、ルークをe1へ置いたりしないよう、二枚の到着地点まで照合します。

黒のビショップc5は白のf2方向へ斜めに利いていますが、それだけで白のキャスリングが禁止になるわけではありません。条件で見るのはキングが現在いる升と、通る升と、到着する升です。盤全体に何らかの攻撃があることと、キャスリングで使う三升が危険なことは違います。攻撃線を見つけるたびに、どの条件へ関係する線なのかを対応させると判断が具体的になります。

一局後は負けた理由より違反した条件を点検する

最初の一局では、勝敗だけを記録するより、分からなくなった一手を一つ残すと復習しやすくなります。「ナイトを動かせなかった」だけでなく、出発地点、到着したかった地点、手番を書きます。C02ならd4からe6へ行けなかった理由は味方ポーン、d4からd5へ行けなかった理由はナイトの動きの形です。同じ「動かせない」でも、覚え直す項目が違います。

キングが関わる誤りは、動かす前と後の二つの配置を比べます。C05のe2からa2なら、移動先a2ではなく空いたe2を通る黒ルークの線が原因です。C12のアンパッサンなら、f5とg5の両方が空くことが原因です。移動した駒だけを追っていると、盤から消えた駒や元いた升の変化を見落とします。再現した盤で、その線を升ごとにたどってみてください。

特殊手の誤りなら、位置に加えて履歴を書きます。キャスリングはキングと対象ルークが以前に動いたか、アンパッサンは直前の相手の手が何だったかです。盤の写真一枚しか残っていない場合、分からない履歴を都合よく補って正誤を断定しません。「この写真だけでは権利が分からない」と区別できること自体が、規則を理解するための大切な一歩です。

引き分けを見落としたなら、チェックの有無と、動かせる駒が本当に一枚もないかを別の欄に書きます。C15で黒キングが動けないことを確認しても、もし他に黒駒がいて合法に動けるなら、同じ理由でステイルメイトとは限りません。教材の駒を一枚足すだけでも結論が変わることがあるため、覚えるのは図の見た目ではなく、判定に使った条件です。

次の練習と別のゲームの選択を分ける

手の可否を復習するときは、最初から十五局面を通して解く必要はありません。駒の動きで迷うならC02とC03、自玉の安全ならC04とC05、履歴の違いならC07とC09、C10とC11を一組にして使います。答えだけを覚えたと感じたら、なぜもう一方は駄目なのかを説明してください。条件が一つ変わると結論がどう変わるかを比べる方が、長い手順の丸暗記より今回の目的に合っています。

C14とC15では、盤面を見てすぐ「黒が動けない」と答える前に、現在のチェックの有無を口に出して確かめます。C13ではクイーン以外への昇格も選択できるかを確認し、C06では白キングの移動候補を黒キングの周囲から除いていきます。毎回同じ問いを繰り返すのではなく、自分が間違えた条件に合わせて確認する出力を変えると、どこまで理解できたかが分かります。

標準チェスの駒の動きから練習を続けたい場合は、無料で利用できるLichessのチェスの基礎練習も参考になります。この記事では、その動的な練習問題を実際に完了した体験や、習得時間の測定はしていません。対局中の外部助言に関する規則を守り、教材の確認は練習や対局後の振り返りで行ってください。

別の盤上ゲームも探したい18歳以上のiPhone利用者は、TopTopで遊べるゲームと利用前の確認点も参考にできます。TopTopで標準チェスが遊べることや、この記事の教材をそのまま続けられることは確認していません。チェスの練習先とは分けて、紹介記事の対象条件と遊べる内容を確かめてください。

最初の一局を終えたとき、すべての規則を暗記できている必要はありません。次に直す点を、ポーンの取り方、キングの安全、特殊手の履歴、終局の条件のどれかに絞ります。一手が指せるかを理由付きで判断し、分からない条件をそのままにしないことが、次の一局を自分で進める土台になります。