不動産売却の流れと失敗しない進め方|査定・費用・税金・契約まで解説
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こんにちは。「脱会社員」脱サラを応援し続けるブログ、運営者のなかびーです。
不動産売却は、人生で何度も経験する手続きではありません。だからこそ「査定額が高い会社を選べばいい?」「売るまで何か月かかる?」「税金はいくら?」「住宅ローンが残っていても売れる?」と、分からないことが一気に出てきます。
しかも、不動産は金額が大きいので、売り出し価格の決め方、媒介契約、不動産会社とのやり取り、税金の特例、引き渡し条件などを曖昧なまま進めると、数十万円〜数百万円単位で手残りが変わることもあります。
そこでこの記事では、初めて不動産を売る人が、何をどの順番で確認すればいいのかを、査定・会社選び・費用・税金・売買契約・引き渡し・売れないときの対処まで整理します。
- 売却前に確認しておきたい目的・期限・住宅ローン残高
- 査定価格を比較するときの見方
- 一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の違い
- 仲介手数料・税金・3,000万円特別控除の基本
- 売り出しから内覧・契約・決済・引き渡しまでの流れ
- 住み替え・相続・空き家・古家・土地売却の注意点
不動産会社へ査定を依頼する前に相場の見方から確認したい方は、不動産査定の基礎ガイドも参考にしてください。
- 売る前に整理すること|目的・期限・ローン残高・必要書類
- 査定価格をどう見る?相場・根拠・複数社比較で見極める
- 媒介契約と会社選び|査定額より販売戦略と説明力を見る
- 売却費用と税金を整理|仲介手数料・譲渡所得・3,000万円控除
- 売り出しから引き渡しまで|価格設定・内覧・交渉・契約を確認
- ケース別の注意点|住み替え・相続・空き家・古家・土地を整理
- 住み替え|売り先行か買い先行かを決める
- 相続・空き家|名義と期限を先に確認する
- 古い戸建て|建物状況調査と告知を検討する
- 土地|境界・測量・越境を確認する
- 売れないときは原因を分解する
- 仲介と買取を使い分ける
- 不動産会社へ最初に聞いておきたい質問
- 売り出し価格と成約価格を分けて考える
- 売却前の修繕は「直す・直さない」を比較する
- 売買契約前に設備表・告知書を丁寧に確認する
- 引き渡し前の最終確認で残置物・鍵・公共料金を整理する
- 契約後に想定外の問題が出たときは自己判断で処理しない
- マンション・戸建て・土地で確認ポイントは変わる
- 「高く売る」より「納得できる手残り」を目標にする
- よくある質問
- 売却中はやり取りと数字を記録する
- まとめ|査定額だけでなく、手取り・期限・販売戦略で判断する
売る前に整理すること|目的・期限・ローン残高・必要書類

不動産売却は、いきなり査定サイトへ入力するより先に、「なぜ売るのか」「いつまでに現金化したいのか」「住宅ローンがいくら残っているのか」を整理しておくと、その後の判断がしやすくなります。
まず売却目的を1つに決める
住み替え、相続、離婚、転勤、空き家処分、資産整理など、売る理由によって優先順位は変わります。
たとえば住み替えなら、新居購入との資金繰りと引き渡し時期が重要です。相続不動産なら、名義や共有者の整理が先になることがあります。空き家であれば、保有コストや管理負担も含めて「価格より早さを優先するか」を考える必要があります。
「いつまでに売るか」を決める
不動産は、今日売り出して来週には必ず現金化できる商品ではありません。価格設定、広告、内覧、条件交渉、売買契約、買主の住宅ローン手続き、決済・引き渡しまで時間がかかります。
期限が決まっている場合は、その日から逆算して売り出し時期を決めます。転勤や住み替えで「○月までに引き渡したい」という事情があるなら、最初の相談時に不動産会社へ伝えてください。
住宅ローン残高と売却後の手残りを確認する
住宅ローンが残っている物件でも売却は可能ですが、引き渡し時には原則として抵当権を抹消する必要があります。そのため、売却代金でローンを完済できるかを確認します。
確認する数字は「売却価格」ではなく、売却価格 − ローン残高 − 仲介手数料 − 登記費用 − その他売却費用です。住み替えの場合は、この手残りが新居の頭金や諸費用に使える金額になります。
購入時・所有中の書類を集める
売買契約書、重要事項説明書、登記識別情報、固定資産税の納税通知書、測量図、建築確認資料、マンションの管理規約、修繕履歴など、手元の書類を整理します。
税金を計算するときは、購入時の価格や諸費用が分かる資料が重要です。取得費が分からないと、税務上の計算で不利になる場合があるため、古い契約書や領収書も探しておきましょう。
名義・共有者を早めに確認する
共有名義の不動産では、売却手続きに共有者の協力が必要です。相続直後で名義変更が済んでいない場合や、離婚に伴う売却では、売り出し前に司法書士などへ確認した方がスムーズです。
「売ること自体には全員賛成しているが、価格で意見が割れる」ということもあります。最低売却価格や費用負担を事前に話し合っておくと、買主が現れた後のトラブルを減らせます。
査定価格をどう見る?相場・根拠・複数社比較で見極める

不動産会社の査定価格は「その価格で必ず売れる保証額」ではありません。高い査定額を出した会社が、実際に最も高く売ってくれるとも限りません。
最初に公的データで相場の土台を作る
国土交通省の「不動産情報ライブラリ」では、不動産の取引価格・成約価格、地価公示、防災、都市計画、周辺施設などを確認できます。
マンションなら近い築年数・面積・駅距離、戸建てや土地なら土地面積・前面道路・形状など、条件の近い事例を見て「だいたいの価格帯」を持っておくと、査定額の妥当性を判断しやすくなります。
机上査定と訪問査定を使い分ける
机上査定は、周辺の取引データ、面積、築年数などから概算価格を出す方法です。短時間で複数社を比較しやすい一方、室内状態、眺望、リフォーム歴、建物劣化、土地形状など現地でしか分からない要素は反映しにくいです。
訪問査定では担当者が現地を確認します。実際に売却を進める候補会社が絞れてきたら、訪問査定で価格根拠と販売戦略を聞きましょう。
査定額より「その金額になる理由」を比較する
A社4,300万円、B社4,000万円、C社4,250万円だったとき、単純にA社を選ぶのではなく、「どの成約事例を根拠にしたか」「売り出し価格はいくらを提案するか」「何か月での成約を想定しているか」を確認します。
高い査定額で媒介契約を取り、その後すぐ値下げを提案するようなケースも考えられます。担当者がデータを使って説明できるかを見てください。
複数社を比較しても、訪問査定は絞る
最初の相場確認では複数社を比べる意味がありますが、10社以上に訪問査定を頼むと日程調整や営業対応で疲れてしまいます。机上査定や初回相談で候補を絞り、訪問は2〜3社程度にする方法が現実的です。
一括査定の仕組みや営業電話が気になる方は、不動産一括査定の仕組みと比較ポイント、査定サイトの使い分けは不動産査定サイトの選び方で整理しています。
媒介契約と会社選び|査定額より販売戦略と説明力を見る

査定結果を確認したら、実際に販売活動を依頼する不動産会社を決めます。ここで重要なのは会社の規模だけではなく、売却物件のエリア・種別に詳しいか、販売戦略を具体的に説明できるかです。
※表は横にスクロールできます。
| 項目 | 一般媒介 | 専任媒介 | 専属専任媒介 |
|---|---|---|---|
| 複数社への依頼 | 可能 | 不可 | 不可 |
| 自己発見取引 | 可能 | 可能 | 不可 |
| レインズ登録 | 任意 | 契約翌日から7日以内 | 契約翌日から5日以内 |
| 業務報告 | 法定義務なし | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
一般媒介は複数社を競わせやすい
一般媒介は複数社へ依頼できるため、広く売却活動を任せたい場合に向いています。一方で、不動産会社から見ると自社で成約できない可能性もあるため、販売活動の優先度が会社によって変わることがあります。
専任・専属専任は1社と密に進めやすい
専任媒介と専属専任媒介は依頼先を1社に絞るため、窓口が一本化されます。専任は自分で見つけた買主と直接契約する余地がありますが、専属専任はそれもできません。
どちらが優れているというより、「複数社へ任せたいか」「1社に集中して売ってほしいか」で判断します。
2025年以降はレインズの取引状況を売主も確認しやすい
国土交通省は、専任・専属専任媒介でレインズへ登録された物件について、取引状況の登録を義務付けています。売主は売主専用画面で「公開中」「書面による購入申込みあり」「売主都合で一時紹介停止中」といった状況を確認できます。
囲い込み防止の観点でも、媒介契約後に渡される登録証明書を保管し、取引状況を確認しておくと安心です。
会社選びでは担当者の説明力を見る
「高く売れます」「うちなら大丈夫です」だけではなく、競合物件、想定買主、広告方法、内覧時の改善、値下げ判断のタイミングを具体的に説明できる担当者を選びましょう。
査定価格そのものより、売却中の報告内容と修正提案まで含めて比較すると、長い売却期間でもストレスが少なくなります。
売却費用と税金を整理|仲介手数料・譲渡所得・3,000万円控除

不動産売却では、「売却価格=手元に残る金額」ではありません。仲介手数料、印紙税、抵当権抹消費用、測量・解体などの費用がかかる場合があります。さらに売却益が出れば譲渡所得に対する税金も確認します。
仲介手数料は上限ルールを確認する
一般的な売買仲介では、売買価格が400万円を超える場合、上限額の簡易計算として「売買価格×3%+6万円+消費税」がよく使われます。
また、2024年7月以降、価格800万円以下の「低廉な空家等」では、売主・買主それぞれ一方から受け取れる媒介報酬の上限が、媒介に要する費用を勘案して税込33万円まで認められる特例があります。低価格物件では通常の簡易式だけで判断せず、媒介契約時に報酬額を確認してください。
譲渡所得は売却価格そのものに課税されるわけではない
土地・建物の譲渡所得は、基本的に売却代金 −(取得費+譲渡費用)− 特別控除で計算します。
取得費には購入代金や購入手数料などが含まれ、建物部分は減価償却費相当額を差し引いて計算します。譲渡費用には仲介手数料、測量費、売買契約書の印紙代、売却のために必要な解体費などが含まれる場合があります。
購入時の契約書を紛失して取得費が分からない場合は、概算取得費を使う制度がありますが、実額より不利になることもあるため、資料を探してから判断してください。
所有期間5年を境に税率が変わる
土地・建物は、売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えるかどうかで、長期譲渡所得・短期譲渡所得に分かれます。
長期は所得税15%・住民税5%、短期は所得税30%・住民税9%が基本で、さらに復興特別所得税が加わります。単純に購入日から5年経ったかではなく、「売却年の1月1日時点」で判定する点に注意してください。
マイホームは最高3,000万円の特別控除を確認する
一定の要件を満たすマイホームを売った場合、所有期間に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる特例があります。
ただし「マイホームなら無条件で使える」わけではありません。過去の適用状況、売却相手との関係、居住実態、住まなくなってからの期間など要件があります。家屋を取り壊して土地だけ売る場合にも別の条件があります。
税金は売却前に概算しておく
売却後に「想像より税金が大きかった」とならないよう、契約前に概算手取りを作っておきましょう。特例の併用可否や住み替え時の住宅ローン控除との関係は条件が複雑なので、金額が大きい場合は税務署・税理士へ確認するのが安全です。
売り出しから引き渡しまで|価格設定・内覧・交渉・契約を確認

査定と媒介契約が終わったら、いよいよ販売活動です。ここからは「待っていれば売れる」ではなく、反響を見ながら価格・広告・内覧対応を調整していく期間になります。
売り出し価格は査定額より少し上から始めることもある
売り出し価格は、査定額、周辺の競合、売却期限、値引き交渉の余地を見ながら決めます。最初から相場より大幅に高くすると内覧が入らず、長期間売れ残って「何か問題がある物件なのでは」と見られることがあります。
一方で、急ぎすぎて安く出す必要もありません。最初の数週間の反響を見て調整できる価格にしておくと判断しやすいです。
内覧前は高額リフォームより清潔感を優先する
売る前に全面リフォームすれば必ず高く売れるとは限りません。買主が自分でリフォームしたいケースもあるため、まずは掃除、臭い、照明、不要物、玄関・水回りなど印象に直結する部分を整えます。
不具合がある場合は隠さず、不動産会社と相談して告知方法を決めます。後から発覚すると契約不適合責任の問題につながる可能性があります。
値下げ交渉は「最低手取り」から逆算する
買付申込が入ると、価格だけでなく引き渡し日、残置物、設備、契約条件などの交渉が行われます。
「100万円下げれば今日決まる」と言われても、その100万円が自分の手残りにどう響くかを確認します。最初に最低売却価格と最低手取りを決めておくと、交渉の場で焦りにくくなります。
売買契約では手付金と契約条件を確認する
売買契約では売買価格、手付金、決済日、引き渡し日、設備、契約不適合責任の範囲、住宅ローン特約などを確認します。
一度契約すると簡単には撤回できません。分からない項目があれば、署名・押印前に担当者へ確認してください。
決済・引き渡しではローン完済と登記を同時に進める
決済日には、買主から残代金を受け取り、住宅ローンが残っていれば返済し、抵当権抹消・所有権移転登記などを司法書士が進めます。鍵、管理書類、物件関係書類を引き渡して取引完了となります。
マンションでは管理費・修繕積立金、戸建て・土地では固定資産税などを決済日基準で精算することもあります。最終手取り額を事前に不動産会社へ確認しておきましょう。
ケース別の注意点|住み替え・相続・空き家・古家・土地を整理

不動産売却の基本は同じでも、物件や売却理由によって先に解決すべき課題が変わります。自分のケースに近い部分を重点的に確認してください。
住み替え|売り先行か買い先行かを決める
今の家を売って新居を買う場合、先に売却して資金を確定する「売り先行」と、先に新居を確保する「買い先行」があります。
売り先行は資金計画を立てやすい一方、仮住まいが必要になることがあります。買い先行は引っ越しが楽ですが、旧居が売れるまで二重ローン・維持費が発生する可能性があります。
相続・空き家|名義と期限を先に確認する
相続物件は、誰が所有者なのか、共有者はいるのか、相続登記は済んでいるかを確認します。空き家は固定資産税、管理、火災・劣化リスクもあるため、「高く売れるまで何年でも待つ」ことが本当に得かを考える必要があります。
相続した空き家には税制上の特例が使えるケースもありますが、建築時期・相続時期・売却時期など条件があるため、個別に税務署・税理士へ確認してください。
古い戸建て|建物状況調査と告知を検討する
築年数が古い戸建てでは、雨漏り、シロアリ、給排水管、基礎など、売主が把握していない不具合があることがあります。
必要に応じて建物状況調査(インスペクション)を検討し、分かっている不具合は買主へ説明します。「古いから全部免責」と思い込まず、契約書で責任範囲を確認してください。
土地|境界・測量・越境を確認する
土地売却では、境界標、確定測量図、越境物、私道、接道などが取引に影響します。境界が曖昧なままだと、買主や金融機関が不安を感じ、契約まで時間がかかることがあります。
売却を決めてから測量を始めると数か月かかる場合もあるため、古い土地ほど早めに書類と現況を確認しましょう。
売れないときは原因を分解する
一定期間売れない場合、「価格が高い」「写真・広告が弱い」「内覧後に断られる」「買主が少ないエリア」「物件特有の問題」のどこに原因があるかを分けて考えます。
反響がほぼないなら価格・広告、内覧は入るのに決まらないなら室内状態や条件、問い合わせは多いのに買付がないなら価格や契約条件を見直します。原因を見ずに毎回値下げするのは避けたいところです。
仲介と買取を使い分ける
時間に余裕があり相場に近い価格を目指すなら仲介、不動産会社へ直接売って早く現金化したいなら買取という選択肢があります。
買取は再販費用や利益を見込んだ価格になるため、一般に仲介より売却価格が下がりやすい一方、内覧や長期の販売活動を省きやすいメリットがあります。期限を優先する場合は比較対象に入れてください。
「査定」「一括査定」「高値売却」をもう少し細かく整理したい場合は、一括査定の仕組み、高値売却を狙うときの考え方もあわせて確認してください。
不動産会社へ最初に聞いておきたい質問
担当者との面談では、会社案内だけを聞くのではなく、売却後の動きまで具体的に質問しておくと比較しやすくなります。特に確認したいのは、「この価格を査定した根拠」「最初の売り出し価格」「想定する買主層」「広告を出す媒体」「値下げを検討する時期」「内覧後のフィードバック方法」です。
また、同じマンションや近隣エリアで最近どんな成約があったか、売却に時間がかかったケースでは何が原因だったかも聞いてみましょう。成功事例だけでなく、売れなかった事例を説明できる担当者は、現実的な販売計画を作りやすいです。
「必ずこの金額で売れます」「今すぐ契約すれば得です」と断定する説明には慎重になってください。不動産市場は買主の需要や金利、競合物件によって変わるため、査定はあくまで売却予想です。
売り出し価格と成約価格を分けて考える
ポータルサイトに掲載されている価格は「売主が希望している価格」であり、実際に取引された成約価格とは違います。近隣の売り出し物件だけを見て「うちも同じ金額で売れる」と考えると、相場より高い設定になることがあります。
一方、公的な取引価格情報や不動産会社が持つ成約事例を確認すると、「最終的にいくらで売れたか」を把握できます。売り出し価格と成約価格の両方を見ることで、値下げ余地も含めた現実的な販売戦略を作れます。
売却前の修繕は「直す・直さない」を比較する
壁紙、設備、外壁、屋根などに不具合があると、売却前に修繕した方がいいと考える人も多いですが、費用をかけた分だけ売却価格が上がるとは限りません。
軽微な汚れや破損なら補修で印象が改善することがありますが、全面リフォームは買主の好みと合わない可能性があります。まずは査定担当者へ、現状のまま売った場合と修繕した場合の価格差を聞き、費用対効果を比較してください。
売買契約前に設備表・告知書を丁寧に確認する
売主は、建物や設備の状態について「物件状況確認書(告知書)」や「付帯設備表」を作成することがあります。雨漏り、シロアリ、給排水、給湯器、エアコン、境界、近隣トラブルなど、把握している事実は正確に伝えることが重要です。
「古いから仕方ない」「買主も見ているから大丈夫」と曖昧にすると、引き渡し後に認識違いが起こる可能性があります。分からない項目は勝手に判断せず、担当者へ確認しながら記載しましょう。
引き渡し前の最終確認で残置物・鍵・公共料金を整理する
決済日が決まったら、室内の荷物、不要家具、エアコンなど「残すもの・撤去するもの」を契約内容に合わせて整理します。買主との合意なしに物を残すと、撤去費用のトラブルになる可能性があります。
鍵はスペアを含めてそろえ、マンションなら管理会社への届出、駐車場・駐輪場の解約、電気・ガス・水道の停止時期も確認します。郵便物の転送届や火災保険の解約・変更も忘れやすいポイントです。
契約後に想定外の問題が出たときは自己判断で処理しない
買主の住宅ローン審査、境界、設備故障、引き渡し時期など、契約後にも予定変更が起きることがあります。特に売買契約の解除・違約金に関わる問題は、自己判断で相手と直接合意せず、まず仲介会社へ確認してください。
契約書の条項によって対応が変わるため、必要に応じて司法書士、税理士、弁護士など専門家へ相談します。金額の大きい取引だからこそ、「たぶん大丈夫」で進めず、記録を残しながら対応することが重要です。
マンション・戸建て・土地で確認ポイントは変わる
マンションでは、管理費・修繕積立金、長期修繕計画、管理状況、階数、向き、眺望、駐車場、同じマンション内の売り出し競合が価格へ影響します。管理状態の良さは買主にとって安心材料になるため、総会資料や修繕履歴を用意しておくと説明しやすくなります。
戸建てでは、土地だけでなく建物の状態、耐震性、雨漏り、シロアリ、外壁・屋根、設備、リフォーム履歴が重要です。築年数が経っていても、手入れ状況を説明できれば買主の不安を減らせます。
土地では、境界、接道、用途地域、建ぺい率・容積率、越境、地中埋設物などが確認ポイントです。再建築の条件に関わる場合もあるため、古い測量図だけで判断せず、不動産会社や土地家屋調査士へ確認してください。
「高く売る」より「納得できる手残り」を目標にする
不動産売却では、最高価格だけを目標にすると判断が遅れることがあります。売り出し価格を高くしすぎて半年以上売れ残り、その間の住宅ローン、管理費、固定資産税、空き家管理費が増えれば、最終的な手残りが減ることもあります。
売却価格、売却までの期間、保有中の費用、税金、住み替え予定を合わせて、「この時期までに、この手残りを確保できれば納得」という基準を作ると判断しやすくなります。
よくある質問
Q. 査定だけ頼んでも必ず売らないといけませんか?
査定を受けたからといって、その会社と必ず媒介契約を結ぶ必要はありません。相場確認だけで査定を依頼することもできます。ただし、訪問査定では営業連絡が来ることもあるため、売却時期が未定なら最初に伝えておきましょう。
Q. 不動産会社の買取と仲介はどちらがいい?
少しでも市場価格に近い価格を目指したいなら仲介、価格よりスピードや確実性を優先したいなら買取が候補です。買取価格は一般に仲介で売る価格より低くなりやすいので、両方の査定を取って手残りと期間を比較してください。
Q. 住みながらでも売却できますか?
可能です。実際に居住中の状態で内覧を受けながら売却するケースは多くあります。ただし、内覧日程の調整や片付けが必要になるため、本業や家庭の予定と両立できるよう担当者とルールを決めておくと負担を減らせます。
Q. 売却後は必ず確定申告が必要ですか?
売却益が出た場合や、3,000万円特別控除などの特例を使う場合は確定申告が必要になるケースがあります。損失が出た場合でも、一定の要件で特例の対象になることがあります。個別事情で変わるため、売却年の資料を保管し、税務署や税理士へ確認してください。
売却中はやり取りと数字を記録する
査定額、売り出し価格、問い合わせ件数、内覧件数、値下げ提案、買付条件、不動産会社からの活動報告は、簡単でも記録しておくと判断しやすくなります。特に複数回の値下げや条件交渉が続くと、「最初はいくらだったか」「なぜ下げたか」が分からなくなりがちです。
月ごとに価格と反響を並べておけば、売れない原因を担当者と一緒に分析できます。感覚ではなく記録を見ながら、「価格を変える」「写真を変える」「販売会社を見直す」といった次の判断につなげましょう。
また、売却後に必要となる書類は捨てずにまとめて保管してください。売買契約書、仲介手数料の領収書、測量・解体費の領収書、購入時の契約書、登記関連書類などは、譲渡所得の計算や確定申告で確認することがあります。売却が終わった瞬間に処分せず、税務手続きが完了するまで整理しておくと安心です。
不動産売却は一つの判断だけで成功・失敗が決まるものではありません。相場確認、担当者選び、価格設定、情報開示、交渉、税務確認を一つずつ積み上げることで、初めてでも納得しやすい取引に近づけます。
売却を始める前に、家族や共有者とも「価格・期限・最低手取り」の基準をそろえておくと、買付申込みが入ったときの意思決定が早くなります。担当者へ任せきりにせず、自分でも相場・活動状況・費用を定期的に確認する姿勢が、後悔しにくい売却につながります。
売却完了までには、価格だけでなく、時間・手間・税金・住み替えとの兼ね合いもあります。すべてを一度に完璧にしようとせず、判断材料を一つずつ揃えて進めてください。
まとめ|査定額だけでなく、手取り・期限・販売戦略で判断する
初めての不動産売却で大切なのは、「一番高い査定額を出した会社へ任せる」ことではありません。売却期限、住宅ローン残高、費用、税金、物件状態を整理したうえで、現実的な販売戦略を説明できる会社と進めることです。
売却前に公的データで相場を確認し、複数社の査定根拠を比較し、媒介契約後もレインズや活動報告で状況を確認してください。税金については3,000万円特別控除などの適用条件を確認し、必要であれば税務署や税理士へ相談しましょう。
また、今回の旧一括査定案件は掲載を外しています。特定サービスへ無理に誘導せず、現在は公的データと複数社比較を軸に判断できる構成へ整理しました。今後、条件の合う査定サービスと提携できた場合も、サービス名ありきではなく、査定根拠・対応エリア・提携会社・連絡方法などを確認したうえで追加する形が安全です。