職業訓練受講給付金はもらえる?収入・世帯の条件と毎月の申請準備
※本記事にはPRを含む場合があります。
職業訓練受講給付金は、雇用保険を受給できない人などが、ハローワークの支援指示を受けて訓練を受ける間の生活を支える制度です。月10万円の職業訓練受講手当に加え、条件に応じて通所手当や寄宿手当があります。本人の収入だけでなく、世帯の収入・資産、出席、毎月の申請まで確認します。
「アルバイトをしている」「家族と同居している」という一点だけで、対象かどうかは決まりません。この記事では、誰のどの期間の資料を集め、申請書のどこへつなげるかを順に整理します。制度確認日は2026年10月10日。厚生労働省の現行入口に掲載された「求職者支援制度・訓練受講のしおり」PL070401 訓01を基準にしており、個別の支給可否はハローワークで確認してください。
求職者支援制度の対象と、自分が使う給付を確かめる

訓練を受ける条件と、給付金を受ける条件を分ける
求職者支援制度を利用するときは、まず就職のための訓練が必要かをハローワークで相談します。求職の申込みをしていること、雇用保険の被保険者や受給資格者ではないこと、働く意思と能力があること、訓練などの支援が必要と認められることが、特定求職者として支援を受ける主な要件です。
離職前の雇用保険に加入していなかった人、雇用保険の受給が終わった人、一定額以下の収入で働きながら転職を目指す人などが相談の対象になります。パートという呼び方でも雇用保険に加入している場合があり、自営業でも事業を続ける状況は人によって違います。働き方の名称より、実際の契約、加入状況、就職希望を伝えましょう。
訓練を受けるには、コースへの申込みや訓練実施機関の選考などもあります。給付金の収入基準を満たしているだけで、希望するコースへの入校が決まるわけではありません。逆に、訓練に合格しただけで毎月の給付が決まるわけでもありません。受講までの手続きと給付の手続きを、別々に確認する必要があります。
給付金には、収入、金融資産、不動産、過去の受給などの条件が加わります。受講が始まった後は出席状況やその期間の収入も審査されるため、最初の相談時に対象の可能性があった人でも、全期間の支給が約束されたことにはなりません。この違いを知っておくと、書類の提出や毎月の来所を見落としにくくなります。
雇用保険の受給資格がある間は、別の給付を確認する
基本手当の受給資格がある人は、その資格がある間、職業訓練受講給付金を受けることはできません。「今月は入金がない」「失業手当の申請をまだしていない」といった事情だけで、受給資格がないと判断しないでください。離職票や受給資格者証などを示し、現在の資格と今後の扱いを確かめます。
雇用保険を受給中でも、就職に適した訓練と判断されれば、求職者支援訓練を受けられる場合はあります。ここで異なるのは、受講の可能性と生活費を支える給付の種類です。コース名に「求職者支援」とあることを根拠に、基本手当と職業訓練受講給付金の両方が出ると考えないようにしましょう。
ハローワークの受講指示による基本手当の扱いや訓練延長を調べたい人は、職業訓練で失業保険が延長される条件と申込みの流れを確認してください。本記事では、その残日数計算を繰り返さず、雇用保険を受給できない人などの給付申請に必要な確認へ絞ります。
また、在職中に無給休暇を取って学ぶ「教育訓練休暇給付金」や、昼間の専門実践教育訓練を受ける一定の失業者向けの「教育訓練支援給付金」とも異なります。似た名称の制度の条件を組み合わせず、窓口では給付の正式名称を書いて確認すると行き違いを防げます。
公共職業訓練でも、給付の対象になり得る
職業訓練受講給付金は、求職者支援訓練だけの給付ではありません。ハローワークが、公共職業訓練の方が本人の就職に適していると判断した場合は、公共職業訓練を受け、要件を満たして給付を受けられる可能性があります。希望する学校の種類だけで対象外と決める必要はありません。
相談では、コースの正式名称、訓練番号、募集案内、開始日と終了日を用意します。同じ施設でも異なるコースが募集されていることがあるため、学校名だけを伝えるより確認が進みます。訓練の受講を申し込む窓口と、給付について相談する担当を聞き、学校から聞いた一般案内だけで受給を確定させないことが大切です。
訓練受講料が無料でも、テキスト代など自己負担になる費用があります。募集案内の費用欄と給付の案内を並べ、支払う相手、時期、金額を確認しましょう。給付金の支給が決まっていない段階で、掲載された月額から自己負担を差し引き、手元に残る金額を確定した収支にしないようにします。
給付金が出ない場合も、受講の相談は続けられる
世帯収入や金融資産の条件を満たさず、職業訓練受講給付金を受けられない人でも、訓練を受講できる場合があります。家族の収入が基準を上回っているからといって、就職のための訓練まで諦める必要はありません。給付なしでも受講を続けられるか、必要な費用と生活の見通しを分けて考えます。
最初の相談では、「現在は短時間の仕事をしていて、雇用保険の加入状況は確認中です。このコースで就職に必要な技能を学びたいので、受講と給付の両方の条件を教えてください」のように、分かっていることと未確認のことを伝えれば十分です。基準を満たすように説明を整えるより、事実をそろえる方が適切な制度につながります。
ここまでの対象者と受講の区分は、厚生労働省「求職者支援制度のご案内」で確認できます。次に確認するのは、本人と家族の収入をどの範囲で整理するかです。税金や健康保険の扶養と同じ扱いだと決めず、この制度の世帯の範囲で資料を集めましょう。
本人と世帯の収入・資産を、対象期間ごとに整理する

8万円・30万円・300万円は、それぞれ確認する対象が違う
職業訓練受講手当などの主な金銭条件は、本人収入が月8万円以下、世帯全体の収入が月30万円以下、世帯全体の金融資産が300万円以下であることです。本人収入と世帯収入は両方確認します。自分の収入が8万円以下でも家族分を含めた収入が基準を超える場合があり、世帯の合計だけを見ればよいわけでもありません。
世帯収入には本人分も含まれます。架空の整理例として、本人の給与が6万円、配偶者の給与が20万円で、ほかに算定対象の収入がないと確認できた場合、世帯分は26万円です。「世帯26万円」に本人6万円をもう一度加えて32万円にしないよう、個人別の一覧から一度だけ集計します。この計算だけで受給が決まるものではありません。
金融資産は、その期間に入ってきたお金の合計ではなく、保有している現金、預貯金、債券、株式、投資信託などの確認です。本人の生活用口座だけで判断せず、対象となる世帯員の資産も整理します。収入の一覧と資産の一覧を別に作ると、給与が預金に残っていることによる記録の混乱を防げます。
給与明細は、手取り額だけを写さない
収入の確認では、給与や賞与は税引前の金額が基本です。銀行へ振り込まれた手取り額をそのまま本人収入として書くと、控除される前の金額を確認できません。給与明細、支払日、対象となる勤務期間をそろえ、通帳の入金と対応させます。複数の勤務先があるなら、勤務先ごとに資料を分けてください。
事業収入や不動産賃貸収入は、公式FAQで経費を差し引いた額を扱うとされています。一方、税金の確定申告書にある所得金額を見れば、どの時期もそのまま申告できるとは限りません。売上、経費、入金日、対象期間が分かる記録を用意し、経費に含められるものや計算方法を窓口へ確認します。
各種年金、役員報酬、仕送りなども確認対象です。養育費には、客観的な書類で子の養育という特定の使途目的が確認できる場合の扱いがあります。名称だけで収入に含める、含めないと決めず、支払の根拠になる書類を示しましょう。課税されない収入なら、この給付でもすべて対象外という判断はできません。
制度上、複数月分がまとめて支払われ、受取人が支払頻度を変えられない年金などは、適正な月数で割った額を収入とする扱いがあります。たとえば2か月分として支払われる額なら、その対象月数が分かる通知を用意します。自分の都合で入金日を遅らせたものまで、同じ扱いになると考えないでください。
同居・別居と、生計の関係を整理する
この制度の世帯は、本人のほか、同居しているか、生計を一つにする別居の配偶者・子・父母を含みます。内縁関係の配偶者も対象に含まれる扱いです。住民票が同じかどうかだけで判断せず、家族の続柄、同居・別居、生活費のやり取りを整理して、どの人が世帯員となるかを確認します。
たとえば親と別の住所に住んでいても、生活費を一体としている事情があれば確認が必要です。反対に、同居人がいることだけから、その人を配偶者や父母と同じ範囲へ入れることもできません。家族や同居の状況が複雑なら、図や短いメモで関係を示すと、提出を求められた資料の対象者を取り違えにくくなります。
子の収入は、20歳未満で、かつ就学中である場合に0円とみなす扱いがあり、就学年齢前の子も含まれます。「子どもなら全員」「学生なら年齢に関係なく」と広げないことが重要です。義務教育を超える年齢の就学中の子については、学生証や在校証明など、就学状況を確認する資料も準備します。
収入を0円とみなす取扱いがあることと、その子の資産を世帯の確認から外せることは同じではありません。事前審査のしおりでは、預貯金の確認は本人とすべての対象世帯員について求めています。収入資料の例外を、世帯や金融資産の例外に読み替えないようにしてください。
表は横にスクロールできます。
| 誰の資料か | 何を分けて記録するか | 確認したい点 |
|---|---|---|
| 本人 | 給与・年金・事業等の種類、対象期間、金額 | 税引前額、経費、算定対象外の扱い |
| 配偶者・子・父母 | 続柄、同居か別居か、生計の関係 | 制度上の世帯員に含まれるか |
| 就学中の子 | 年齢、在学状況、収入と預貯金 | 収入を0円とみなす条件と必要な証明 |
| 世帯の金融資産 | 口座・現金・有価証券等の種類と残高 | 評価や残高を確認する時点と資料 |
不動産と受給歴も、収入とは別に確認する
現在住んでいるところ以外に土地・建物を所有していないことも要件です。相続した土地が使われていない、売れそうにないといった事情だけで、所有していないことにはできません。名義や持分の扱いが分からない場合は、登記など手元にある資料を示し、窓口で確認しましょう。
同じ世帯の中で、同時に職業訓練受講手当を受けて訓練中の人がいないことも確認します。現行しおりの支給要件では「職業訓練受講手当」と記載されているため、家族が受けているものが通所手当だけなのか、月10万円の受講手当も含むのかを、通知の正式名称で伝えてください。家族が交通費を受けているという情報だけで一律に対象外とは判断しません。
過去3年以内の特定の給付金の不正受給と、過去6年以内の職業訓練受講給付金の受給歴も確認事項です。受講手当、通所手当、寄宿手当のいずれかを受けたことがある場合は、最初の支給単位期間の初日などが分かる通知を探します。以前は交通費だけだったから申告しなくてよい、とは考えないでください。
過去の訓練をやむを得ない理由で途中退校した場合には、6年以内の受給歴について例外があります。退校した理由や当時の手続きまで確認が必要なので、すべての中退を同じ例外と扱うことはできません。条件の詳細は現行しおりの9~11ページ、収入の種類や年金、子の扱いは厚生労働省のFAQを確認してください。
月10万円・通所手当・寄宿手当と、支給単位期間を確認する

三つの手当を、一律の合計額にしない
職業訓練受講給付金は、生活を支える職業訓練受講手当、通所にかかる通所手当、必要な寄宿を支える寄宿手当で構成されます。職業訓練受講手当は月10万円、通所手当は所定の額で月上限42,500円、寄宿手当は月10,700円です。それぞれの条件があるため、三つの上限を足した金額が全員に出るわけではありません。
通所手当は、通常の通所経路・方法のうち、経済的で合理的と認められるものを基に算定されます。自分が使いやすい経路の定期代を、自由に上限まで請求する仕組みとは考えないでください。自宅と施設の場所、利用交通機関、経路を示し、購入前にどの方法で届け出るかを確認しておくと安心です。
寄宿手当は、訓練を受けるために同居していた配偶者などと別居して寄宿し、その必要性をハローワークが認めた場合が対象です。ひとり暮らしをしている人の家賃に一律で加算される給付ではありません。転居や賃貸契約を考えているなら、現在の同居状況、通所の難しさ、寄宿先を示して事前に相談します。
受講期間の最後など、支給単位期間が28日未満になる場合は、通常月と同じ額とは限りません。現行の申請書の注意事項では、この場合の職業訓練受講手当を1日3,580円に日数を掛けて算定する旨が示されています。欠席による減額なども別に関わるため、記事の計算例だけで最終額を決めず、窓口の決定で確認してください。
収入によっては、通所手当だけを受けられる場合がある
月10万円の受講手当について本人8万円以下・世帯30万円以下の収入条件を満たさなくても、本人収入が月12万円以下、世帯収入が月34万円以下であれば、通所手当だけが対象になる場合があります。金融資産、不動産、出席、受給歴など、その他の支給要件は満たす必要があります。
架空の相談例として、本人収入が9万円で、ほかの世帯員との合計が28万円の人は、本人8万円以下という受講手当の条件を超えています。ただし、この数字だけを理由に通所手当も受けられないとは限りません。通所手当の収入基準とその他の要件で確認してもらうという、別の確認先が残ります。
この場合も、9万円から8万円を引いた額だけ受講手当を減らして支給する、という説明にはなりません。受講手当の支給条件と通所手当のみの条件を混ぜず、窓口で「どの手当が対象になり得るか」を聞いてください。家計の予定にも、未確認の受講手当10万円を入れないようにします。
支給単位期間は、毎月1日から末日とは限らない
給付では、原則として訓練開始日を起点に1か月ずつ区切る「支給単位期間」を使います。たとえば10月15日に始まる架空の訓練なら、10月15日から11月14日という区切りが基本になります。訓練が終わる月や特別な取扱いのある場合は、就職支援計画書と窓口の案内で実際の期間を確認します。
収入をまとめるときも、毎月の家計簿の10月分や11月分をそのまま移すのではなく、申請書⑨の対象期間に合わせて照合します。給与の締日、働いた日、支払日は一致しないことがあるため、それぞれを記録しておくと説明ができます。どの収入を今回の期間へ入れるか迷ったら、明細と入金記録を一緒に示しましょう。
事前審査で確認する「申請日の前月の収入」と、毎回の申請で確認する「支給単位期間の収入」は役割が異なります。初回に提出した給与明細が、その後の毎月の申告を代わりに済ませてくれるわけではありません。申請回ごとに対象期間を見直す習慣が、誤記を防ぐ基本になります。
表は横にスクロールできます。
| 確認する日付 | 意味 | 予定表に書く内容 |
|---|---|---|
| 訓練開始日 | 支給単位期間の起点となる日 | 募集案内と正式な案内の日付 |
| 支給単位期間の末日 | その回の対象期間の終わり | 収入・受講状況を確認する区切り |
| 指定来所日 | 職業相談と支給申請を行う日 | 施設の証明を受ける締切も併記 |
| 支給決定日 | 確認を経て支給が決まる日 | 決定通知で確認し、入金とは分ける |
初回の入金までに必要な支出を見積もる
職業訓練受講給付金は、開講日に生活費を前払いする制度ではありません。初回の支給申請は、原則として受講開始後2か月目の指定来所日です。支給単位期間が終わった後、施設の受講証明などをそろえ、職業相談と申請を行います。開講直後の家賃や交通費は、入金まで待てない場合があります。
現行しおりでは、支給決定後1週間から10日程度が振込の目安とされています。確認事項があれば決定自体に日数がかかることもあります。公式の制度紹介にある申請からおおむね1週間という案内と、しおりの「支給決定後」という起算点を混ぜて、必ず申請の翌週に入ると予定しないようにしましょう。
準備する収支メモでは、テキスト代、定期券、家賃、公共料金などを支払日順に並べます。支給予定額が未確定の欄は「確認中」とし、決定通知や窓口で確認できた見通しを更新します。初回までの資金が足りない場合は、訓練開始を迎えてから慌てるより、早い段階で利用できる支援の相談をしてください。
生活費の不足には、給付と別に貸付の制度が案内されることもあります。ただし貸付は返済を伴うため、給付が追加される話とは区別します。必要な額と支払期限を伝え、条件の説明を受けた上で考えましょう。支給額と申請・振込の流れは、しおりの9~12ページと17ページが確認先です。
事前審査に必要な書類を、本人・家族・窓口でそろえる

事前審査と、毎回の支給申請の二段階で進む
事前審査は、出席要件以外の支給要件をあらかじめ確認する手続きです。原則として一度行い、その後、支給単位期間が終わるごとに支給申請を行います。事前審査を通った通知を受け取っても、訓練中の収入や出席を確認する毎回の申請が不要になるわけではありません。
事前審査は支給申請より前か、同時に行う必要があり、支給申請だけを先に済ませることはできません。最も早い時点では、訓練の受講申込みと同時に申請できます。「開講の2週間前まで」など、全国一律の別の締切を当てはめず、受講の申込期限と給付の準備時期をそれぞれ窓口で確かめます。
受講申込み以降に相談することもできますが、準備が遅れると支給開始が遅れたり、受給できなくなったりする可能性があります。家族の資料の取寄せに時間がかかりそうなら、手元の資料で先に相談し、不足分と提出時期を確認しましょう。全部を自己判断でそろえるまで、窓口へ行かないという進め方は避けたいところです。
窓口でもらう用紙と、持参する証明を分ける
窓口で交付される主な用紙は、受講申込・事前審査書、職業訓練受講給付金要件申告書、通所届などです。該当者には育児・介護実施状況申告書もあります。訓練の受講申込みも同時にする場合は、受講申込書や写真など、そのための提出物が別に必要になることがあります。
地方税関係情報の情報照会に係る同意書は、同意する場合に提出する書類です。全員が必ず同意しなければ申請できないという説明にはしません。情報照会を使わない場合にどの資料が必要か、使う場合に何を省略できるかを確認し、本人が選択する内容を理解して進めてください。
用紙を探すときは、検索で先に見つかった古いPDFより、現在のハローワークの案内を優先します。現行しおりPL070401では、本人確認の資料に公的医療保険の資格確認書などが記載されています。古い健康保険証の説明をそのまま持参物リストにせず、自分が用意できる資料の組合せを確認しましょう。
本人確認、世帯確認、収入確認は目的が異なる
マイナンバー確認には、マイナンバーカードのほか、条件を満たす通知カードや番号記載の住民票などの選択肢があります。身元確認には、カードや運転免許証など、しおりに示された資料を使います。一つの資料ですべての確認を済ませられる場合と、複数の資料を組み合わせる場合を取り違えないようにしてください。
世帯の確認では、原則として直近3か月以内の世帯全員の記載がある住民票の写しや、構成・続柄の分かる住民票記載事項証明書などを確認します。マイナンバーを利用した情報照会により省略できるものもありますが、情報照会ができないときには書類が必要です。単にカードを持っていれば何も不要、とはしないでください。
本人の収入は、事前審査を申請する日の前月に得た収入を確認できる資料を用意します。家族についても、制度上の世帯員の前月の収入を確認するのが基本です。無収入でも、その事実を説明する資料が求められることがあるため、「0円だから持参物なし」と決めず、窓口が指定する資料を確認します。
家族の収入には、給与明細のほか、源泉徴収票、確定申告書の控え、額面の記載がある所得証明などが案内される場合があります。どの資料でも同じ期間を直接証明できるとは限りません。給与が変わった直後や退職したばかりなら、変化の日付が分かる資料も伝え、今の状態を確認してもらいましょう。
表は横にスクロールできます。
| 確認の目的 | 準備の目安 | 見落としやすいこと |
|---|---|---|
| 本人・番号の確認 | カードや窓口指定の確認書類 | 番号の確認と身元確認を区別する |
| 世帯の構成 | 住民票等、別居家族の生計の説明 | 情報照会で省略できるかを確認する |
| 本人と家族の収入 | 前月の給与明細等 | 手取りだけでなく額面と対象期間を見る |
| 世帯の預貯金 | 対象者の通帳または残高証明 | 振込先の一口座だけで終えない |
| 振込先の確認 | 本人名義・口座番号の分かる箇所 | 公金受取口座利用時の省略と資産審査は別 |
通帳は、振込先の登録と資産の審査で役割が違う
金融資産の確認では、本人と対象世帯員が保有する預貯金について資料をそろえます。現行しおりは、事前審査申請日の残高があるすべての通帳、または残高証明を示し、発行時期について申請日1か月以内という条件を記しています。本人以外の通帳は写しでもよいとされているので、どの面まで必要かを窓口へ確かめます。
通帳のないインターネット銀行、複数の証券口座、長く使っていない口座などがある場合は、存在を省かず伝えます。画面のどこを印刷するかや、どの形式の残高証明が必要かは、利用先と確認方法により異なります。資料を取得する費用がかかる場合もあるため、必要な形式を先に聞くと二度手間を減らせます。
給付の振込先に公金受取口座を使う場合、口座名義と番号の確認用としての通帳の写しを省略できる扱いがあります。しかし、世帯の金融資産を調べる資料まで不要になるわけではありません。「振込先登録」と「300万円以下かの審査」を別の項目として管理してください。
家族へ資料を頼む際には、誰の何月分の収入、どの時点の残高、原本か写しかを一覧で伝えます。番号や口座情報を含む実物をブログのコメント欄や不明な申請支援サイトへ送る必要はありません。提出先は指定された公的窓口とし、家族にも利用目的を説明して、必要な範囲で取り扱いましょう。
災害、DV、住居の喪失などで通常の書類をそろえることが難しい場合は、事情に応じた対応が案内されています。危険を伴う相手に資料を頼むなど、無理に通常の集め方を続けず、まずハローワークへ安全に相談できる方法を確認してください。詳しい持参物はしおりの13~14ページで確認できます。
毎月の申請は、収入の申告と訓練施設の受講証明をつなぐ

指定来所日に、職業相談を終えてから申請する
受講中は、就職支援計画書に記載された指定来所日にハローワークへ行き、職業相談を受けた後に給付の申請をします。訓練施設へ毎日出席していれば口座へ自動的に振り込まれる、という流れではありません。学校へ書類を出す日とハローワークへ持参する日を、両方予定表に入れておきましょう。
主な持参物は、施設の受講証明が付いた支給申請書、就職支援計画書、給付金の支給状況を記録する書類などです。初回にはまだ交付されていない記録もあります。欠席理由を証明する資料や寄宿の証明が必要な場合は、それも追加します。申請書と就職支援計画書がないと、申請自体ができず再来所になることがあります。
しおりには支給単位期間終了の翌日から2年という権利の期間が記載されていますが、月1回の指定来所日に申請するという案内もあります。2年以内なら指定日を無視してまとめて出せばよい、とは読まないでください。指定日に行けない場合は、その前に窓口へ相談することが必要です。
様式第3号の⑨・⑩・⑪・⑫を順に照合する
現行しおりに掲載された支給申請書は「様式第3号」です。表面の⑨は支給申請の対象となる訓練期間、⑩は収入、⑪は現在の就労の有無、⑫は事前審査時からの変更、⑬は添付書類です。別の版の解説にある番号を当てはめず、窓口から受け取った用紙の見出しも確かめてください。
最初に⑨の開始日と終了日を読み、今回集計する範囲を決めます。次に⑩へ、本人がその期間に得た税引前の収入と、本人を含む対象世帯員の収入を整理します。手元のメモを「本人分」「ほかの世帯員分」「世帯合計」に分けておくと、本人分を世帯合計へ二重に加える誤りを防ぎやすくなります。
⑪の就労の有無と、⑩の収入額は別の確認です。働き始めたばかりで給与の支払前だからといって、働いていないことにはできません。逆に、以前働いた分が今の対象期間に支払われる場合もあります。勤務の実態と入金を分けて説明し、分からない欄を都合のよい方へ決めないようにしましょう。
⑫は、収入額を書く欄の代わりではありません。金融資産、育児・介護、住所、通所方法・経路、同一世帯の受講など、事前審査時からの状況の変化を確認します。同じ訓練について以前の給付申請をしている場合は、申請書の注意事項に従って前回との変化を確認する扱いもあるため、毎回用紙を読み直します。
金融資産の変更欄では、金額が多少変わっても、引き続き明らかに世帯で300万円以下なら「無」とする説明があります。300万円を超える場合や要件を満たすか迷う場合は「有」とし、確認してもらいます。その他の項目では小さな変化も申告の対象になるため、残高の説明を住所や通所経路の変更へ広げないでください。
表は横にスクロールできます。
| 申請書の欄 | 確認する内容 | 手元で照合するもの |
|---|---|---|
| ⑨ 対象となる訓練期間 | 今回の開始日と終了日 | 就職支援計画書、窓口の案内 |
| ⑩ 収入 | 本人収入と本人を含む世帯収入 | 対象期間の給与等の資料と集計メモ |
| ⑪ 就労の有無 | 現在の働いている実態 | 勤務開始日、雇用条件等 |
| ⑫ 変更 | 資産、世帯、育児介護、通所等の変化 | 前回までの申告と変化の日付 |
| ⑬ 添付書類 | 持参・添付する資料 | 受講証明、欠席理由の証明等 |
裏面の受講証明は、訓練実施機関へ依頼する
申請書の裏面では、上部の受講者氏名は本人が記入しますが、訓練機関の記載欄は施設が証明します。下部の職員記入欄も本人が埋めるところではありません。自分の出席メモから欠席日数や手当額を先に書き込まず、施設に依頼する範囲と本人が書く範囲を分けましょう。
施設の証明は、所定の申請書をいつ渡し、いつ受け取るかを決めて依頼します。書類が返ってきたら、対象期間が合っているか、気づいた出欠の相違がないかを確認します。誤りの疑いがあっても本人が施設の証明欄を書き換えず、施設へ確認・訂正を依頼してください。
遅刻、早退、授業の一部だけを受けた日も、給付に関係する記録です。自分用には日付、受講できなかった時間、理由、施設へ連絡した日時を残します。このメモは施設の証明を置き換えるものではありませんが、両者に食い違いがあったとき、どの日を確認すればよいか説明する材料になります。
全出席の原則と、欠席の例外をセットで確認する
実施日が特定されている訓練では、原則としてすべての訓練実施日に出席する必要があります。やむを得ない理由があっても、訓練実施日の8割以上の出席が必要です。「8割出れば理由を問わず満額」「病気なら出席率に関係なく支給」という理解では、申請時に条件を満たさないおそれがあります。
一方、欠席が一度あれば全員一律に不支給という説明も正確ではありません。求職者支援訓練の基礎コースを受ける人や、所定の育児・介護を行う人には、8割以上の出席を前提に、やむを得ない理由以外で受講しなかった日数・時間数に応じて減額して支給する取扱いがあります。
この育児は、小学生以下の子の養育が対象で、障害のある子の場合は18歳未満までの範囲です。介護は、要介護2相当以上の対象親族を2週間以上、常時継続的に介護するなど、しおりに定める条件があります。親族の範囲は配偶者、父母、子、祖父母、兄弟姉妹、孫、配偶者の父母などです。家事や家族の手伝いをしているだけで、全員にこの例外が当てはまるわけではありません。
やむを得ない理由の確認には、理由を裏付ける資料が必要になることがあります。持病で自宅安静が通常という場合も、自己申告だけで認められるとは限りません。事前にどの資料が必要か相談し、欠席後も施設への連絡と証明の準備を進めます。振替授業も必ず実施されるものではなく、自由な補習で出席を置き換えることはできません。
eラーニングなど実施日を特定しない科目を含む訓練では、日数だけでなく時間数と科目ごとの確認が関わります。動画を見終わったことと必要な受講時間を満たしたことが一致しない場合もあるため、自己流で換算しないでください。給付の要件と学校の修了要件は別です。しおりの9~11ページ、15~21ページを手元に、施設とハローワークのそれぞれへ確認しましょう。
就労・家族事情・就職が変わったときの連絡と、修了後の支援

収入が変わったら、変化した日付から説明する
受講開始時には給付を受けていなかった人も、本人や世帯の収入、資産などが変わり、要件を満たすようになれば受給できる場合があります。収入が減ったことを翌月の家計簿で確認するだけで終わらず、いつ、誰の、どの収入が変わったかを整理して、速やかにハローワークへ相談します。
たとえば配偶者が退職した場合には、退職日と最後の給与の支払日がずれることがあります。退職したからその日以降の世帯収入は必ず0円、とは判断できません。最後の給与明細、退職の分かる資料、今後受ける給付などを示し、事前審査と実際の支給単位期間のどちらで何を確認するかを聞きましょう。
アルバイトの勤務日が増えた、賞与が支給された、事業収入が発生した場合も同じです。本人収入が8万円以下に収まりそうでも、就労や収入を無申告にしてよいわけではありません。申請書の就労欄、収入欄、変更欄にそれぞれ関わる事実を、日付付きで残しておくと申告に使えます。
世帯・住所・通所経路の変更は、それぞれ届け出る
結婚、家族との別居、同居の開始などがあると、世帯として確認する範囲が変わることがあります。住民票の手続きをしたことで給付の窓口にも自動で内容が伝わると考えず、次回の申請時に変更を申告し、追加資料を確かめてください。どの期間から家族の収入を確認するかも、その変更の日付から相談します。
住所、氏名、振込先などの変更には、次回指定来所日に特定求職者氏名等変更届を提出する案内があります。振込先の口座を閉じると、振込ができなくなるおそれがあります。変更日や入金予定と重なる場合は早めに連絡し、新しい口座への変更が反映される時期を確認しましょう。
通所経路が変わる場合は、次回指定来所日の支給申請に合わせて通所届を提出する手続きが示されています。引っ越しによる変更か、交通機関や経路のみの変更かを分け、いつからどの方法で通うかを伝えます。以前の定期券代がそのまま支給されると考えず、新しい経路について判断を受けてください。
育児や介護を受講中に始めた場合には、育児・介護実施状況申告書を支給申請時に提出することも可能とされています。該当する家族、開始時期、必要な証明を確認し、出席の取扱いに関係する事情を後からまとめて伝えることがないようにします。
指定来所日に行けないときは、先に相談する
病気、家族の事情、面接などで指定来所日に行けない可能性が出たら、事前にハローワークへ連絡し、日程変更の可否と理由を示す資料を確認します。訓練施設へ欠席を連絡しただけで、指定来所日も変更されたことにはなりません。連絡先と手続きの相手を分けることが大切です。
変更の扱いは理由や状況によって異なり、連絡すれば必ず認められるとは限りません。指定日に来所しないことが支援指示や給付に影響する場合もあります。急な事情で事前連絡が難しかった場合も、落ち着いた時点で速やかに事情を説明し、次に必要な対応を聞いてください。
給付の不支給、支援指示の取消し、不正受給による返還は、それぞれ確認する理由や手続きが異なります。収入の変化を正直に申告し、その回の要件を満たさないことと、意図的に収入や出席を偽ることは同じではありません。誤記に気づいたらそのまま放置せず、申請した窓口へ訂正の方法を相談します。
雇用保険の終了が近い人は、終了前に切替の可能性を聞く
雇用保険の失業等給付を受けながら訓練を受けていて、間もなく終了する人は、終了前にハローワークへ相談します。雇用保険の受給資格がなくなった後に、職業訓練受講給付金の要件を満たせば対象になる可能性はありますが、自動で支給される制度の切替ではありません。
用意するのは、現在受けている給付の資料、訓練の終了予定、家族と収入の資料です。最後の入金日だけで資格がなくなる日を判断せず、対象になり得る時点と事前審査の準備を確認します。どちらの制度からいつ何を受けるかが未確定なら、家計の予定でも確定した入金と区別しておきましょう。
就職・中退・修了後は、最後の申請まで確認する
就職が決まり受講を続ける場合でも、収入額や雇用保険加入の有無にかかわらず、次回指定来所日に就職の事実を申し出て、就職状況報告書を提出する案内があります。仕事が決まった日、勤務開始日、勤務時間、受講への影響を整理し、今後の支援や給付の扱いを確かめます。
受講を続けられない場合や継続を希望しない場合は、速やかに施設とハローワークの両方へ連絡します。施設には退校届や就職状況報告書、ハローワークには就職状況報告書や最後の支給申請など、提出先に応じた手続きがあります。片方へ知らせれば全部終わるとは考えないでください。
就職で途中退校する場合は、退校日までが支給単位期間となり、その期間の要件を満たせば給付を受けられる扱いです。就職以外でも、やむを得ない理由による途中退校には、理由の証明を前提とした扱いがあります。どの理由でも同じ額が出る、通常の中退でも過去分をすべて返す、といった一律の判断は避けましょう。
訓練が修了して就職先が未定なら、修了後3か月、原則月1回の職業相談などの支援が続きます。この3か月は、職業訓練受講給付金が自動的に3か月追加される期間ではありません。最終の給付申請と、修了後の指定来所日、就職状況報告書の提出を、それぞれ確認してください。
最初の相談に戻ると、準備したいのは雇用保険の状況、希望する訓練の資料、本人と家族の関係、収入の種類、資産と受給歴、必要な支出の時期です。分からないものは空欄のまま質問にし、窓口で次に集める資料と指定日を決めましょう。変更時の手続きはしおりの23~26ページでも確認できます。